ウルトラスーパーマイノリティー (後編)
こんにちは。夏秋です。
今回は、「マイノリティー」に関する記事を書いていますが、こちらは後編です。
前編では日本におけるマイノリティーについて考えてみました。階級的マイノリティー、家庭的マイノリティー、性的マイノリティー、そして身体的もしくは精神的な障害をもった人など、様々な観点においてマイノリティーは存在しするということを書きました。
今挙げた4つのマイノリティー性のうち、私には3つ該当するものがあります。ひとり親家庭で、無職で、同性愛者かつノンバイナリーです。この3つのマイノリティー性を併せ持った「ウルトラスーパーマイノリティー」とも呼ぶことができてしまう今の自分が、どんなところで困難を強いられるのか、ここでは無職であることと家庭の事情に焦点を当てて書いてみようと思います。
増えないお金、減らないストレス
まず、現在の私には仕事がありません。その理由は、大学卒業時にようやく進路を決定したからです。「自分は正社員に向いていない」という結論に辿り着くまでに、大学生活後半の2年という長い月日を費やしてしまったので、在学中に進路を決定することができなかったのです。
それによって困ることといえば、お金は増えず、ストレスが募るばかりということでした。溜まったストレスを発散させるために、どこか遠い所に出かけたり、友達と会って話したりするためにもお金は必要なので、稼いでは費やし、また稼いでは費やしの繰り返しで、貯金をすることができないのです。
また、お金がないことで一番困るのは、病気になった時です。私は現在、咳喘息にかかってしまい、診療費と1ヶ月分の薬代の支払いを余儀なく強いられました。そのため、貯金はもう3ケタを目の前に迫っています。日雇いの派遣の仕事に入ることもできますが、時給1000円の仕事で7〜8時間働いたとしても、日給は7000〜8000円なので、継続して働かなければお金を貯めることはできません。
ですから、たとえば風邪をひいてダウンしてしまうことがあれば、働くことはおろか、病院にもかかることができなくなってしまいます。
もっと恐ろしいのは、日々蓄積されるストレスのせいで、様々な病気にかかりやすくなっているということです。しかも、万が一病気にかかってしまったら、治療費を払うことができないので、家に薬の備えがなければ、自力で治すこともできません。自分の命を守るために、やはりある程度のお金は必要不可欠なのです。
家庭内の貧困、増える家の仕事
さらに私はひとり親家庭なので、現在生計を立てているのは母の収入のみです(私が定職に就くことができれば私もある程度負担することは可能ですが…)。私の家庭では、今年の春に遠方で暮らしていた祖父母が引越してきて共に暮らすようになっており、生活スタイルが大きく変わりました。その分支出も増えますし、やらなければならないことも増えるので、一人ひとりの役割分担がかなり重要になってくるのです。
しかも私は仕事がない身なので、そのぶん家ではしっかり働かなければなりません。なにしろ、本来は社会に出ていて当たり前の時期に、仕事を持っていないのですから。
こうして私は、日雇いの派遣の仕事で日給を稼ぎながら、家事手伝いをしている生活を送っています。このような生活がずっと続いてしまうと、私自身の収入も、家庭の収入も安定しないので、最悪の場合には生活が破綻してしまうことも考えられます。
生きているから、価値がある
こんな状況の私ですが、実際にはなんとか生きています。なぜなら、この苦境を乗り越えた先に、いくつもの希望を託したからです。
ここを乗り越えたらどんなことをしよう?
お金を貯めたらどんなものを買おう?
大切な友達とどんな思い出を作ろう?
今の状況を変えた時に、どんな楽しいことをしたいかを考えることで、私は「生きたい」と強く願いながら生きているのです。
時々、こんなにつらい状況が続くなら、死んだ方がマシなのではないか、とも考えてしまいます。それでも、そんな時に言い聞かせる言葉は、ただ一つです。
「生きているから、価値がある」
皆さんも、つらい状況に負けそうな時、この言葉を心の中で唱えてみてください。きっと、生きづらさに負けない自分を肯定することができると思います。
最後にもう一度、生きづらさを抱えて生きているあなたに、この言葉を贈ります。
「生きているから、価値がある」
以上、夏秋でした。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。