ニーナになれるほど辛いことがあったわけでも頑張っているわけでもないのだけど

私ね、つまらない女になってしまったわ。

それだからか、でたらめな演技をしてばかり。

手足の使い方も、舞台の上での立ち方も歩き方もわからなくなって、声も思うようにだせないの。

ひどい演技をしていると自分で感じるときの心もち、とてもあなたにはわからないわ。

わたしはかもめ、ああそうじゃない。

ああ、何の話をしていたんだっけ、ああ、そう、舞台のこと。

ねぇ、コースチャ、舞台に立つのも物を書くのも同じこと。私たちの仕事で大切なことは名声でも栄光でもないってわかったの。必要なのは耐える力。ねぇ、あの頃はよかったわね、私はかもめ。ああ、そうじゃない。えっと。

わたし、帰るわね。送ったりしないで。もう疲れてしまったの。


いつか私が今みたいな生活を送っていたときに書いていたらしい。

かもめの潤色は私にはとてもできなくて、ただひたすらに好きなセリフを書き出しては自分ならどう言うかを考えていた。そんな時間も楽しかったな。


やらなくちゃいけないことは何一つ終わらないし、何かすべて間違えてしまっている気もするけど、なんとかうまくいけばいいな。

可愛くて仕方ない私のギターをなでているうちにこんな時間。早く寝なくちゃな。

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