「おれに触れるとき、優しい目をしてるよね。」
と、彼に(優しい目で)言われて、無意識の挙動を指摘されてハッとした。
一時期は、彼に愛情が伝わっているのだろうかと焦る時期もあったりした。「なぜあなたが自分を選んだのか分からない」と、そのままそっくり相手に返したくなるような切ない言葉をいわれたから。
ちゃんと伝わっているんだろうか、私には伝える資格があるんだろうか、受け取ってもらえているだろうか、と思っていた。伝えても伝えても、伝え切れないような気がした。
ただ、そんなふうに、ある意味、自分のことをわきに置いても考えられる相手がいることがどこか誇らしかった。
と、色々と考えてもキリがないし、とりあえず目の前のからだの痛みを取ってあげたくて、彼にマッサージをする。そんなときに言われた言葉だったような気がする。
私は優しくなんてないし、わがままだから嫌われて見放されるだろうと心のどこかであきらめていたし、別れて初めて愛が完成するとすら思い込んでいた。
でも、私の中には、現在進行形の優しさがちゃんとあるんだろうなぁと気づいて安堵する。
彼がたばこを吸う背中になんとなくしがみつく。「なんでここにいるのさ」と制される。「んー、愛情表現?」と適当に返す。「もう伝わってるから。大丈夫だから。(笑)」
だいじょうぶ。私たちは一歩ずつ、ちゃんと安心しあえて、なじんできてる。
これからもこうして、虎視眈々と、優しさを見せつけあって、受け取りあって、ときどき不安になりながらも、そのたびに安心して、一緒に生きていくのだろう。
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