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小4誘拐レイプ事件の真相。平和な街並みの裏に影は潜んでいた。       第1章 声は届かない。

なっちゃんは何がやりたいの?何をしようとしてるの?何でやりたいの?

最近はよく、こう聞かれることが多い。

こう聞かれるととても困るのだ。

でも、つい最近こうやって聞かれたことがあった。

「そう何かをやっていきたいって、自分の行動を変えられたのには、何かそれだけの経験があったんでしょ?」

よくぞ聞いてくれました。

その通りなのです。

2021年1月、休みの日を利用して今日も私は、18年前の犯人捜しをしていた。

18年前の犯人。そう、この事件の犯人が私の人生を狂わせた張本人なのです。

18年前小学校4年生の9月、まだ残暑が残る夏の終わり、私の人生は180°変わることになるのです。

その日は何の変哲もない、ごくごく普通の日だった。

「キーンコーンカーンコーン」帰りのチャイムが鳴った。

「なっちゃん帰らないのー?」

『うん、これやり終えてから帰りたいから!先に帰って~!またね~!』

・・・

「よし!そろそろ帰ろうかな。」皆が帰ってから1時間くらい経っていただろうか。私はノートを閉じて誰もいない教室を出た。


毎日見慣れた田園風景を横目に家路に向かう。小学校から家までは歩いて15分くらいの距離だ。

「ふふ~ん♪」
鼻歌を歌いながら、道端の草や石ころに、ちょっかい出しながら歩いていた。

そんな時、

「!!!!!!!!」
今まで感じたことのない、「強烈な殺気」が私の背中を刺した。


(何だ。。この感覚は。。。)

後ろには誰も歩いていなかったはずだ。。。

バッ!!!!!
とっさに後ろを振り返った。

気のせいか、ちゃりんこで近所のおじさんが通るくらいか、だと思っていた。

いや、そう思いたかったんだと思う。

振り返ると、ブロック塀越しにお墓の中からこちらを除いている男がいた。
私が振り向いた瞬間、男はすぐに身を隠した。

(私の気のせい、、、か?、、)

 今までに感じたことのない、もの凄く嫌な予感を感じた。
(動物的な本能が危険を知らせていた。)

あと数十メートル歩けば家だ。もう目の前まで来ている。

(よし急いで帰ってしまおう。)

得体のしれない恐怖に包まれながら家路を急いだ。

「早く帰ろう」そう思いお墓の入口に差し掛かった時だった。



先ほどの男がお墓の入口から、飛び出してきたのだ。


感覚としてはこの感覚が正しい。

紺のニッカポッカを履いた中肉中背より少し細めの男だ。

心臓が口から出そうだった。

男が話しかけてきた。


「あ、あの、、佐谷田小の小林先生って知ってる?」

なぜかは分からないけど、まともな人間ではない事など、10歳の私でも容易に分かった。
私の”直感”が「逃げろ!」と私に言っているように感じた。

(逃げなくては!)

(あれ、、おかしい、、足が動かない、声も出ない! !)

私の体は恐怖で動かなくなってしまっていたのだ。

「あ、、これあげるから、、」
紺のニッカポッカから出した小銭をずりずりと近寄りながら渡そうとしてきた。


(怖い!!!!誰か助けて!!!)


と思った瞬間。


白い軍手が私の口の中に入ってきた。

親指を顎に引っかけ、そのまま顎を引っ張られて、お墓の奥へと猛スピードで連れていかれた。

(なにが起きた!?!怖い!!!)

ただただパニックだった。


 人影のないお墓の奥まで走り男に押し倒された。

今思うとまるでここに連れてこようと事前に計画していたようだった。

何が起こるのか全くわからなかった。ただひたすらに強烈な恐怖の中にいた。

男は倒れた私に覆いかぶさり、私の口に舌を無理やり入れてきた。

(なんだこれは!気持ち悪い!!!何をしているんだ!?)

当時10歳の私はこれがdeepキスであることもわからなかった。
そしてこれが私のファーストキスだ。
これ以来、今でも私はキスが怖くてたまらなくなった。

男はスカートをめくり、ズボン越しに股間を擦り付けてきた。

(何か固いものが当たってる、、なに?!)

すると男は、ベルトを外し、ちんこを出し私の口に押し当ててきた。


「や、、めて、、お願い、、やめて、、」

「うるさい!!喋ったら殺すぞ!!!」


そう言いながら、男は何度も私のか細い首を力強く絞めてきた。

「お願い、、殺さないで、、殺さないで、、」

(誰か助けて。。誰か、、、ママ、、)

男は私のお股にちんこを擦り付けてきた。

(なんでこの人はお股にちんこをすりつけてるんだ?、、怖い、、)

「やめて、、やめて、、」

「うるさい!!殺すぞ!!!!」

「わかった、わかったから、、お願い、殺さないで。。お家に帰して。」

このやり取りを何度続けたことだろう。

私はただただ目の前の死に対して「生きる」事だけを願い、受け入れた。

どのくらい時間が経っていたかわからない。ものすごく長い時間に感じた。

私は「絶望」と「死」の境地にいた。

(助けて、、ママ、、おばあちゃん、、)




(嘘つき。。母親のくせに。守ってくれないじゃん。。。

だれにもこんな声届くわけないじゃん。。。)


赤い彼岸花が綺麗に咲いていた。


絶望を超えた虚無感


その時だった。





「何してるんだ!!!!!!!! !」



とおじさんの怒鳴り声が聞こえた。

その瞬間男は一目散に走り去った。

おじさんもどこかに消えた。

(何が起きていたんだ。。。)

放心状態のままその場に取り残された。
数秒経ってふと我に返った。


(逃げなきゃ。)

身体に残された得体のしれない白い液体を青色のディズニーのハンドタオルで拭いた。

(なんだこのネバネバは。。気持ち悪い。)

どこにあいつがいるのかわからない。声を出したら私に気づいて、またあいつが襲い掛かってくるかもしれない。

(誰か!!誰か!!お願い!助けて!)

恐る恐る裏口から墓地を出た。

すると、登下校中の同じ小学校の先輩女子二人組に会った。


話したことすらない。

何て言えばいいのかわからない。

でもそれ以上にもっと怖い怪物が近くに潜んでいるのだ。

何かに怯えた声で私は話しかけた。
「一緒に帰ってくれませんか?私の家まで、、近くだから。。」

二人は不思議そうな顔をしながらも黙って一緒に帰った。

「家の玄関の前まで。。お願い。」一瞬でも1人になるのが怖かった。

がちゃ。

「お帰りー!」いつも通りのお母さんが出てきた。

私「ただいま。」

母「どうしたの?」

私「家の鍵全部閉めて!!!カーテンも!!!」

『なっちゃん!何があったの!』

「いいから早く!!あいつに見られてるかもしれない!!」

私は家に入るとたん叫びながら家全部の窓とカーテンを閉めに走った。

怖くて怖くて仕方なかった。

「安心な場所ってどこにもないんだね。」

母『何があったの。。』

私「言ったら殺される。言ってるの見られてるかもしれない!聞かれてるかもしれない!!」

母『大丈夫だから。だれも見てないから。』

私「お墓で、、変な男の人に、、」嗚咽しながら母に言った。

心臓が震えて口から出そうだった。

母「!!!!お寺に見に行ってくるから待ってて。」

私『だめ! !!!』

もしかしたらママが殺されてしまうそう思ったし、一人でいるのが怖かった。現場に行くほうが何倍も怖かった。

少しすると母が帰ってきた。
お寺の住職が事件を見てすぐに警察に通報してくれたらしい。

母「これから警察に行くから」

その日のうちに私は母と熊谷警察署に行った。

警察署に行くのは初めてだ。
待合で待っていると沢山張られている一人の犯人の指名手配写真が目に入った。
この人が犯人であるはずがない。でもなぜかその写真にすごく深く引き込まれた。


若くて優しそうな女の警察官に
「思い出して話すの辛いかもしれないけど、つかまえて他の人を助けるためにもその男の人の特徴を話してもらってもいいかなあ?」
そんなことを言われた。その人は似顔絵を描き始めた。

しかし私は驚いた。何回も見た顔も声も全く覚えてない。

自己防衛として心が記憶を消してしまったのだ。
されたことは鮮明に覚えている。

しかし顔が記憶から切り刃がされてしまっていたのだ。

この日は、私の人生の中でも1日が物凄く長く感じた日だった。

帰ったのは夜21:00位になっていた。

第2章↓
https://note.com/natsu_pearl/n/n2f3e5d4d1cba

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