23時53分

でも、今の私かわいくないしな。

がよぎらないほどにいっぱいいっぱいだった。

あなたの顔をちゃんと見れないくらいにいろんなことを考えてしまってうまく喋れなかった。

もうすぐ本番なこと、次の現場のこと、バイトのこと、大学のこと、荒れた耳のこと、やっぱりこんな姿で会わないほうが良かったかな、昨日のかわいい私でバイバイしとけばよかったかな。TikTokのコメント欄に、インスタへのオフパコ依頼、私のかわいいは意図せぬ人に消費されてしまう。演劇に消費してしまった麗しの10代。私のことを好きだといってくれる人はどれだけいるのだろう。私が好きなのはお芝居することじゃないのかもしれない、愛されたいんだ、私にできるのがたまたまお芝居だったそれだけだ、今は変にプロ意識が芽生えてしまう。イラついてしまう。浅い。私もっと深く潜りたい。もっと深く知らないだれかで息をしたい。うまくいかない。ちゃんとしているようにみられたくて背伸びして、結局疲れてバテている。普通になんかなりたくない。普通な私に価値を見出せない。普通じゃないように見せることに慣れて普通さえわからない。

頭をなでられてやっといろんな考えが止まってくれた。

台本の文字がちゃんと頭に入ってくる。

恋人みたいなことさせてごめんね。でもとても救われました。ありがとう。

考えるのをやめたくて買ったワイン。自分のおいしく飲める分だけ温めて飲んだ。おいしい。

よく眠れそうだ。明日はちゃんと生きよう。あなたの幸せを祈れるぐらいの余裕をもって。


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