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ドラマ【逃げるは恥だが役に立つ】名台詞集

2016年10月期 TBS火曜ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」より、心に残った台詞をまとめました。

*鑑賞時に書き起こした台詞を記録しているため、表記や文言は脚本と異なる場合があります。恐れ入りますがご了承いただけますようお願いいたします。


●作品情報

公式サイト


●名台詞集

第1話

中身は老けてます

-津崎平匡「すいません、思いのほかお若かったので」
-森山みくり「ご心配なく。中身は老けてます。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第1話 - 森山みくり

みくりと初めて対面した時の平匡との会話です。

未婚よりバツイチの方が生きやすかったって思うんだよね

「あーあ、こんなことなら深く考えずにさっさと結婚しとけばよかった。未婚よりバツイチの方が生きやすかったって思うんだよね。この年まで一人だとさ、何が原因かとか他の人に詮索されるし。あ、同情とかやめてね。私はそれなりに幸せだし、毎日楽しくやってるんだから。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第1話 - 土屋百合

みくりと二人で話していた時の百合の言葉です。


誰からも選ばれない人生より素敵じゃない

-土屋百合「なんだかんだ言っていいわよね。お互いにただ一人の相手がいるっていうことが。誰からも選ばれない人生より素敵じゃない。なんてね。」
-森山みくり「お母さんずっと百合ちゃんが羨ましかったんだよ。好きな仕事して、綺麗で、活躍してる百合ちゃんが。」
-土屋百合「知ってる。ないものねだりね。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第1話 - 土屋百合

田舎の古民家を突然購入し、そこで二人で新生活を始めると決めたみくりの両親。
なんだかんだ楽しそうな二人を見た百合とみくりの会話です。


いろんな気持ちをちょっとずつ諦めて

「誰かに、誰かに、選んで欲しい。ここにいていいんだって認めてほしい。それは贅沢なんだろうか。みんな誰かに必要とされたくて、でも、うまくいかなくて。いろんな気持ちをちょっとずつ諦めて、泣きたい気持ちを笑い飛ばして、そうやって、生きているのかもしれない。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第1話 - 森山みくり

大学卒業時も大学院卒業時も就職活動に失敗し、派遣先では契約を打ち切られたみくり。
平匡宅のハウスキーパーを始め、初めて必要とされるよろこびを味わったみくりのモノローグです。


第2話

恥ずかしい逃げ方だったとしても、生き抜くことのほうが大切

-森山みくり「よかった。津崎さんが後悔してたらどうしようかと。嘘つかないといけないし、重いことさせちゃってるかなって。周りを説得する自信がないから普通の結婚のフリをするって、逃げと言えば逃げだし。」
-津崎平匡「逃げたっていいじゃないですか。」
-森山みくり「え?」
-津崎平匡「ハンガリーにこういう諺があります。逃げるのは恥、だけど役に立つ。」
-森山みくり「役に立つ?」
-津崎平匡「後ろ向きな選択だっていいじゃないか。恥ずかしい逃げ方だったとしても、生き抜くことのほうが大切で、その点においては異論も反論も認めない。」
-森山みくり「逃げるのは恥だけど、役に立つ。」
-津崎平匡「はい。」
-森山みくり「そうですね。逃げても生き抜きましょう。オブジェクションしてる場合じゃありません。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第2話 - 津崎平匡

事実婚をすることに決めた平匡とみくりが、両家顔合わせを行った後の帰り道の会話です。


僕はこれまでどれだけの人をどれくらい傷つけてきたんだろう

-風見涼太「なんでこっち来たんだろう。」
-沼田頼綱「俺が風見くんによからぬことをするんじゃないかって心配になったんだよ。」
-風見涼太「ええ?」
-沼田頼綱「男とみれば誰彼構わず襲い掛かると思ってんだよ。」
-風見涼太「その気の無い相手に襲い掛かったら男女問わず犯罪ですよね。」
-沼田頼綱「だよねえ。いいよなあ、普通に愛を育める人は。」
-風見涼太「俺ストレートだけど育んでませんよ。」
-沼田頼綱「育もうよ、少しは。」
(それぞれ眠る沼田と風見)
-津崎平匡モノローグ「知らないって、怖い。僕はこれまで、どれだけの人をどれくらい傷つけてきたんだろう。ひょっとしたらみくりさんだって、僕の考えなしの言動に傷ついたり、言いたいけど言えない気持ちを隠していたりするのかもしれない。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第2話 - 津崎平匡

沼田と風見が家に泊まることになり、ゲイだという噂のある沼田を風見と二人きりにしてはいけないと心配し、自分も一緒にリビングで眠ることにした平匡。
眠ったふりをして二人の会話を聞いていた後の平匡のモノローグです。


第3話

虚しいこともいっぱいあるけど、楽しいこともいっぱい覚える

-土屋百合「年を取るとさ、虚しいこともいっぱいあるけど、楽しいこともいっぱい覚えるんだよね。」
-沼田頼綱「わかるなあ。願わくば、美味しいワインのように凝縮された人生を。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第3話 - 土屋百合

ぶどう狩りに行った日、楽しそうにワインについて語った百合が、沼田と風見に言った言葉です。


第4話

働く時は下を見てはいけないと思います

-森山みくり「すみません。」
-津崎平匡「謝る必要はありません。」
-森山みくり「食無し家無しの危機から考えるとすごくいい環境で働かせてもらってるので…。」
-津崎平匡「働く時は下を見てはいけないと思います。抱え込まず、今後はもっと相談してください。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第4話 - 津崎平匡

家計のやりくりに慣れず赤字を出してしまった月に、その赤字分を自分で補填したみくり。
そんなことをする必要は無いと今後のやりくりを提案をした平匡とみくりの会話です。


委ねられないうちに、どこへも行けなくなる

「人を好きになるのってさ、不安になるのよね。自分が自分じゃなくなって、足元がぐらぐらして、委ねられないうちに、どこへも行けなくなるんだわ。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第4話 - 土屋百合

職場の部下たちと飲みに行った際、恋愛について梅原に聞かれた時の百合の言葉です。


第5話

罪悪感を肩代わりさせるということです

「でも、百合さんに正直に話してしまったら、みくりさんは楽になるかもしれませんが、今度は百合さんが辛いんじゃないですか?百合さんが本当のことを知ったら妹の桜さんに嘘をつかなきゃいけなくなるし、それはつまり、百合さんに罪悪感を肩代わりさせるということです。僕たちの罪悪感は、僕たちで背負うしかないんじゃないでしょうか。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第5話 - 津崎平匡

二人の関係について百合に打ち明けようかと切り出したみくりに、平匡が言った言葉です。


第6話

気付いただけだよ

-カヲル「お前男の趣味変わったな。」
-森山みくり「変わったんじゃないよ。気付いただけだよ。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第6話 - 森山みくり

平匡と旅行に行った宿泊先で偶然再会した高校時代の元カレ・カヲルに、みくりが言った言葉です。

僕は知ってる。穏やかな微笑みも、温もりも、優しさも。

「彼に、腹も立たなかった。自分の方がみくりさんを知ってると思ったから。僕は知ってる。穏やかな微笑みも、温もりも、優しさも。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第6話 - 津崎平匡

旅行先で偶然出くわしたみくりの元カレ・カヲルに、「こいつめんどくさいっしょ、やかましくて」とみくりのことを言われた平匡。
「ごゆっくり」とだけ言ってその場を離れた平匡にみくりは落ち込んでいましたが、平匡のモノローグにて明かされた、その時の平匡の想いです。

第7話

沼田さんは単に沼田さんなんですよ

-津崎平匡「沼田さんって鋭い人だと思っていました。男目線と女目線の両方を持っているというか。」
-風見涼太「持ってないでしょ。ゲイだからどうこうじゃなくて、沼田さんは単に沼田さんなんですよ。」
-日野秀司「うん。あれは沼田頼綱っていう生き物だ。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第7話 - 風見涼太

津崎と風見が付き合っているのではないかと思っていた沼田のことを話していた時の会話です。
平匡は、無意識に偏見を持っていた自分をまた反省しました。

そんな暇があったら土屋さんの半分も仕事すればいいのに

-梅原ナツキ「今日のネイル素敵ですね。」
-土屋百合「そういうこと不用意に言わないの。」
-梅原ナツキ「セクハラ疑惑も晴れたんだし。」
-土屋百合「コンプラ的には無罪放免でも一度立った噂はずっと残るのよ。」
-堀内柚「要するに暇なんですよ。誰が誰と恋愛したっていいじゃないですか。」
-土屋百合「あ、いや、してないけどね?」
-堀内柚「(フロアの同僚たちに聞こえるように) 人のことああだこうだ、そんな暇があったら土屋さんの半分も仕事すればいいのに。」
-梅原ナツキ「…お前言う?」
-土屋百合「あなた今多数を敵にまわしたわよ。」
-堀内柚「本当のこと言っただけです。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第7話 - 堀内柚

職場で百合がナツキにセクハラをしただの恋愛関係にあるのではだのという噂が立てられていた時、百合の部下でいつもどこか頼りなくやる気のないイマドキ女子だと思っていた堀内が、あえてフロアの同僚たちに聞こえるように言った言葉です。
堀内は帰国子女ですが、帰国子女だから語学堪能だろうと決めつけられるなど、周囲からの目線に苦労した経験をしており、それでもそのことは言わず、実力で仕事をするのだと頑張る根性を持った女性でした。

好意を持って繋がってたいなって

-土屋百合「仕事ってさ、人と人との関りだから。」
-森山みくり「関わり?」
-土屋百合「結局そうなっちゃうんだよね、否が応でも。」
-森山みくり「私がしたい仕事ってそういうことかもしれない。大企業に勤めたいとかじゃなくて、狭い世界でもいいから人との繋がりで成り立つ何か。」
-土屋百合「ボランティア?」
-森山みくり「ううん。お金は欲しい。お金って生活だし。でも、稼げさえすればいいっていうビジネスライクなことよりは、好意を持って繋がってたいなって。」
-土屋百合「それは大事。どんな仕事も、相手への感謝とリスペクト。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第7話 - 森山みくり

百合と二人で飲みながら話していた時のみくりの言葉です。


第8話

悪いけどもうそんな次元にいない。感謝。

-梅原ナツキ「え、また一人減るんですか?」
-土屋百合「うん。産休に入るんだって。」
-梅原ナツキ「最悪…」
-堀内柚「ぶっちゃけ迷惑。」
-土屋百合「そういうこと言わないの。」
-梅原ナツキ「土屋さんだって仕事増えるでしょう?」
-堀内柚「ムカつきませんか?」
-土屋百合「悪いけどもうそんな次元にいない。感謝。」
-梅原ナツキ・堀内柚「感謝?」
-土屋百合「私の分まで産んでくれてありがとう。」
-梅原ナツキ「そういうもんっすか?」
-土屋百合「この歳になるとね、もう嫉妬なんて通り越してる。」
-堀内柚「でも言われますよね?女に生まれたからにはどうのこうの。」
-土屋百合「気にしなきゃいいのよ。だってその分働いてるもの。税金納めてるもの。だからね、あなたたちもぶーぶー言わないの。今時産休に理解のある会社の方がいいでしょ?それにね、福利厚生があるってことはまだ安泰ってことよ。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第8話 - 土屋百合

職場で産休を取得するスタッフがおり、人員減について不満をもらす梅原と堀内に、百合が言った言葉です。


くたびれてしまった

「すり傷程度の浅い傷。だとしても、何度も何度も傷を受ければ、深刻なダメージになる。くたびれてしまった。自尊感情の低いあの人を、好きでいることに。拒絶されても平気なふりで、笑い続けることに。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第8話 - 森山みくり

平匡との縮まない距離感やぎくしゃくした関係に悩むみくりのモノローグです。


意思がなきゃ続かないのは、仕事も家庭も同じ

-森山みくり「いいねえ、愛されてて。」
-森山桜「愛してるわよ、お互いに努力して。」
-森山みくり「努力なの?」
-森山桜「無償の愛なんて注げないわよ、他人なんだし。」
-森山みくり「言うねえ。」
-森山桜「運命の相手ってよく言うけど、私そんなのいないと思うのよ。」
-森山みくり「夢がない。」
-森山桜「運命の相手に、するの。意思がなきゃ続かないのは、仕事も家庭も同じじゃないかな。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第8話 - 森山桜

母・桜が骨折をしたため館山に泊まりで手伝いにやってきたみくり。
夜、父親の話をしていた流れでの、二人の会話です。


彼女が自信を持てないことは彼女の問題なのに

「そんなこと僕にはどうしようもない。彼女が自信を持てないことは彼女の問題なのに。あなたにどれだけ拒絶されても大好きだよって、言ってあげればよかったんでしょうか。向こうは僕の気持ちなんか考えちゃいないのに。自分ばかり見ている彼女に、何を言えばよかったんでしょうか。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第8話 - 風見涼太

学生時代に付き合っていた彼女に、一緒にいても釣り合わない、風見くんにはわからないと言われ、別れた経験がある風見。
自分のことを卑下する津崎と飲んだ帰り道、酔いつぶれた津崎を後ろに乗せて百合子の車で帰る途中で彼女のことを話した時の風見の言葉です。


他の道もあるんだから、今の道で失敗してもいいやって

「このまま館山で市議会議員になろうかと。同い年の議員の女性に会って、そういう人生もありかなって。そう考えたら、気が楽になりました。他の道もあるんだから、今の道で失敗してもいいやって。これから、303号室に帰ろうと思います。全部取っ払った答えがそれです。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第8話 - 森山みくり

平匡との関係に悩み館山の実家にやってきたみくり。
少し距離を置いて考えた末、みくりを迎えに館山にやってきた平匡がかけた電話での会話の中での、みくりの言葉です。

第9話

好きだと言われなくてもこのままで十分幸せかもしれない

「平匡さんにかかれば、私の突拍子の無さも、しょうもない妄想も、現実を変える力に変化する。好きだと言われなくても、このままで十分幸せかもしれない。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第9話 - 森山みくり

平匡に好きだと言われないことに不安を感じていたみくりですが、一緒に食卓を囲みながら話をする中で自分が短所だと思う箇所を肯定され、心がじんわりとあたたかくなったみくりのモノローグです。

誰もがすべてのことを深く知るのって無理だと思わない?

-土屋百合「ただね、子持ちの人と結婚すれば今からでも子どもが持てるんだって、新しい発見だった。」
-風見涼太「子ども欲しいですか?」
-土屋百合「私の場合はみくりがいたからね。娘がいる気分を味わえちゃったのよね。最高よ。責任取らないでひたすら可愛がるだけ。」
-山さん「おいしいとこどり。」
-土屋百合「そう。でもその代わり、深い喜びは知らないのかもしれない。」
-風見涼太「深い喜びを知りたかったですか?」
-土屋百合「残酷なことを聞くのね。」
-風見涼太「すいません。」
-土屋百合「誰もがすべてのことを深く知るのって無理だと思わない?誰かが知っていることを誰かは知らなくて、そうやって世界はまわってるんじゃないかしら。」
-風見涼太「時に知らない世界を教え合ったり」
-土屋百合「そう。そういうのも悪くない。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第9話 - 土屋百合

山さんのバーで風見と飲んでいた時の百合の言葉です。


土屋の仕事は私たちの希望が詰まってんのよ

「うちも以前はこういう広告打ってたの。でもなんか違うよねって平の女子社員で集まって話したりして。でもいくら上に言ってもいつまでも変わらなくて、土屋が本部広報部のチーフになってやっと変えることが出来たの。土屋の仕事は、私たちの希望が詰まってんのよ。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第9話 - 里中仁美

百合の会社が扱う化粧品について、下請け会社が出稿した広告がブランドイメージを毀損するものであり、自分たちが守り抜いてきてユーザーに支持されているブランド価値を下げないよう、上に掛け合いに行った百合。
そんな百合のことを、他の若手社員たちの前で同期の里中が話した時の言葉です。


だから私は、かっこよく生きなきゃって思うのよ

-風見涼太「あれ、百合さんが作ってるんですよね?」
-土屋百合「そうよ。」
-風見涼太「かっこよくて好きです。」
-土屋百合「男の人にそう言ってもらえると嬉しい。わかってくれる人もいるんだって、勇気が出る。与えられた価値に押し潰されそうな女性たちが、自由になる。自由だからこその美しさ。例えば私みたいなアラフィフの独身女だって、社会には必要で、誰かに勇気を与えることが出来る。あの人が頑張ってるなら自分ももう少しやれるって、今一人でいる子や、一人で生きるのが怖いっていう若い女の子たちに、ほらあの人がいるじゃない、結構楽しそうよって思えたら、少しは安心出来るでしょ。だから私は、かっこよく生きなきゃって思うのよ。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第9話 - 土屋百合

仕事終わりに偶然会った風見との帰り道、百合が手掛ける化粧品の広告を街中で見つけた時の会話です。
その化粧品の広告のコピーは、「自由に生きる。美しくなる。」。
百合がこの商品や仕事に込めてきた想い、自分の人生に自分で価値を見出そうとやってきた想いを感じるシーンでした。


平匡さんも私のこと好きならいいのに

-津崎平匡「困ります。僕にとってみくりさんは、もう簡単に手放せる人じゃないんですから。」
-森山みくり「ずるい。」
-津崎平匡「はい?」
-森山みくり「どうしてそういうこと言うんですか?どんどん好きになっちゃうじゃないですか。だから嫌なんです、私ばっかり好きで。平匡さんも私のこと好きならいいのに。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第9話 - 森山みくり

自分ばかり想いが強いのではないかと不安になったみくりと、そんなみくりに向き合う平匡の会話です。


必要だったのはシステムの再構築じゃない

「必要だったのは、システムの再構築じゃない。気持ちを、本当の気持ちを、伝え合うことだった。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第9話 - 津崎平匡

みくりとの新しい関係や自分の中に芽生えていく想いに混乱し、雇用契約の再構築をせねばと頭を悩ませていた平匡。
あれこれと考えた末、結局お互いの想いを素直に伝え合うことで通じ合えた二人。
みくりをハグした平匡のモノローグです。


第10話

大切な人から逃げてはだめだ

「逃げてもいい。恥ずかしい逃げ方だったとしても生き抜くことのほうが大切で、その点においては異論も反論も認めない。だけど、ここはだめだ。大切な人から、逃げてはだめだ。失いたくないのなら、どんなにかっこ悪くても、無様でも。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第10話 - 津崎平匡

自分の恥ずかしさや情けなさからみくりの前から逃げ出そうとしてしまった平匡のモノローグです。
平匡はこの後、みくりの元へ戻り、みくりと向き合いました。


かわいいの前では服従。全面降伏なんです。

「かわいいは最強なんです。かっこいいの場合、かっこ悪いところを見ると幻滅するかもしれない。でも、かわいいの場合は何をしてもかわいい。かわいいの前では服従。全面降伏なんです。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第10話 - 森山みくり

平匡と想いが通じ合い、平匡さんがかわいすぎる件について一人で悶えていたみくり。思わず「かわいい」と平匡に言ってしまい、戸惑う平匡に、みくりが言った言葉です。

それは搾取です

「いいですか皆さん。人の善意につけ込んで労働力をただで使おうとする、それは、搾取です。例えば、友達だから、勉強になるから、これもあなたのためだからなどと言って正当な賃金を払わない。このようなやりがい搾取を見過ごしてはいけません。私森山みくりは、やりがいの搾取に断固として反対します。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第10話 - 森山みくり

親友の安恵の商店街活性化プロジェクトにアイディアを出していたところ、みくりの提案に乗った商店街メンバーたちに引き続きの無償での協力を求められたみくりの言葉です。

誰かのお手本になるために無理をする必要はない

-土屋百合「聞きたいことがあって来たの。この前のどういう意味?私が言ったこと何か変だった?あなた言ったでしょ、"そんなこと言わないで"って。どうして?私が痛々しく見えたから?強がってかっこつけてイタイこと言ってるって。」
-風見涼太「僕はかっこいい百合さんが好きですが、それは百合さんから滲み出るかっこよさであって、誰かのお手本になるために無理をする必要はない。そう思っただけです。」
-土屋百合「無理してるわけじゃないの。この前は仕事で色々あって。周りの期待は嬉しいし、周りから期待されてるから頑張れるっていうことも本当だし、かっこよく生きたいっていうのも本心。」
-風見涼太「はい。」
-土屋百合「でもそうね、時にはいいのかもしれない、頑張らない時があっても。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第10話 - 風見涼太

先日広告を見つけた帰り道、風見に「そんなこと言わないで」と言われ、なぜだか涙がこぼれてしまった百合。
それ以来気まずかった二人ですが、あらためて風見の家で話をした時の会話です。

今ここにある世界を信じられるからだ

「出来ないと思っていたことが出来る。一つずつ世界が広がる。仕事を失っても穏やかでいられるのは、今ここにある世界を信じられるからだ。みくりさんがいてよかった。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第10話 - 津崎平匡

みくりと一緒に初めて餃子を包んでみたら上手に出来た平匡。
「やってみたらいろんなこと出来るんじゃないですか?」とみくりに言われた平匡のモノローグです。
この少し前に、平匡は沼田からリストラを宣告され、それを受け入れ、転職先を探し始めていました。

生きて会えるなら

-梅原ナツキ「いい感じでしたね、イケメンと。」
-土屋百合「どこが。親子ほども年が違う。」
-梅原ナツキ「いいじゃないですか、それぐらいのハードル。」
-土屋百合「それぐらい?」
-梅原ナツキ「生きて、会えるなら。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第10話 - 梅原ナツキ

風見への想いを断ち切るように過ごしていた百合に、部下の梅原が言った言葉です。

それは好きの搾取です

-森山みくり「結婚すれば給料を払わずに私をただで使えるから合理的、そういうことですよね?」
-津崎平匡「そういうことに…」
-森山みくり「なってます!」
-津崎平匡「…みくりさんは、僕と結婚したくはないということでしょうか。僕のことが好きではないということですか?」
-森山みくり「それは…好きの搾取です。好きならば愛があればなんだって出来るだろうって、そんなことでいいんでしょうか。私、森山みくりは、愛情の搾取に断固として反対します。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第10話 - 森山みくり

平匡にプロポーズをされたものの、様々な試算をして結婚が合理的であるというかのようにプレゼンをしてきた平匡に、みくりが言った言葉です。


第11話(最終話)

なかったことには出来ない

「一度出てしまった言葉は、感じてしまったもやもやは、なかったことには出来ない。お互いに。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第11話(最終話) - 森山みくり

平匡からのプロポーズを受け入れられず、もやもやしたままぎくしゃくした関係になってしまったみくりのモノローグです。

いつの間に僕はこんなに思いあがってしまったのか

「好きの搾取。そう言われて、ドキっとした。心のどこかで、自分を好きならば当然提案を受け入れてくれるものだと思っていた。いつの間に僕はこんなに思いあがってしまったのか。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第11話(最終話) - 津崎平匡

みくりにプロポーズをしたものの、思ったようには受け入れてもらえず、自分自身について反省をする平匡のモノローグです。


夫が雇用主で妻が従業員、そこからして間違っているのでは

-森山みくり「結婚して専業主婦になるということは、生活費の保証、つまり最低賃金を受け取ることとイコールだと思うんです。でも、最低賃金はあくまで最低賃金。食わせてやってるんだから黙って働けと言われても限界があります。」
-津崎平匡「でも、そんなに横暴な雇用主ばかりじゃないでしょう。」
-森山みくり「はい。良い雇用主の元でストレスもトラブルもなく働けるのであれば最低賃金でもいいのかもしれません。」
-津崎平匡「つまり、雇用主次第であると。」
-森山みくり「一般企業なら人が大勢いて人事異動もあります。昇給や賞与など客観的に従業員を評価するシステムもある。でも夫婦の場合1対1なんです。夫が評価しなければ、妻は誰からも評価されない。つまり、現状の専業主婦の労働の対価は、この基本給プラス雇用主の評価(愛情)ということになります。」
-津崎平匡「しかし、愛情は数値化出来ません。」
-森山みくり「そうなんです。極めて不安定な要素なんです。雇用主の気まぐれでいつでもゼロになり得る。」
-津崎平匡「その場合、最低賃金労働が続くということですね。」
-森山みくり「労働時間の上限もないんです。下手をすればブラック企業にもなりかねません。従業員としてこの労働環境でやっていけるのかどうか不安があります。プロポーズは嬉しかったんです。平匡さんと結婚したくないとかそういうことじゃなくて、」
-津崎平匡「そもそも従業員なんでしょうか。夫が雇用主で妻が従業員、そこからして間違っているのでは。主婦も家庭を支える立派な職業になる。そう考えれば、夫も妻も、共同経営責任者。」
-森山みくり「共同経営責任者?」
-津崎平匡「この視点で僕たちの関係を再構築しませんか?雇用関係ではない新たなるシステムの再構築です。愛情があればシステムは必要ないとも思いましたが、そんな簡単なことではなかったようです。上手くいくかはわかりませんが…。」
-森山みくり「やります!やらせてください!」
-津崎平匡「やりましょう、共同経営責任者。」
-森山みくり「なりましょう、CEO。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第11話(最終話) - 津崎平匡

結婚に対して抱いていたモヤモヤの原因が分かり、それを整理して平匡に伝えたみくり。
二人の新たな関係を構築しようと動き出した時の会話です。

共働きとして、家事の分担を執り行います

「みくりCEOが引き受けた仕事は、この303カンパニーの仕事でもあります。協力して成功させましょう。共働きとして、家事の分担を執り行います。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第11話(最終話) - 津崎平匡

平匡の転職にあたり共同経営責任者会議を行った二人。
みくりが外で働く場合、フルタイムになり家事に割く時間が減ってしまう。
それを受けての平匡の発言です。
こんな考え方で家事の分担が出来れば、お互い心地よい生活が出来るのかもしれませんね。

なりたい自分からどんどん遠ざかる

「今日の私は最低だった。余裕が無いと途端に本性が顔を出す。生意気で、偉そうで、小賢しいみくりが。私は、自分が嫌いだ。自尊感情が低いのは私のほうだ。平匡さんが愛したのは、家事を完璧にこなすいつも笑顔で優しい理想の妻で、お米ひとつでひどい態度をとる女じゃない。選ばれたくて、認めてほしくて、なのに、なりたい自分からどんどん遠ざかる。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第11話(最終話) - 森山みくり

外で仕事を始めたみくり。
忙しくなり、先に帰る平匡にお米を炊いておくように頼んだものの、炊き忘れたことをごまかそうとした平匡に苛立ち、良くない態度をとってしまった。
なんとなく気まずい空気感になってしまった夜の、みくりのモノローグです。

自分に呪いをかけないで

-五十嵐杏奈「アンチエイジングにお金を出す女はいるけど、老いをすすんで買う女はいない。」
-土屋百合「あなたは随分と自分の若さに価値を見い出しているのね。」
-五十嵐安奈「お姉さんの半分の年なので。」
-土屋百合「私が虚しさを感じることがあるとすれば、あなたと同じように感じている女性がこの国にはたくさんいるということ。今あなたが価値がないと切り捨てたものは、この先あなたが向かっていく未来でもあるのよ。自分が馬鹿にしていたものに自分がなる。それって辛いんじゃないかな。私たちの周りにはね、たくさんの呪いがあるの。あなたが感じているのもそのひとつ。自分に呪いをかけないで。そんな恐ろしい呪いからは、さっさと逃げてしまいなさい。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第11話(最終話) - 土屋百合

カフェで休憩していた百合のもとに突然やってきた杏奈。
杏奈は風見を狙っており、いちいちつっかかってくる。
そんな杏奈に百合が淡々と伝えた言葉です。

だってボランティアだから。仕事じゃないから。

-津崎平匡「僕が思ったのは、分担って結構やっかいだなということです。分担した仕事を相手が出来ていないとマイナスに感じる。一方出来ている場合でも、担当なんだしやって当然と思ってしまって感謝の気持ちが持てない。もしかすると、相手を積極的に評価するシステムが必要で、」
-森山みくり「食事、私の担当なのに満足に作れてなくてごめんなさい。」
-津崎平匡「いや、責めているわけでは…。」
-森山みくり「いっそ役割分担をやめましょうか。シェアハウスみたいに自分のことは自分でやるんです。一人でもごはんを作ったり掃除したりしますよね。」
-津崎平匡「でもそれだと共通スペースをどちらも掃除しない可能性が…」
-森山みくり「じゃあ家事の全部、私がやります。でもそれはボランティアです。」
-津崎平匡「ボランティア?」
-森山みくり「あくまでボランティアなので、私が自分でああ今日はもうごはん作りたくないと思ったら作らないし、今日は掃除したくないと思ったら掃除しません。ボランティアだからごはんないんですかとか言わないでほしいし、部屋が汚いですとか言わないでほしい。だってボランティアだから。仕事じゃないから。」
-津崎平匡「…。みくりさん、話の方向性が…。」
-森山みくり「…。やめるなら、今です。平匡さんだって面倒ですよね、こんな生活。私と暮らす前みたいに外部の家事代行業者に週一度頼む程度のお給料ならあるはずです。一人なら。主婦の労働の対価がどうとか小賢しいこと言わないで、平匡さんのプロポーズを素直に喜んでくれる女性はたくさんいます。それが、普通です。面倒を背負う必要はありません。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第11話(最終話) - 森山みくり

家事分担から一週間経っての平匡とみくりの経堂経営責任者会議。
いろいろとうまくいかない、二人の会話です。

だとしたら僕は、開け方を知っている

「みくりさんが閉じたシャッターは、いつか僕が閉じたものと同じかもしれない。だとしたら僕は、開け方を知っている。何度も何度も呆れるほど、見捨てずにノックしてくれたのは、他の誰でもない、みくりさんだ。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第11話(最終話) - 津崎平匡

ひとつ前の喧嘩の後、席を立ちお風呂場に籠ってしまったみくり。
みくりを迎えにいくため、お風呂のドアをノックしに行った平匡のモノローグです。

どっちにしても面倒くさいんだったら一緒にいるのも手じゃないでしょうか

-津崎平匡「面倒を避けて避けて、極限まで避け続けたら、歩くのも食べるのも面倒になって、息をするのも面倒になって、限りなく死に近づくんじゃないでしょうか。」
-森山みくり「…はい?」
-津崎平匡「生きていくのって、面倒くさいんです。それは一人でも二人でも同じで、それぞれ別の面倒くささがあって、どっちにしても面倒くさいんだったら、一緒にいるのも手じゃないでしょうか。話し合ったり、無理な時は時間を置いたり、騙し騙しでもなんとかやっていけないでしょうか。やってやれないことはないんじゃないでしょうか。みくりさんは自分のことを普通じゃないと言ったけど、僕からしたら、今さらです。とっくに知ってました。たいしたことじゃありません。世間の常識からすれば、僕たちは最初から普通じゃなかった。今さらですよ。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第11話(最終話) - 津崎平匡

お風呂場に引きこもってしまったみくりに、ドア越しに平匡がかけた言葉です。

見失っちゃいけない。立て直そう。ひとつひとつ

「うまくいかない時、待っていてくれる人。信じてくれる人。見失っちゃいけない。立て直そう。ひとつひとつ。立て直そう。ゆっくりでも。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第11話(最終話) - 森山みくり

ひとつ前の言葉を平匡からかけられた後、お風呂場で静かに涙を流し、前を向いたみくりのモノローグです。

小賢しいなんて思ったこと一度もありません

-森山みくり「発見はありました。派遣社員だった時、よく上司にあれこれ提案してたんです。こうした方が効率的とか、なぜこうしないんですかとか。でも向こうはそんなの求めてなくて、うざがられて切られるっていう。私の小賢しさはどこに行っても嫌われるんだなと思ってたけど、青空市の仕事ではむしろ喜んでもらえて。小賢しいから出来る仕事もあるのかもしれません。」
-津崎平匡「小賢しいって、何ですか?言葉の意味はわかるんです。小賢しいって相手を下に見て言う言葉でしょ?僕はみくりさんを下に見たことはないし、小賢しいなんて思ったこと一度もありません。」
-森山みくり「(平匡に抱き着いて)…ありがとう。」
-津崎平匡「なんの"ありがとう"で…?」
-森山みくり「大好き。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第11話(最終話) - 津崎平匡

無事に大盛況の青空市を眺めながらの二人の会話です。
みくりが自分にかけていた呪いから平匡によって解放された瞬間でした。


時に泣いても、笑っていけますように

「私たちを縛るすべてのものから、目に見えない小さな痛みから、いつの日か解き放たれて、時に泣いても、笑っていけますように。」

「逃げるは恥だが役に立つ」第11話(最終話) - 森山みくり

この物語のメッセージが詰まった、みくりのモノローグです。


ガンバレ人類!新春スペシャル!!

私が一人で勉強して平匡さんに指図しないといけないの?

-津崎平匡「みくりさん。」
-森山みくり「はい。」
-津崎平匡「子どもが生まれるにあたって、僕は全力でみくりさんをサポートします。なんでも遠慮なく言ってください。」
-森山みくり「…違う!サポートって何?」
-津崎平匡「みくりさんのお手伝いを…」
-森山みくり「手伝いなの?一緒に親になるんじゃなくて?私だって子ども産むの初めてで何にも…どうなるかわかんなくて不安なんです。それなのに私が一人で勉強して平匡さんに指図しないといけないの?一緒に勉強して一緒に親になって、夫婦ってそういうことじゃないんですか?」

「逃げるは恥だが役に立つ」スペシャル - 森山みくり

みくりの妊娠が判明し、あらためて入籍した二人。
親になるにあたり頑張らなくてはと気合を入れたが空回りしてしまった平匡とみくりの会話です。

好きって言ってくれてありがとう

-花村伊吹「この前最後に言ったこと、どう思ったかなって。」
-土屋百合「愛情か友情かどっちかなって思ったけど、どっちの意味でも嬉しいなって思ったよ。一人で参ってる時、一筋の光みたいだった。好きって言ってくれてありがとう。」

「逃げるは恥だが役に立つ」スペシャル - 土屋百合

久しぶりに再会した高校時代の花村から、高校時代に好きだったと想いを打ち明けられた百合。
戸惑いつつ別れた後、百合の病気が発覚し、花村に付き添ってもらった帰り道の二人の会話です。


仕事を休めないっていうこと自体が異常ですよね

「そもそもなんですけど、仕事を休めないっていうこと自体が異常ですよね?」

「逃げるは恥だが役に立つ」スペシャル - 津崎平匡/森山みくり

みくりの出産にあたり平匡が一ヶ月の休暇を取得しようとすると、職場の上司は猛反発。
一週間も休めれば良いほうだとされる社会に対して、異議を唱えた平匡とみくりの言葉です。


私の子宮は使わないままなくなっちゃうけど

-土屋百合「みくりがいてよかった。私の子宮は使わないままなくなっちゃうけど、娘みたいにかわいい姪っ子がいるんだもん。」
-森山みくり「孫も出来るよ。」
-土屋百合「ああほんとだ。」

「逃げるは恥だが役に立つ」スペシャル - 土屋百合

ステージ2の癌が発覚し、手術を受けることになった百合。
つわりのおさまったみくりとハグをしながら交わした会話です。
この時みくりは初めて胎動を感じ、感動した百合は、涙を流しながら「待ってるね」と優しく赤ちゃんに話しかけました。

僕は父を尊敬していますが、僕と父は別の人間で

-津崎平匡「でも年をとって随分丸くなりました。亭主関白を顔に書いたような人だったから。」
-森山みくり「平匡さんとかなり違いますね。」
-津崎平匡「僕はあんな風に出来ないから家庭は持てないってずっと思ってました。だけどみくりさんと出会って、そうする必要はないって気付けたんです。僕は父を尊敬していますが、僕と父は別の人間で、選んだパートナーも違う。僕は僕の思う理想の父親になればいい。そうですよね。」

「逃げるは恥だが役に立つ」スペシャル - 津崎平匡

父親と久しぶりに会った日の夜の、平匡の言葉です。


誰が休んでも仕事がまわる、帰って来られる環境を普段からつくっておくこと

-沼田頼綱「ねえ、灰原さんはなんで怒ってんの?」
-灰原慎之介「いや怒ってないですよ。」
-沼田頼綱「じゃあモヤモヤしてる?モヤリティ?」
-灰原慎之介「まあ…」
-沼田頼綱「そのモヤリティの原因は?①長く休みを取るから?②男が育休を取るから?」
-灰原慎之介「③男が長く育休をとるから。」
-沼田頼綱「それさ、育休だから嫌なの?他の理由だったら?」
-灰原慎之介「他?」
-沼田頼綱「例えばね、突然の事故、家族の病気介護、自分自身の体調が崩れる場合もあるよね。育休でも他の理由でも同じ。いつ誰が長い休みを取るかなんてわからない。働いてるのは人間なんだから。そういうことでしょ?その時何が大事かって言ったら、誰が休んでも仕事がまわる、帰って来られる環境を普段からつくっておくこと。それが職場におけるリスク管理。」
-日野秀司「リスク管理って誰の仕事?」
-風見涼太「プロジェクトリーダーじゃないですか?」
-日野秀司「灰原さんか。」
-沼田頼綱「日野くん、灰原さんはね、それが出来ると見込まれてるからプロジェクトリーダーなのだよ。だよね?」
-灰原慎之介「…もちろんです。」
-沼田頼綱「さあ、この話は解決。会議を始めましょう。」

「逃げるは恥だが役に立つ」スペシャル - 沼田頼綱

育休の取得に相変わらず反対する平匡の職場のプロジェクトリーダー・灰原。
プロジェクトの取引先として共に仕事をすることになった沼田、日野、風見が来社しての打ち合わせの場で、沼田がそんな灰原に言った言葉です。


男らしくあらねば。それもまた呪いかもね。

-森山みくり「確かに。人に話をして共感してもらうのって大事かも。心理学的には共感って二つの側面があって、相手の感情を理解するっていう認知の面と、自分も同じように感じるっていう感情面があるんだよね。」
-土屋百合「それ職場でもそうよ。部下の話を理解して共感してあげることも大事。でもそれってね、男の子の方が難しいの。女同士ってわりとすぐ愚痴ったりするけど、男はね、一人で溜め込んでパンクする子も多い。男らしくあらねば。それもまた呪いかもね。」

「逃げるは恥だが役に立つ」スペシャル - 土屋百合

百合とみくり、お茶をしながらの会話です。
父親になるプレッシャーや育休取得前の仕事の整理などでパンク寸前の平匡を重ねながら、みくりは百合の言葉を聞いていました。


辛かった

-森山みくり「ようやくつわりがおさまってきたから、思い切って家政婦さんにお願いして一緒に掃除しました。お正月で特別料金かかったけど、いいですよね?この先考えると贅沢出来ないけど、産んでからもまたどうしようもなくなることあると思うんです。そういう時は、周りの手も借りてやっていきませんか?」
-津崎平匡「(背を向けて泣き出す) …。」
-森山みくり「平匡さん…平匡さん…。(ハグをして)…辛かったですね。」
-津崎平匡「…辛かったのかな?」
-森山みくり「辛いにきまってますよ。家事を一人で引き受けて、仕事にも追われて。」
-津崎平匡「だけど、女性の方が…。みくりさんの方が辛いんだし…。」
-森山みくり「私は辛いってたくさん言ってます。平匡さんも、辛い時は辛いって言ってください。男だって女だって、辛い時は辛いですよね。」
-津崎平匡「…辛い。辛かった。」
(涙を流す平匡と、ハグをしながら平匡の背中をそっとさするみくり。)
-津崎平匡「…みくりさんは?今は?」
-森山みくり「私は今は辛くないです。」
-津崎平匡「じゃあ、今までの辛かった分。(みくりの背中をさする)」
-森山みくり「…ありがとう。」

「逃げるは恥だが役に立つ」スペシャル - 森山みくり

つわりで苦しむみくり。パンク寸前の平匡。荒れていく部屋。
家事代行を頼み綺麗に整った部屋で「おかえり」と平匡を迎え入れたみくり。
二人の会話です。


生きていく中で性別が変わる場合もありますしね

-津崎平匡「名前どうしましょう。」
-森山みくり「男でも女でも通用する名前にしては?」
-津崎平匡「なるほど。生きていく中で性別が変わる場合もありますしね。」

「逃げるは恥だが役に立つ」スペシャル - 津崎平匡

産まれてくる子供の名前について話し合う二人の、フラットな考え方が垣間見える会話です。

無計画じゃないか!

-森山みくり「聞こえました?パチンって。破水したみたい!」
-津崎平匡「計画では明日では?」
-森山みくり「計画前に破水したんです!」
-津崎平匡「無計画じゃないか!!」

「逃げるは恥だが役に立つ」スペシャル - 津崎平匡

計画分娩の前日、突然破水したみくりと大慌ての平匡。
思わず笑ってしまったドタバタのシーンでした。

生きていれば、また会える。

-森山みくり「必ず、元気で。」
-津崎平匡「はい。みくりさんも、亜江も。」
-森山みくり「会えます。必ず。」
-津崎平匡「うん。必ず。」
-森山みくりモノローグ「必ず。」
-津崎平匡モノローグ「必ず。」
-みくり・平匡モノローグ「生きていれば、また会える。」

「逃げるは恥だが役に立つ」スペシャル - 津崎平匡/森山みくり

コロナ禍で緊急事態が宣言され、館山の実家に娘の亜江をつれて帰省しているみくりの元へ、東京に残り一人で暮らす平匡がパソコンを届けにやってきた日。
感染リスクを鑑みて直接会わずにパソコンだけを置いていった平匡と、それを知り慌てて追いかけたみくり。
遠く離れた向こう側の道路にいる東京へ帰る途中の平匡と、こちら側の橋にいるみくり。
大きく手を振って、涙を流しながら電話で交わした、二人の会話です。


近くて遠いお隣さんとして

「一人一人、どこかで生まれた私たちが、他愛のない話をする。心の中の孤独はきっと誰もが持っていて、いつまでも消えないのかもしれない。だけど、いつか再び会えた時、少しだけ優しくなって、元気で、助け合えればいい。それぞれの小さな宇宙を抱えて、近くて遠いお隣さんとして、生きていければいい。そうすれば、いつかきっと。」

「逃げるは恥だが役に立つ」スペシャル - 森山みくり

コロナ禍でリモート開催した沼田会で集まったいつもの仲間たち。
それぞれの場所から、他愛のない話をする。
みくりのモノローグです。
しばらくして、コロナが落ち着き、東京の家へと戻って来たみくりと亜江。
「おかえり」「ただいま」
ハグをして、家族三人、一緒に暮らす生活が、待ち望んでいた日常が、始まりました。




以上、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の名台詞集でした。

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