フリーランスでやっていくには、まず「にしおかすみこ」を知ることから
あまり言いたくはないが、私は自宅で独自の言葉づかいをしている。
「〇〇だニャン!」「○○でござる」というようなキャラクターのセリフみたいな感じではなく、独自の方言を作ってその言葉づかいをしていると言えば分かりやすいだろうか。
わざわざそんなことはしなくていいと分かっているが、習慣になってしまったので今更もう治らない。
そしてそんな私と一緒に暮らしている夫も、私の使う「実在しない方言」がうつってしまった。(かわいそう)
私たちはどこの地域の誰にも通じない方言を使って、この大きな地球上にたいそう小さな集落とすら言えない極小コミュニティを形成しているわけだ。
最近、1歳になる娘が少しずつ言葉のような発言をするようになった。
よく聞いているとどうやら親である私たちの発するイントネーションと似ているようだ。
我々は大人なので、家から一歩出れば独自のイントネーションを封じることができる。
しかし彼女は1歳だ。
まだ「普通の言葉」と「親だけが使っている異常な(実在しない)方言」の区別ができるわけない。
このままでは彼女はおかしな言葉づかいを外の世界でも使ってしまうことは明らかだ。
「あいつ(娘)、やべぇな」
娘を心配して私が言うと、
「1番やべぇのは、あんただよ!」
と、夫からツッコミがあった。
ほう。
なんか今の、にしおかすみこ みたいだな。私はそんなことを思った。
にしおかすみこのすごさ
前置きが長くなったが、こうして私は久しぶりににしおかすみこのことを考える機会を得た。
「一発屋」と言われる芸人は多くいる。例え一発であっても世間に認知され、顔や名前を売れたことは十分すごいことだと私は思う。
にしおかすみこも、その中の1人ではなかろうか。
ぱつんと切りそろえた前髪に、真っ黒ストレートのロングヘア。
SMの女王様みたいなかっこうで「にしおか~すみこだよっっ!」と言っていた姿は、今の私ですら簡単に思い出せる。
そこでふと考えた。
「一発屋」と言われている人たちの「名前」まで思い出せるのはすごいことではないのか、と。
人はすぐに興味をなくすので、次々違う新しい話題へと飛びついていく。そして過去にちょっとだけ流行ったギャグも芸人の名前もおぼろげな記憶になっていく。
「残念!とか言ってた人」「チクショー!とか言ってた人」というようなものすごくてきとーな覚え方しかできない。
けれど、にしおかすみこのことは「にしおか~すみこだよの人」というわけでなく「にしおかすみこ」として思い出すことができる。
これってすごいことではないか?
例え一発屋で人気が一瞬で過ぎ去ったとしても、何年にも渡って「芸風と名前」を同時に覚えてもらえるわけだ。
私は今フリーランスの仕事をしているから「得意ジャンルと名前」を覚えてもらえる(知ってもらえる、認知してもらえる)ということは大変重要だと感じている。
覚えてもらえていれば(もしくはうっすらでも知っていてもらえていれば)「あの仕事なら、この人に頼もう!」「〇〇ならこの人に聞いてみよう!」と思ってもらえるからだ。
そのためににしおかすみこのように「芸風と名前」を覚えてもらえる戦略はすごくいいことだと思う!にしおかすみこ、すごい!
とりあえずにしおかすみこがすごい!ということには気づけたが、これをどう自分に落とし込めばいいのか分からない。
キャッチフレーズでも作るのか。
メロディーがつけば尚いいかも知れない。
独自の方言を作った私ならできそうな気もする。ちょっと頑張ってみようと思う。