
ドラマ【くるり~誰が私と恋をした?~】名台詞集
2024年4月期TBS火曜ドラマ「くるり~誰が私と恋をした?~」より、心に残った台詞をまとめました。
*鑑賞時に書き起こした台詞を記録しているため、表記や文言は脚本と異なる場合があります。恐れ入りますがご了承いただけますようお願いいたします。
●作品情報
公式サイト
●名台詞集
第1話
私を出さない私
「私を出さない私っていうのが、私のキャラ、みたいな。」
記憶喪失になり自分自身のことを一切思い出せないまことが、自分の部屋のクローゼットにあった地味で無難な洋服を見て言った言葉です。
自分を出さない。
誰にも嫌われず、反感を買わず、代わりに強く印象にも残らず、関心も持たれない。
そんな風に自分のキャラを演じてきた自分を知り、なんともいえない虚しさを感じたまことでした。
右から左に受け流すスキル
「覚えなきゃいけない仕事って、こういう空気読んで、右から左に受け流すスキルも入ると思いますよ。そういう仕事、一番上手でした、緒方さん。」
松永が同僚から理不尽に押し付けられた仕事を手伝おうとしたまことに対して言った言葉です。
記憶喪失になる前は、周りの空気を読み、目立つような主張や行動はせず、無難に過ごしてきたまこと。
仕事を押し付けられた松永を手伝うこともなかった。
記憶を失い様子が変わったまことに対して、怒るわけでもなく、冷めたトーンで松永が言った台詞です。
多分私この仕事そんな好きじゃないんです
「いい会社です。記憶がなくてもクビにならない。きっと一生懸命就活して入って、みんなとうまくやっていくためにつまんない服着て少しズルして頑張ってきたんだと思います。でも、多分私この仕事そんな好きじゃないんです。覚えてないけど。今の私はこの仕事、右から左に受け流すとか出来そうになくて。松永さんの方がずっと有能だし必要だし居るべきだと思います。」
記憶喪失になりながら職場に戻ったまこと。
以前は色々なことを我慢しキャラをつくりながら空気を読んで働いていた自分でしたが、今はその環境に違和感と窮屈さを覚え、思い切って職場を辞めると宣言した際に、上司に対して放った言葉です。
自分らしくやりがいを感じながら生き生きと働く。
そう出来れば素晴らしいけれど、そうでない毎日を送っている人はきっとたくさんいて。
そんな自分に不安を感じながら耐えている人は多いはず。
だからといってまことのように仕事を辞める選択を自分の想いでとれない人も多いはずですが、少なからず共感できる部分がある台詞でした。
第2話
仕事は人生の一部でお金を稼ぐ手段
-板垣律「その仕事で幸せになれそうなの?」
-緒方まこと「好きかってこと?」
-板垣律「違う。好きなことは趣味とか仕事以外でもいいじゃん。だって、仕事は人生の一部で、お金を稼ぐ手段でしょ?自分の人生を幸せにするのが一番大事。そのためにどう働くかで仕事は決めたらいい。」
朝日に紹介をしてもらった企業に就職するために面談を受けたまこと。
律との会話の中で、律が言った言葉です。
好きなことを仕事に出来る人はほんの一部で、何かしら折り合いをつけながら誰もが働いている。
そして時々、その目的や意味を、見失ってしまうことがある。
人生の中で占める大きな時間を割いてあたる仕事。
ふと気付くと、仕事をするだけで日々が流れていってしまうけれど、律の言う通り、仕事は生きるための手段であり、自分が幸せなるための手段。
そこを忘れてしまうと、苦しくなってしまう瞬間が訪れるものです。
第3話
今までの記憶、生きてきた傷とか、そういうかたまりが自分
「自分って何だろうね。今までの記憶、生きてきた傷とか、そういうかたまりが自分なのかなって。」
記憶喪失になるきっかけとなった事故現場を訪れたまことが、公太郎との会話の中で言った言葉です。
自分をかたちづくるのは、過去。
その過去を失った寂しさを、まことはずっと抱えています。
第5話
強い感情を持つほど踏み込むと傷つけるし傷つくことになる
「賢いからだよ、まことさんは。何かを好きとか嫌いとか、強い感情を持つほど踏み込むと、傷つけるし傷つくことになるから。メリット、デメリット、必要か、そうじゃないかで考える。」
過去の経験からか、何かを好きや嫌いと決めることや選択することが出来ず、怖いと感じるまことに、律が言った言葉です。
大人になるとこんな風な考えがつい頭をよぎって、自分の感情よりも、相手の気持ちだったり、その先の展開だったりを考えてしまうことがありますよね。
第10話
努力をラッキーに変換されて愚痴を聞かされる不毛な時間
「こっそり先に帰るなら、二人でお茶しません?努力をラッキーに変換されて愚痴を聞かされる不毛な時間よりは、メリットあると思うんだけど。」
まことと律が出会ったシーンの律の台詞です。
学生時代、就活を終えてサークルに顔を出したまことは、友人たちに「良い会社に就職出来てツイている」などと言われ、適当に会話を合わせた後、ひとりで先に帰ろうとしました。
その時に、まことを呼び止めた律のこの台詞をきっかけに、二人は付き合うようになりました。
努力で掴み取ったものを、人は簡単に運だという。
言わせておけ、と思っても、そういう言葉たちが、自分の心を窮屈にしていくものです。
律はそんなまことの心をふわっと包み込んだ、まことにとって確かに大切な人でした。
第11話(最終話)
"好き"とか"恋"とかは?どっか行っちゃった?
「"傷つけた"とか"辛い思い"とか、わかるけど、"好き"とか"恋"とかは?どっか行っちゃった?」
公太郎への想いを飲み込もうとしているまことに、香絵がかけた言葉です。
大人になると、自分の気持ちを後回しにするための言い訳を見つけるのが得意になる。
だからといって、すべての感情に無邪気になるなんて出来なくて。
頭で考えて、心を諭して、正しそうな道を歩き直そうとするまことは、とても苦しそうでした。
"大事な誰か"には自分も入る
-西公太郎「花に興味ないのは、もしかしたら寂しいからかもしれないな。花なんて生活の役に立たないものだから、贈りたい人がいないと買わない。大事な誰かにあげたいって思わないと。」
-緒方まこと「自分に買う人もいるよね。」
-西公太郎「"大事な誰か"には、自分も入る。」
記憶を失う前のまことと公太郎の会話です。
自分を大切にすること。愛してあげること。
それが出来なかった当時のまことは、この言葉を受けて、変わり始めました。
自分で自分のこと寂しくさせてたのかな
-朝日結生「周りの目なんか気にしないで、普通に話して普通に渡せば良かった。」
-緒方まこと「私も、人と関わるだけ面倒が増えるって思ってたから、自分で自分のこと寂しくさせてたのかな。」
記憶をなくす以前は、距離があり今のような関係ではなかったまことと朝日。
誰かのことを勝手に決めつけたり、勝手に距離をとったり。
素直になれば、ちゃんと話せば、わかりあえることがあったのかもしれない。
考えさせられる台詞でした。
思い出せないんじゃなくて最初から覚えてないんだよ
「それ、思い出せないんじゃなくて、最初から覚えてないんだよ。緒方にとってはきっと何でもないことで、同じ場所で同じことしてても、違うもの見てたんだね。でも、俺にとっては、特別な瞬間だったんだ。」
自分にとっての大切な思い出が、誰かにとっては記憶にもないような何気ないことで。
それは寂しいけれど、でも、自分にとって大切であったことは、揺るぎのない事実だから、これからも大切にしておけばいい。
すべて明らかになり、今まで見た中でいちばんすっきりとした笑顔で、去って行った朝日でした。
以上、ドラマ「くりる~誰が私と恋をした?~」の名台詞集でした。