会いたくない人には会わない
その人はかつて私を酷い言葉で傷つけた。
しかし彼はそのことを自覚していないだろう。
毒舌で知られた人だったから。
周囲の人もそんな彼を「あの人は口が悪いから」とゆるしていた。
たぶん、そこに甘えが生まれたんだろうと思う。
自分はなにを言ってもゆるされる。
周りに認知されていると思い、そんな傲慢な考えが彼に生まれたんだと思う。そして軽々しく人を傷つける言葉を発するようになった。
じつは人間、他人のことなど深く考えちゃいない。
ほとんどの人が他人のことは「どうでもいい」と思っている。
だから深い考えもなしに他人に対して言葉を発する。
その言葉がどんな影響をもたらすかなど考えずに。
でも、人間は自意識の生き物である。自分の身がいちばんかわいい。
だから人に言われたことには敏感に、そして過剰に反応する。
こうして人間関係の悩みが生まれる。
ただ、自分に対する過剰な反応は正しいと思う。それが自分の身を守ることにつながるから。
言葉は人を傷つける。
これは真実だ。刃物で切れば人は傷つく、それと同じことなのだ。
ただ、赤い血が見えないからなかなか人はそのことに気付かない。
自分を守るために。
私は今後も彼と会うことはないだろう。
会えば何がしかの傷を負うことはわかっているから。
人間はなかなか変わらないものだ。
彼はきっと、年老いてきてあまりやることもなくなり、弱気になってふと昔の仲間(と彼が思っている人)を思い出し声をかけてきたんだろうと思う。
そんな感傷につきあっているヒマはない。
私は今後、彼の呼びかけに応えることはないだろう。
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