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6万円を払ってまでシングルタスクデバイスに投資した理由

スマホって便利ですよね。

生体認証で一瞬でログインできて、ハイクオリティなゲームができて、面白い動画が見れて、SNSですぐに誰とでも連絡が取れて、電子マネーが使えて、チームでのタスク管理も簡単にできて……などなど、できないことがないんじゃないかと思うくらい高機能です。

そんなスマホ全盛期ですが、最近の私はスマホに結構うんざりしています。

なぜか。

それは、スマホに注意力をめちゃくちゃ奪われていると感じているからです。

そんな悩みを解決すべく、私はとあるガジェットを購入しました。

富士通製の|QUADERNO《クアデルノ》という電子ペーパーです。

E-Inkというブルーライトを発さないモノクロの画面に、スタイラスペンで文字をかけるというだけの商品です。

出典:https://www.fmworld.net/digital-paper/tips.html

ホームページでは頑張って9つのカテゴリに細分化していますが、「無限にページを足せるノート+PC・スマホとのデータ転送」というだけの製品です。

こんな機能の少ない製品ですが、私が購入したA4サイズはなんと6万円もします。

いや、高すぎぃ……。

今回は、なぜ私がこんなぼったくりと言われてしまいそうな商品を購入したのかお話します。



私たちの注意力を奪うスマホ

スマホのあらゆる機能が私たちの注意を惹く

ネットサーフィン、電話、メッセージ、SNS、動画・音楽視聴、ゲーム、デジタルノート、地図、運動記録、デジタルノート、電子書籍……あらゆるものを一つのデバイスでこなせてしまうのがスマートフォンです。

この進化自体は悪いものではありません。おかげで私たちの生活レベルが格段に向上したことは言うまでもないでしょう。

しかし、このスマートフォンにはマルチタスクの悪いところもふんだんに詰め込まれてしまいました。

まず、1台のデバイスですべてをこなせるせいで、タスクの区分が曖昧になりました。

人間の脳は時間や場所でタスクに必要な集中力を切り替えています。図書館に行くと勉強に集中できる、ジムに行くと運動する気になれるなどはその典型例です(ピア・プレッシャーも多分に働いていますが)。

これがスマホの場合、ある瞬間はSNS、ある瞬間は仕事のやり取り、ある瞬間はゲームなど、状況に関係なくポケットから取り出して別のことをできてしまうため、仕事の最中でも中毒性があるアプリ(動画やSNSなど)に集中力を奪わやすくなります。

スマホが机の上に置いてあるだけで認知能力が下がる

さらに恐ろしいのが、スマホを操作していなくても、近くにあるだけで私たちの認知能力を下げていることです。

これはテキサス大学オースティン校のエイドリアン・F・ワード教授らの研究で明らかになったもので、被験者に課題に取り組ませる際に、スマホを机・ポケットの中、バッグの中、部屋の外にそれぞれ置くように指示したところ、机に置かせた被験者たちが最も成績が悪かったそうです。

こうなると仕事の最中にスマホが必要になること自体、もはや避けなくてはならない状況です。

マルチタスクで集中力が下がる

コーディングをしながらチャットが来るのを待っている、noteを書きながら他の人のnoteを読んでいる、アニメを見ながらSNSで実況投稿も読む。これらはすべてマルチタスクに当たります。

同時にひとつのことをこなしていると有能そう、効率が良さそうと感じるかもしれませんが、実際は逆で集中力がめちゃくちゃ下がっているので非常に効率が悪いです。

そもそも私たちの脳は並列処理が苦手です。複数のことを同時にこなしているように見えても、実は脳内ではタスク・スイッチングという処理の切り替えが高速で起きています。ミリ秒の単位で切り替えているため自覚できないだけで、どんなに優秀な人でもタスク・スイッチングは起きています。

タスク・スイッチングをしているときは当然集中力は落ちますし、2つ以上の情報が脳内で干渉するため、成果物にも影響が出ます。

これらのマルチタスク、タスク・スイッチングを容易に行えるスマホはかなり危険な存在です。

写真の転送や資料の確認でスマホやタブレットを触ると、そのまま戻ってこれなくなる

これは私の場合ですが、noteで使う写真をスマホからPCに転送しようとしたり、タブレットに入っている電子書籍や資料を確認しようとしたとき、なんとなくKindleを開いちゃうんですよね。

こうなると30分は余計なことに時間を費やしまいます。

で、仕事や勉強に戻るときにすごく罪悪感を覚えるんですよね。「また貴重な時間をくだらないことに使ってしまったよ」と。

クアデルノに任せること、スマホに任せることの区分け

スマホの悪いところをあげましたが、クアデルノも最優秀なツールではありません。適材適所だと思います。

私の使い分けの一例をあげます。

クアデルノに任せること

  • 会議のメモ

  • アイデア出し

  • 本やnoteで得た知見のメモ

  • 週単位でタイムボクシング計画を立てる

  • 当日のToDoを整理する

  • 日記を書く

  • 電子化された資料の閲覧

スマホ・タブレットに任せること

  • 特定の時間に実行したいタスクのリマインダー(Google Homeを使ってスマホが手元になくても通知が来るようにする)

  • 大まかなスケジュール管理

  • noteを読む

  • 食事の記録

  • AIの活用

これからはシングルタスクを極めたい

マルチタスクのデメリット、スマホがそばにあることのデメリットに気づいた私は、どうにかして家の中ではスマホを遠ざけるように画策しています。

そのうちの一つが今回のクアデルノなのです。

資料確認やアイデア整理のためにタブレットを取り出すと、そのまま本を読みたくなってしまうので、必要な資料やノートはすべてクアデルノに入れました。

また、スケジュールやToDoリストの確認のためにスマホを取り出すと、そのままXやニコニコ漫画を開いてしまう傾向があるので、タスク管理はクアデルノに移行しました。通知はしてくれませんが、デスクの上で完結することならこれで十分です。

似たようなデバイスにKindle ScribeやBOOXなどがありますが、クアデルノの場合は本当にノートを取ることしかできません。そのため、クアデルノの電源を入れたら脳が「思考を整理する時間だな」と認識してくれます。おかげで余計なことを調べ始めたり、趣味のことに気を取られたりすることが確実に減りました。

6万円の価値があるかは人によると思いますが、デスクで仕事をすることが多い人は検討してみてもいいんじゃないでしょうか。

正直価格が適正じゃないのが一番ネックな商品です。買ってくれる人が増えれば製造コストが下がって、次世代機はもう少し安価になるんじゃないかと淡い期待をしているので、ぜひ買ってください(笑)

参考文献

  • 購入のきっかけになった、さいちょうさんの動画

📖✨️巻末のおすすめ記事のコーナー✨️📖

今日のおすすめ記事は、堤達也さんの記事です。

いろんな人が繰り返し言っていることではあるんですが、今の私にはぶっ刺さることなので選定しました。

昨日はじめて「つぶやきじゃない記事を投稿しようと思った日に投稿できなかった」を経験しました。

この失敗を通して、「なんで苦しみながらも毎日投稿しようと思ったんだっけ」という疑問が浮かびました。もしかして毎日投稿が目的に成り代わっていて、伝えたい目的を見失ってるんじゃないかと。

このあたりはきちんと内省して、後日あらためて記事にしようと思います。


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