「夜明けのすべて」は悩みを抱えるすべての人に見てほしい作品
皆さんは「夜明けのすべて」の映画を知っているでしょうか。今月9日に公開された上白石萌音さんと松村北斗さんのW主演の映画です。「生きづらさを感じている方が少し生きるのが楽になる映画」と「大きな出来事はないけどほぼ変化がない日常かもしれないけど心は動いている」と主演のお二方が作品について語っていましたが、観終わったからこそこの文言の意味が分かりました。
PMSを抱える藤沢さん、パニック障害を抱える川添君のこの2人を中心に語られる物語で恋愛もなければ大きな何かを成し遂げるわけないです。その大きく変化はしないけど観終わったあとに自分のなかで何かが変化して世界の見方が良い方観かたをれるそんな作品です。
私がなぜ世界の見方が変わったのかを長文ではありますがまとめてみましたので見た方が思い出せる、興味あるけど見るのか悩んでいる方が映画館に足を運ぶきっかけになったら嬉しいです。
(初めに私は松村さん上白石さんファンなので色眼鏡がかかっていることはご了承ください)
生きづらさを抱える二人のやりとりに優しさが見える
川添君も藤沢さんもお互いに悩みを抱え、繊細さがこの映画の見どころではないでしょうか。
PMSやパニック障害などは関わっていても気付くことのできないものや自分では自覚出来ない症状で自分で律することができないもの。また周囲の人に迷惑かけたくないと言わずに黙っているケースもある。この2点が映画から伝わってきました。
PMSが出ているときに藤沢さんの怒り方はリアルで別人となってしまう彼女に戸惑いつつも女性なら共感できる方も多いのではないでしょうか。
パニック障害である川添くんは物語の前半と後半でここまで変わるのかと気持ちの変化に嬉しさがこみ上げてきました。
藤沢さんが「お互い頑張ろう」と伝えたときに川添君は「お互い?パニック障害とPMSは症状が違う」と藤沢さんに対して壁を作ったシーンが印象に残っています。そこからお互いの悩みである症状を理解しようとし、助けようと変化していく様子が表現者としての松村さんと上白石さんの凄さを感じました。
好きなシーンでいうと予告でもある髪を切るシーンで映画館で笑みがこみ上がったのが良い雰囲気だったなと映画館で感じてほしいです。
プラネタリウムの語り
川添君と藤沢さんが勤めている栗田化学は組み立て式望遠鏡を製造している会社で宇宙や星に繋がりが濃い会社です。
物語のなかで小学校に移動式プラネタリウムを行い、その準備で川添君藤沢さんの親しくなり、なんでも言い合える関係になっています。
そのプラネタリウムの本番以降のモノローグに涙した方も多いのではないのではないでしょうか。
「夜明け前が一番暗い」がこの映画の根幹にあるような気がしています。イギリスのことわざの「it,s always darkest before the dawn」を引用されたものでその意味は「絶望を感じる夜ほど長くて暗い夜が続くが長くは続かない。必ず希望の朝日がさしてくる」です。このことわざがどこで引用されているかは映画を見て確認してもらいたいです。また、このことわざが引用されているシーンで生きづらさが少しは楽になるのではないかと思います。
「夜明けのすべて」を見終わったら綺麗な見方が少しだけ出来るようになる
この映画の魅力は日常のなかには少なからず心を動かす時間が確かにあって、またそんな出会いがある。自分だけに目を向けていたとしても、誰かには目に留まっているかもしれないとそんな作品と感じました。だからこそ、いつかそんな出会いや出来事があると信じてみようと思えたことが見る世界が少し綺麗に見えたんだなと思います。
夜明けが一番暗いのことわざから希望の光が差し込んだ時の感動さを嚙みしめられるように日々を生きていこうと感じられる作品です。
何度でも見たいと思える、川添君藤沢さんにまた会いたいとあの世界観を感じたい映画です。
最後まで読んでくださりありがとうございました。また読んでくださると幸いです。