エピソード8「収束?」
それは、学校を休んで3日目くらいになった日のことだった。
いつものように、担任の先生が家に電話をかけてきた。
またいつものように、私を心配する言葉をかけに来たのか、と、半ば呆れたように、私は母から受話器を受け取った。
しかしその日、先生はこう言った。
「あなたが酷いことを言われて傷ついたのなら、あなたに酷いことを言った人たちに、自分の気持ちを伝えてみない?」
そう言われて、私は真っ先に悟った。
あの日の私の悪い予感は的中したようだった。やはり、先生は作文に書いたAさん、Bさんに直接話を聞いたようだった。
だが、あの日のような恐怖は感じなかった。
正直、この危機的状況はどうすれば解決するのだろう、ということが疑問で仕方がなかった。私が死ねば解決するのか、もうそれしか解決策はないのか、そう思い始めていた頃だった。死にたい気持ちと生きたい気持ちが心の中で戦い、辛くてたまらなくなっていた。
そんなときに、先生がこの状況を打開する策を提案してくれた。
それだけで、嬉しかった。
「どうなるか分からないけど、やってみてもいいかも」
そう思った私は、先生の提案に乗ってみることにした。
そして私は3日ぶりに登校し、先生に付き添ってもらいながら、自分の気持ちをAさん、Bさんに伝えた。
彼らは、反省しているようだった。私も、なんとか彼らを許すことができた。
こうして、私に対する執拗な陰口は、ひとまず落ち着いた。
さあ、これからはまた楽しい生活が待っている!来年はいよいよ小学6年生!最後の一年を楽しく過ごそう!
そう思えたらよかったのに。そんなふうに、うまくいってほしかったのに。
私の孤独な学校生活は、小学6年生になっても変わることはなさそうだった。