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ドラマ【海に眠るダイヤモンド】名台詞集
2024年10月期 TBS日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」より、心に残った台詞をまとめました。
*鑑賞時に書き起こした台詞を記録しているため、表記や文言は脚本と異なる場合があります。恐れ入りますがご了承いただけますようお願いいたします。
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●名台詞集
私たちあの戦争生き延びたとよ
「あんたに何があってどこから逃げて来たのか知らんけどさ、私たち、あの戦争生き延びたとよ。そう簡単には死ねんさ。明日から頑張って。」
書類を偽装し何かから逃れるように端島にやってきたリナ。
リナを受け入れた町子が、詫びるリナに対してかけた言葉です。
人生で本気で逆らってみたことはある?
「逆らってみたら?あなた人生で、本気で逆らってみたことはある?」
ホストとして働く玲央が客に逃げられ借金を背負いながらも店やルールに対して逆らえないと言った時、いづみがかけた言葉です。
根っこがちぎれた海藻みたいに漂って
-鉄平「どこ行くの?町子さんから聞いたよ。行くとこないんでしょ?」
-リナ「いっつもそう。やっと見つけたって思っても、上手くいかなくて。一人で、根っこがちぎれた海藻みたいに漂って、流されて、点々と。そういう人生。良くしてくれてありがとう。私まで同級生みたいに、ほんの少し思えて、楽しかった。さよなら。」
逃げるようにやっと流れ着いた端島でも、勤め先で客とトラブルを起こし、端島を去ることを決めたリナ。
引き留めるようにやってきた鉄平に対して、悲しげに笑いながらリナが言った言葉です。
誰かに踏みつけられるためじゃない
「悔しくないか?俺は、悔しい。悔しかった。父ちゃんも兄ちゃんも、毎日真っ黒になって炭を掘ってる。海の、海の底より下の、地底の底の底で。だけどそれは、誰かに踏みつけられるためじゃない。この端島で、リナさんがあんな風に踏みつけられて、俺は悔しかった。リナさん、人生、変えたくないか?ここから、変えたくないか?」
諦めたように端島を去ろうとするリナを引き留めて、鉄平が言った言葉です。
学生時代、端島出身であることを周囲に馬鹿にされる経験をした鉄平は、それでも自分が生まれ育った故郷・端島のために働きたいという想いで、端島で就職し、働き始めたところでした。
女優じゃなくともおらんでもよかよ
百合子「子どもは嫌いよ。女優になろうかな。女優なら子どもがいなくてもいい。」
大森「女優じゃなくともおらんでもよかよ。」
映画館で働いている百合子と館長の大森の会話です。
どこにでも行けるはずだった
「ここはさ、端島みたいな島じゃないからさ、水道も通ってるし、道も繋がってるし、どこにでも行けるはずだった。でも、なんで同じとこぐるぐるしてんだろう。」
玲央が電話でいづみと話をしていた際にこぼした言葉です。
浦上の上にだってピカは落ちた
「そないしても台風はやまんよ。祈ったって誰も助けてくれんよお母さん。ねえ、神様はいないの。浦上の上にだって…浦上の上にだってピカは落ちたんだよ!」
巨大な台風が近づく中、十字架に向けた祈りを止めない母・寿美子に、百合子が叫んだ言葉です。
百合子は耐えられず、十字架を窓の外へと投げつけました。
死んだ人間は想ってもらえる
「エイコさんが羨ましいな。死んだ人間は想ってもらえる。綺麗なまま。」
台風の夜、家を飛び出した百合子と、百合子見つけ出し寄り添った鉄平との会話の中での百合子の言葉です。
私のことを好きな人となんていい加減な気持ちで付き合えないもん
鉄平「俺、大学の時ずっと、百合子が好きだったよ。やさぐれてる百合子が。だから、消えたら困る。」
百合子「知ってた。ばればれよ。わかりやすいんよ。だから賢将を選んだの。私のことを好きな人となんて、いい加減な気持ちで付き合えないもん。」
鉄平「それって…」
百合子「でも嬉しい。今消えたかったから。」
鉄平「百合子は、百合子が思ってるよりずっと、みんな大切に想ってるよ。
」
端島を巨大台風が襲った夜の、鉄平と百合子の会話です。
この浄水器の水の方が何倍も美味しいわよ
玲央「ねえ端島でさ、ようやく飲めた水ってさ、美味しかったんだろうね。」
いづみ「ちっとも。この浄水器の水の方が何倍も美味しいわよ。消毒臭い真水を我慢して飲んでたんだよ。」
玲央「ふーん。」
いづみ「そんなもんさ。」
玲央を家で世話してやるいづみ。
浄水器の水を飲みながらの二人の会話です。
知らないだけよ
「知らないだけよ。ずっと続いてきた時間があるの。」
レオが「先祖とか俺知らないし」と言った時、鉄平がかつてつけていた日記を私ながら、いづみが言った言葉です。
私たちはそれを止めんかった
「そりゃあ吉平は、あの子は、自分で決めて入隊して死んだとよ。私たちはそれを止めんかった。それは私たちが背負うものなんじゃなかとね。」
息子の吉平を戦争でなくした一平・ハル。
ハルが一平に向かって言った言葉です。
何が残った?
「"進め一億火の玉だ。" "欲しがりません勝つまでは。" "喜べ兄さんも兵隊だ。" お国の偉い人たちがいつの間にか始めた戦争は、勇ましい言葉とともに国中へ染み込んでいった。日本は、戦争に負けた。人を殺して、殺されて、たくさんの国に恨まれて、何が残った?」
戦争について色濃く描かれた第4話での、鉄平のモノローグです。
爆弾を落とした人たちも同じ神を信じてた
-百合子「父も母も信徒の人たちもみんな、浦上は選ばれたって言うの。爆弾は小倉に落とすはずで、視界が悪かったから長崎に、浦上になった。それは神が聖なる地を選んだからで、苦難は信徒に与えられた試練。そんなの変よ。傲慢だわ。七万人が死んだのよ。キリスト教徒はその中の八千五百人。他の人たちはおまけ?爆弾を落とした人たちも、同じ神を信じてた。神の御加護を。そう言って出撃したって。私見たわ。呻きながら歩く人たち。あの中に私もいた。私もそうなる。いつか。」
-和尚「そうはならんよ。もう戦争は終わったとよ。」
-百合子「終わってない。被爆した人には終わってない。神は何もしてくれない。どうして?」
-和尚「神も仏もね、何もしないとよ。何かするとはみんな人間の業。人を生かすも殺すも人間のすることよ。」
-百合子「私は誰も殺してない。お母さんだって、お姉ちゃんだって、あの死んでいった赤ん坊が、誰かを殺した?」
-和尚「ごめんね。私たちが、私たち大人たちが苦しみばつくりだしてしまったとよ。子供たちに大きな禍根ば残してしまった。これはね、全部私たちの罪よ。」
戦争で被爆し、姉を亡くし、病に苦しんだ母をついに亡くした百合子。
百合子が和尚と話していた時の会話です。
せっかく元気ですぐそばにおるとやけん
「だからさ、見守ってやったらどげんね。せっかく元気ですぐそばにおるとやけん。ね。」
息子の吉平は、自分もよろこんで戦争に送り出し、戦争で亡くした。
だから息子の鉄平は、大学に行かせた。
自分の子育てやこれまでは何か間違えていたかと、うまくいかず嘆く一平に、和尚がかけた言葉です。
奇跡だよ
-百合子「お母さん、最後に言ったわ。神は見てくれている。無責任なこと言って。」
-賢将「(台風の日に偶然拾った百合子の母のペンダントを差し出す)」
-百合子「…どこで?」
-賢将「台風の日。あの中で。奇跡だよ。」
台風の日、母親と口論になり、百合子が外に投げ出したペンダント。
奇跡的にあの日見つけて拾っていた賢将が言った言葉です。
あなたに許されたい
「たくさんの意地悪を言ったわ、これまで。ごめんなさい。気味が悪いでしょうけど、心から謝りたいの。あなたに許されたい。あなたが許してくれなくても、私は、許すわ。」
ある出来事をきっかけに、ぎくしゃくしてしまった百合子と朝子の関係。
盆踊りの日に朝子の浴衣を着つけてやりながら、百合子が言った言葉です。
奇跡は人が起こす
-百合子「失くしてたのが見つかったの。奇跡的に。」
-朝子「神の奇跡?」
-百合子「奇跡は、人が起こす。」
朝子の浴衣を着付けながら、百合子がしているペンダントについての二人の会話です。
ペンダントは、台風の中で賢将が奇跡的に見つけて拾ってくれたものでした。
今度こそ間違えないように
「死んだ者たちは還らない。過去の過ちは消えない。私たちは祈る。今度こそ間違えないように。悲しみを繰り返さないように。強く、いられるように。願いを込めて、祈る。」
第4話ラストの鉄平のモノローグです。
いつだって来ていいんだぞ。待ってるぞ
「おい!賢将!うちのカレーいつ食いに来るんだよ。なんだお前ら、知らなかったのか?あいつはな、うちの家族なんだよ。俺の自慢の息子、みてえなもんだ。いつだって来ていいんだぞ。待ってるぞ。」
島民から疎まれ、父親のようにもなれず、孤独感ばかりが募る賢将。
野次られながら一人で歩く賢将に向かって、島民の前で、彼らが聞こえるように、あたたかい父親のような笑顔で一平がかけた言葉です。
自分の意見が言えないなら会議に出なくてよろしい
-いづみ「和馬もそう思うの?」
-和馬「どちらにも利があると…」
-いづみ「自分の意見が言えないなら、会議に出なくてよろしい。」
会議で意見が割れた際にどちらにもつかない発言をした和馬にいづみが言った言葉です。
今の幸せの下にはたくさんの犠牲がある
「罪悪感もあるよ。今の幸せの下には、たくさんの犠牲がある。海の下にある石炭。石炭って植物の死骸だって言うでしょ?植物の死骸に、私たちは生かされてる。そんな風に。」
進平との結婚が決まり、今が一番幸せだと話すリナが、朝子と百合子と三人での会話の中で言った言葉です。
これからも付き合ってよ、俺の人生
-百合子「待って…。私カトリック。」
-賢将「そうだね。」
-百合子「離婚出来ない。」
-賢将「うん。」
-百合子「私は…、私はだって…」
-賢将「わかってる。百合子はそのこと気にして、今まで生きてきとる。父さんにも話した。」
-百合子「え…?」
-賢将「二人がいいなら、いいんじゃないかって。これからも付き合ってよ、俺の人生。俺も、百合子の人生に付き合うから。」
-百合子「私の人生、手強いわよ。」
-賢将「俺はタフだよ。百合子がいれば。」
-百合子「私がいなきゃダメじゃない。」
-賢将「そうだよ。」
百合子にプロポーズをした賢将の言葉です。
お互いの人生に付き合う。
共に生きて行くことを決めた二人の、とても素敵なシーンでした。
朝子と一緒に、いつまでも、いつでも端島にいる
-朝子「結婚せろってうるさくて。親がね。だけど結婚なんてしとうなか。」
-鉄平「しとうなかと?」
-朝子「…。」
-鉄平「まあ…朝子の自由なんだけど、それは。でも…そうなの?」
-朝子「…。」
-鉄平「あのさ…。俺…、あの…」
(お互いに吹き出してしまい笑い合う二人)
-鉄平「朝子が好きだ。好き。いや、急に結婚とか朝子の気持ちももちろんあるし、俺はその、気が長い。朝子と一緒に、いつまでも、いつでも端島にいるし、だから、ゆっくり長い目で、見て欲しい。」
-朝子「わかった。」
-鉄平「ほんとに?」
-朝子「うん。」
-鉄平「ほんとに?ほんとに?ほんと?いやもう告白する前にフラれるかと思った。」
-朝子「鉄平?」
-鉄平「はい。」
-朝子「私、お婿さんになる人と秋桜植えたいけん。(秋桜の種を渡して) 持っていて。」
-鉄平「はい。」
-鉄平「朝子?あの、どういう意味?」
-朝子「このふうけもんが。」
ついに想いが通じ合った二人。
鉄平が朝子に告白した時の二人の会話です。
秋桜の花言葉には「乙女の真心」「幼い恋心」などがありますが、一方で「恋の終わり」「恋の思い出」などもあります。
現在のいづみが持つ鉄平が残したノートには、植えられることのなかったこの秋桜の種が残されていました。
こん年になってまだこがん幸せがあるってねえ
「お父さん。私たち、たくさん失くしたばってん、こん年になってまだこがん幸せがあるってねえ。長生きするもんたいね。」
孫が一歳になり、次は七五三かと家族で話す中、幸せのあまり涙を流したハルが言った言葉です。
俺たち炭鉱夫が死ぬ思いで掘ってきた血が通った道なんだよ
-一平「どうするつもりだ。まさか、諦めるんじゃねえよな?なあ、中でまだうちのせがれが頑張ってんだよ。」
-辰雄「壁は壊れました。」
-一平「また作りゃいい。」
-辰雄「負傷者が十五人も出てるんです。」
-一平「俺たちはいつだって覚悟して仕事してんだよ。簡単に諦めてたまるか。」
-辰雄「こっちだって簡単な決断なんかじゃない。ここの全て諦めると言うことがどれだけの損害か、」
-一平「金の話じゃねえよ!あの道は、海の下のあの道は、俺たち炭鉱夫が死ぬ思いで掘ってきた血が通った道なんだよ。上の連中は自分で掘ってねえからわかんねえんだよ!」
-辰雄「会社は、会社はまだ楽観的に見てる。それがどんな結果を引き起こすか!」
-一平「てめえ…島守る気ねえのか?」
-辰雄「守りたいんです。守りたいんですよ!島も!命も!失いたくないんです誰一人。」
坑内で火災が発生し、懸命に対処するも鎮火せず、消化は不可能と判断し、深部区域の水没放棄を決断した辰雄。
その決断をした辰雄と一平の会話です。
上からの命令じゃない。私の決断です。
「これから先は、上からの命令じゃない。私の決断です。」
深部区域の水没放棄、つまりは端島の"終わり"を、自ら決断した辰雄の言葉です。
黙って聞け!
「てめえら、黙れ!黙って聞け!」
辰雄の決断を知りざわつく鉱員たちに向かって、一平が叫んだ言葉です。
一平は、辰雄の決断の想いを静かに受け止めていました。
本当の財産は、ここで生きている、働いている皆さんです
「端島は炭鉱の島です。石炭は我々の財産、生きる糧でした。しかし、本当の財産は、ここで生きている、働いている皆さんです。もう石炭が取れなくても、端島が終わっても、命には代えられない。これ以上甚大な事故を起こすわけにはいかない。この三日間の皆さんの働き、そして、この島で働くすべての人に、敬意を表します。ありがとう。皆さんが生きている限り、この島の灯は、消えません。」
深部区域の水没放棄を決断し、島全体にアナウンスでそれを伝えた辰雄の言葉です。
端島が終わる。
手放して、財産を守る。
決して簡単ではない決断でした。
ポンプ止めて来た
「父ちゃん…ポンプ止めて来た…」
水没放棄の決断が下され、ポンプを止める作業をその手で行った鉄平。
呆然として地上に戻り、父・一平の姿を見つけた鉄平が、呆然としながら、震えながら、父親に縋るようにしながら言った言葉です。
このシーンの神木さんの演技が本当に素晴らしかったです。
俺が簡単に間違ってるって言っていいのか
-鉄平「俺は弱くなったのかな。間違ってることを、それはおかしいって昔は言えてた。それが、だんだん言えないことが増えていって。兄貴は、兄貴は正しくないことをした。だけどきっと、その時の一番だと思えることをした。命懸けで。そんな兄貴を、俺が簡単に間違ってるって言っていいのか。」
-和尚「鉄平。人はそれぞれ全宇宙の中でたった一人の自分として生まれます。あなたはあなたの道を行けばよか。」
兄・進平のことを話す鉄平と和尚の会話です。
あなたが生きててまた会えてよかった
「澤田。あなたに罪なんてない。進平兄ちゃんと、リナさんと、誠。あなたたちがいたから、この家族に会えた。あなたが、生きてて、また会えて、よかった。」
自分が進平の息子・荒木誠であることを明かした澤田。
自分たちの家族の罪を懺悔する澤田の手を取り、いづみがかけた言葉です。
朝子に言えないことを増やすのは可哀想だ
-鉄平「お前、百合子に俺のこと言ってないだろうな。」
-賢将「言うか。朝子に言えないことを増やすのは可哀想だ。」
つかの間の再会を果たした鉄平と賢将、
朝子に会わず隠れ続けようとする鉄平を説得しようとする賢将、二人の会話の中での台詞です。
外勤だからな
-賢将「妙なところに気が回る。」
-鉄平「外勤だからな。」
賢将と鉄平、これが最後となってしまった踏切前での再会の際の会話です。
てっけん団なんだから
-鉄平「賢将!百合子とこどもたち、大切にしろよ!元気でな。」
-賢将「…鉄平!」
-鉄平「泣くなよ!俺まで泣きたくなるだろ。」
-賢将「仕方ないだろう!てっけん団なんだから!」
-鉄平「いつの話してんだよ。」
-賢将「解散はしないからな!」
最後に二人が別れた時、踏切越しに笑いながら泣きながら叫ぶように交わした鉄平と賢将の会話です。
すべてを抱えて一生懸命生きて行く
-朝子「正直なところ、外で暮らす想像がつかんです。子どもたち大丈夫やろか。」
-和尚「子どもたちはすぐ慣れるよ。」
-朝子「忘れるとやろね。端島のこと。」
-和尚「前後祭壇って言うとよ。ほら、過去には生きられんやろ。未来にも生きることは出来んたいね。だから、今に最善を尽くす。」
-朝子「過去に意味はなかってこと?」
-和尚「意味のなかことはひとつもありませんよ。良かことも悪かことも、すべてね。すべてを抱えて、一生懸命生きて行く。それが人間たい。」
端島の閉山が決まり、東京で暮らすことになった朝子が、和尚と交わした会話です。
全部置いてきた
-百合子「長くて、あっという間だった。お別れ出来た?」
-朝子「(頷いて) 全部置いてきた。」
船に乗り込み端島を後にする島民たち。
遠くなる端島を眺めながら、百合子と朝子が交わした会話です。
なれの果て。なんてことないじゃない。
-朝子「今思うとおかしい。あんな小さな島なのに五千人が暮らしてたなんて。」
-玲央「行きたかったな。あ、その、今のじゃなくて昔のね。昔の、生きてた頃の端島。」
-朝子「今は…死骸みたいなもんね。」
-玲央「いや…」
-朝子「…そうだ。死骸。石炭。石炭だと思えばいい。五十年前の残骸。なれの果て。なんてことないじゃない。フェリーに乗れば良かった。たいしたことないじゃない。私ったらもう。」
端島へ行こうとやってきたものの、怖気づいてしまいフェリーに乗ることが出来なかったいづみ。
端島を眺めながら交わした玲央といづみの会話です。
笑いながらこの台詞を言ったいづみは、この後玲央と端島に上陸しました。
どうかした?元気ないね
-いづみ「玲央に初めて会った時、子どもたちと喧嘩して家出して、そしたら鉄平に似てるあなたが、」
-玲央「似てないよ。」
-いづみ「そう見えたの。すべてが虚しく見えるのは、きっと年を取り過ぎたせい。玲央は私が青春を過ごしていた頃とそう変わらない年のはずなのに。ただ、声をかけたかったのかも。"どうかした?元気ないね" って。外勤さんみたいに。」
-玲央「…そっか。俺は、鉄平に声をかけられたってことか。」
端島の映像を録画したビデオを二人で見た玲央といづみ。
そこに映っていた鉄平は、玲央には全然似ていなくて。
笑いながら二人が交わした会話です。
誰もいなくなったけど、あるわ。ここに。
「誰もいなくなったけど、あるわ。ここに。私の中に、みんな眠ってる。」
鉄平が最後に過ごした場所を訪れると、そこには、端島が見える庭いっぱいにコスモスが咲いていた。
その光景を見たいづみが、そっと胸をおさえながら、言った言葉です。
気張って生きたわよ
-朝子「私の人生、どがんでしたかね。」
-いづみ「朝子はね、気張って生きたわよ。」
いづみが見た、あったかもしれない端島の風景。
向き合った当時の朝子と現在のいづみが交わした会話です。
いる意味なんて、誰にでもあるし、誰にだってないのよ
-いづみ「ねえ。玲央はどうしてツアーガイドを選んだの?」
-玲央「うーん。知らない場所がいっぱいあってさ、人に説明出来るようになったら、俺がいる意味、が、ある気がして。」
-いづみ「いる意味なんて、誰にでもあるし、誰にだってないのよ。」
2024年、ツアーガイドを目指して勉強している玲央と再会したいづみが、カフェで交わした会話です。
誰も他人に思えなくてさ
-玲央「知らない土地にいったらさ、考えるんだよ。もしかしたらここにも鉄平が来てたのかもしれないって。そしたら誰も他人に思えなくてさ。もしかしたら、鉄平が声をかけた人かもしれないし、その子どもかもしれないし、孫かもしれないって。」
-いづみ「誰もいなくなっても、玲央が覚えててくれるのね。」
カフェでの会話の続きです。
見えなくても、そこにある
「見たはずのない景色を夢に見る。広大な海原。海に浮かぶいくつもの島。何千万年もの昔に芽生えた命が、海の底で宝石へと変わる。見えなくても、そこにある。ダイヤモンドのように。」
ラストシーン最後のモノローグです。
以上、ドラマ「海に眠るダイヤモンド」の名台詞集でした。