小学校3年生が知る「美人の基準」とは?
美人とは?
あなたにとって、美人の基準はなんですか?
あなたが思う「美人の定義」「美人な人」を思い浮かべながら読んでいただけると嬉しいです。
小学生だったある日の話
私が「美人の定義」を知ったのは小学校3年生の頃でした。
当時、私の母はPTAの役員をしており、ことあるごとに学校に来ては同じPTA役員のママ友と楽しそうにしていたものです。
PTAというと「嫌々やる」「くじ引きで仕方なく」というイメージですが、私の母とPTAママ友はPTAに関係ない時でも集まってはわいわいしていたので、すきでやっていたんでしょうね。
ある時、いつものようにみんなで集まり、担任の先生のご自宅へ遊びに行くことになりました。小さな私も当然母にくっついて行きます。
先生の奥さんが出産されたということで、みんなで赤ちゃんを見ることがその日の目的でした。
私は赤ちゃんよりなにより、「自宅にいる先生」にそわそわしていました。
いつもスーツを着て、黒板の前に立っている人が「自宅でパパ(夫)の顔をしている」。
先生にもそういう姿があることは当たり前のことですが、小学校という世界しか知らない子どもにとっては新鮮で、未知の世界を見たような気分です。
母たちは「かわいい」「おめでとうございます」などとわいわいした後、さっさと退散しました。
「もう帰るんだ」と思っていたのも束の間、しゃべり足りないママ友たちですから喫茶店へ移動して井戸端会議を続けます。
おばさんたちの会話に入れない私はたいくつで、ちょっとぼんやりするしかありません。
この人たちはよくしゃべる。しょっちゅう会っているのに、本当によくしゃべる。いや、しょっちゅう会うからこそよくしゃべるのか。
「美人ってどんな顔」と娘に聞かれた母は
「先生の奥さん、美人だったよねー。」
「美人美人!きれいなひとだったわぁ!」
おばさんたちは先生の奥さんのことを「美人」と言って盛り上がりだしました。
たいくつそうにしている私に気づいたのか、母が私にも
「先生の奥さん、美人だったね。」
と声をかけてきたのですが、当時小学校3年生だった私は「人に合わせる」ということができませんでした。
「うん、きれいな人だったね。」
そう言えば、母たちの会話はわいわいと盛り上がったまま続きます。
でも私が答えた返事はこうでした。
「美人、っていうのがどういう顔のことか分からない。」
可愛げのない返事というか、子どもらしい返事というか…、でもこれが私の本心でした。
「美人」なんて言われても分からない。
すると母は
「あんたが美人だ!って思ったらそれが美人でいいんだよ」
と教えてくれたのです。
「そっか」
私はすんなり納得しました。
「基準は自分で決める」と、この時にすごく大切なことをおそわったのです。
「目が二重で、鼻筋がとおってて、色白で…」なんて母が美人の基準を説明していたら、私は今でも誰かが決めた基準でものごとを判断していたかも知れません。
この時私は
「じゃあ、先生の奥さんは美人じゃないや」
と思ったけど、それは小学校3年生なりに空気を読んで、言いませんでした。
自分のものさしを持つ
「あんたが美人だ!って思ったらそれが美人でいいんだよ」
これは、すごくいい言葉だと今も思っています。この言葉のおかげで私は私の判断に自信を持つことができ、他者と意見が違ってもその人の意見を尊重することができるのです。
「きれい、かわいい、すき」と私が感じたことを誰かが否定したとしても「なるほど、この人の基準はちがうのか」と思うだけで済みます。
誰かが「きれい、かわいい、すき」と感じているものを私がそう思えなくても相手のことを否定せずにすみます。
「そうなんだ、そういうのがすきなんだね、いいね」と肯定することができるのです。
私は、自分の容姿や性格をほめられた時に「そんなことない」と否定する人が多いなと感じています。
もちろん「謙遜」という場合もあるとは思いますが…。
でも、「かわいいね」と言われても「いやいや、ブスだから」って言う人って少なくないですよね。
「かわいい」の基準なんて人それぞれなんだから、その人はあなたのことを「かわいい」って思っているというだけのこと。
「そんなことない」って相手の基準を否定する必要はないんです。
「そう思ってくれるんだ、うれしいな(自分ではそう思わないけど)」って受け取ったらいいんです。
美人の基準を母に習った日から、私は「自分のものさし」の存在を知り、「他者のものさし」にも気付けました。
それから「すてき」って思えるものが多い方が人生って楽しいので。
人の評価がどうであれ、自分が「良い!」って思えたらならそれでいいのですよ。
おわりに
あなたが思い浮かべた「美人」はどんな顔でしたか? それは世間のものさしの美人でしょうか。
自分のものさしに変えてみるとちょっとだけ世界が変わるかも知れませんよ。
書いた人
なつめももこ/webライター、管理栄養士
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