23時51分
言葉にできないことを言葉で表そうとするのが演劇だと思う。
少なくとも私はそう思って板の上に立っている。
板の上で降板した女優を侮辱するその作品を私は認めたくない。
そんなに近しい存在ではないし降板の理由も聞いていない。
だから部外者が騒ぐのもおかしいけど、板の上で、神聖な舞台の上でオナニーして気持ちよくなってるのを見せられるのは気分がいいものではない。
その演目は誰のために上演されているのか、私は忘れたくない。
うまく言えないけれど、舞台の上ならば何でも許されるわけではない。
心の奥底で降板した女優を恨むのは自由だがそれをそのまま板に乗せて芸術だなんていわないでくれ。降板した女優の顔が浮かんでしまう時点で作品として成り立っていない。きっとそうだ、いやそうであってほしいと心から思う。
もやもやしながら待ち合わせ場所にいたはずなのにあなたの顔を見たら忘れてしまった。
あなたの前では演劇人ではなく一人の女の子でいれる。
演劇人じゃない私をあなたは好いてくれるだろうか。
不安になってしまう。
演劇も歌もやっていない自分はからっぽだ。
からっぽな私はすぐあなたでいっぱいになってしまう。
ちゃんをセーブしなくちゃな。
でもごめんね、もう戻れないくらいに愛してる。