理学療法士のこれからを考える〜AI時代をどう生きるか〜
どうも、運動器認定理学療法士のTakuです。
今回のテーマは、「PTがAI時代をどう生きていくのか」
ChatGTPを代表とするAIは、毎日どんどん進化しています。巷ではAIに仕事を取れるのかという議論が巻き起こるほどに席巻してますね。
理学療法士はどうでしょうか。この辺は意見が分かれるところかもしれません。
ぼくの意見は、「一部の仕事がなくなるが、価値を高めるチャンスでもある」と思ってます。
今回は、理学療法士がこれから生きていくために必要だと思うことを書いてきます。
理学療法士にできて、AIはできないこととは?
AI時代にPTとして価値を見出していくためには、PTにできてAIにはできないことを追求していくことが重要です。
では、これまでのよく言われてきたPTとしての価値にはどのようなものがあるか整理をしましょう。ぼくが考える理学療法士の価値には、以下の3点です。
徒手で患者さんに変化を与えられる
コミュニケーションを通じて行動変容を促せる
運動や動作から患者さんの問題点を見極められる
このあたりは今さら解説は不要ですよね。
大事なのはここから。
この3点の中で、PTにできて、AIにはできないことはなんでしょうか。
徒手で患者さんに変化を与えることと、コミュニケーションによる行動変容の促しですね。
逆に、運動や動作から患者さんの問題点を見極める、いわゆる動作分析はAIの方が得意になる可能性が高いと思っています。記事の最後には研究や論文ついての考えにも触れます。
次から、それぞれ整理してきましょう。
理学療法士にしかできないこと
これからの理学療法士はこちらを突き詰めることが重要だと自分が思っています。何かというと先にも述べたように、徒手でのスキルとコミュニケーションです。
特に、徒手で患者さんの身体に変化を与えることは、かなり重要なスキルになるでしょう。今のPT業界は色々な機器が出てきており、PTではなくても結果が出せる時代です。逆にいうと、PTの価値が下がっているとも取れます。
ちょっと余談ですが、ぼくがまだ3-4年目くらいの時に思ったことがあります。「先輩たちも治療で大したことしてないな」と。10年20年たってこの状態はかなりまずいだろうと感じました。
あのときのこの感覚は間違ってなかったと、今では自信を持って言えます。
若手の皆さん、徒手でのスキルを磨きましょう。
AIに代替可能なもの
これから、AIなどに代替可能なものはなんでしょう。ぼくが感じているのは、動作分析や運動指導の類です。現時点でもAIはかなり発達しており、人間をカメラで撮影したら、自動でアニメーションになったりV tuberになれたりします。そして、この技術はどんどん進化しているようです。
数年後、ACL再建術後の患者さんの再断裂予防のトレーニングを実施すると考えてみましょう。こんな未来が見えませんか?
スマホのカメラでスクワットを撮影するだけで、AIがknee-inの角度や動作の良し悪しを自動でフィードバックしてくれる。
多分、人間が実際にやるよりもかなり正確だし、詳細でしょう(一部かなり優れた観察眼を持ったPTはいらっしゃいますが、大多数がその域に達していません)。
これがあれば、いちいちリハビリ通院しなくても自宅やフィールドでできちゃいます。しかも、より競技に近いシチュエーションだって問題なしです。
確かに、できないことがあればPTのアドバイスが必要になる可能性がありますが、問題点に対する対応方法も解析できるようになるでしょう。
もう一つ、AIが代替できると思っていること
ぼくがもう一つ、仕事としてAIに代替できると考えいているのが研究や論文の類です。最近に限った話ではないですが、多くの研究・論文は自社の製品や病院の宣伝と行ったいわばマーケティングになっています。医療の発展や患者さんのためになっていない。
そこで、 AIが活用できると感じています。例えば、全国で少しずつデータを集めて蓄積したものをAIに読み込ませます。そこから、ユーザーが、性別・年齢・診断名・術式・アウトカムを選択してそこからスタディを作ってもらうことができたらどうでしょう。
全国からデータを集めているから、n数は文句ない。そして、より今自分が知りたいデータをカスタマイズしながら得ることができる。当然、最新の知見などを発表するような学会等は必要だとは思いますが、AIが発達することでよりエビデンスやデータを拾いやすくなるでしょう。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます。これからの理学療法士も色々考えながら行動していかなえればならないでしょう。
AIが多くの人の仕事を奪うと言われているこの時代、PTも他人事ではありません。各自行動して自分の価値を高めていきましょう!
理学療法士は、患者さんの身体の機能を回復・改善させるために、徒手で身体に変化を与える技術を用いる専門家です。筋力の強化や関節の可動域の向上、痛みの軽減など、患者さんが抱える様々な問題に対応し、より良い生活の質を実現させることが目的です。
理学療法士の役割は、単に身体の変化を促すだけでなく、人と人とのコミュニケーションを通じて患者さんに良い行動変容が起こるようサポートすることも重要です。患者さんとの信頼関係を築き、状況や気持ちを理解し合うことで、適切な治療プランを立てることができます。
また、運動や動作の観察を通じて、患者さんの問題点を見極める能力も理学療法士に求められるスキルの一つです。姿勢や動作パターンから、筋力不足や関節の制限、バランスの問題などを的確に評価し、適切なリハビリテーションプログラムを提供します。
理学療法士は、徒手技術を用いた治療やコミュニケーションを通じた行動変容のサポート、運動・動作観察からの問題点の特定といったスキルを駆使し、患者さんの日常生活や社会復帰を円滑に進めるための重要な存在です。その社会的意義は計り知れないものがあります。