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tanka 2


伝えたいこともないのに届かない手紙をずっと書き続けている



真っ白なノートに白いペンで書く
君がいたこと歌に触れたこと

誰がどう見ても綺麗なものなのに
実は宙っていくつもあって

優しい が鎖の言葉とならぬよう
優し で止める ここは海底


みずうみの前で佇む あと一歩届いたような気がしていたんだ

対岸にいるはずなのに大きくて隣にいたと信じていたよ

目に見えぬ居場所を分けてくれた人
遠くの河で水面がひかった


ここ以外すべてが未開だとしても歩いていけた君をしるしに

伝えたいこと本当は地下深くねむってたもの
今日は満月



いつか白いままの手紙を出せたなら
そのときはエンドロールで会おう