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グラナージ~機械仕掛けのメモリー~#12
第12話「捜索開始」
文字数 1,553文字
ハルカは、アル・マナ(現世)でも、メル・マナでも、何事も一所懸命に頑張っていた。
世界が滅ぶと聞かされてからは、なおさらだった。
頑張ることで、少しでも世界にプラスのマナが生じるのなら。
この世界を守りたい。日常を守りたい。
ハルカの原動力は、尽きることがなかった。
そのハルカの様子をトウマは優しく見守り、ナツキはときにハルカと息抜きに遊んだり、アキトは黙々と自分のことをしながらも、ハルカの頑張りに刺激を受けていた。
「お前たちに、今日はとっておきを教えに来てやったぞ。」
テントウがハルカたちの家の前に現れた。
「とっておき?」
「そうだ。もう忘れてるかもしれないが、アストラルスーツで空を飛べるって言ったよな。ねじが翼に変化して、飛べるんだが、少しコツがいる。それを教えてやろうと思ってな。」
「それをずっと知りたかったのよ!」
ハルカは目を輝かせた。
「まず、空を飛ぶイメージを働かせる。このメル・マナでは、イメージが大切なんだ。つまり、空を飛ぶイメージをすれば、その通りに空を飛べる。やってみろ。」
四人は空を飛ぶイメージを思い描いた。すると、それぞれが思ったように、空を飛ぶことが出来た。
「うん。お前らはなかなか想像力があるな。体を動かすんじゃなくて、イメージを働かせて飛ぶんだ。」
「簡単ね。」
四人は、空を自在に飛び回っていた。
「空を飛ぶことも覚えたことだし、そろそろ魔法にも挑戦するか。」
「それってジョブが必要なの?」
「一応、魔法使いというジョブもあるが、ならなくても、魔法は使える。アストラルスーツに、よく使う魔法を追加しておこう。」
テントウの体が光ると、それに応じて四人の体も光った。
「…これで、魔法が使えるようになった。例えば、一番よく使うのが、『キュア』だろうな。これから先、魔物と戦うことがあるかもしれない。そのときに怪我をしたり、HPが減ったりしたら、『キュア』と唱えれば、少し回復する。前にも言ったが、頭の中のステータス画面で見れるから、他の魔法も確認しておくといい。そうそう、魔法を使うときは、マナを消費するからな。自分のマナの残量には常に気を配っておけ。今覚えたのは、初心者レベルの魔法だ。魔法は、使えば使うほど、レベルアップして強くなっていく。と同時に、消費するマナも多くなっていくから気をつけろ。特に回復魔法は、キュアが一番使い勝手がいい。回復量は少ないが、その分マナの消費も抑えられるからな。初期魔法と高レベル魔法の使い分けが大切だ。」
※RPG的説明※
空を飛ぶ…メル・マナでは、アストラルスーツの力で、ねじを翼に変え、イメージの力で空をとぶことが出来る。
魔法…回復、戦闘、補助など、様々な魔法が使える。ただし、マナを消費する。
魔法で生計をたてる者を魔法使いという。
※よく使う魔法(一例)※
キュア…HPを少し回復させる。マナを少量消費する。
ポイズンヒール…毒を消す。
パラライズヒール…麻痺を消す。
ファイア(火属性)…火を生じさせる。
アクアボール(水属性)…水の玉を生じさせる。
グラスカッター(木属性)…草の葉で敵を切り刻む。
※相性と属性※
強い→弱い
火→木→水→火…
火・水・木=光→闇→火・水・木
火属性…竜 水属性…機械魚 木属性…機械虫
光属性+(火・水・木)…グラナージ 闇属性+(火・水・木)…魔物
「これだけ魔法を使いこなせれば、メル様の捜索の役に立つんじゃないか。」
トウマが言った。
「そうねー。あとはあたしのアカリちゃんの力も借りてー、メルちゃんを探してみましょ。」
ナツキは、子供竜のアカリを連れていた。
「僕も、役に立ちそうなものを作っておいたよ。」
アキトは、懐中電灯や寝袋などの、キャンプ用品を揃えていた。
「じゃあ、森の中に出発!」
四人はメルの捜索に入った。