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ドラマ【新宿野戦病院】名台詞集

2024年7月期 フジテレビ水曜ドラマ「新宿野戦病院」より、心に残った台詞をまとめました。

*鑑賞時に書き起こした台詞を記録しているため、表記や文言は脚本と異なる場合があります。恐れ入りますがご了承いただけますようお願いいたします。


●作品情報

公式サイト


●名台詞集

第1話

この社会は平等ですか?

-高峰享「なんでこんなことしてんすか?ああいや、否定的な意味じゃなくて。すげえなと思って。だって綺麗事じゃ済まないじゃないっすか。あいつら平気で裏切るし、踏み倒すし、開き直るし、逃げるし。虚しくねえのかなって。」
-南舞「高峰さんにとって、この社会は平等ですか?」
-高峰享「え?」
-南舞「だとしたら虚しいでしょうね。なんで自分だけって思うでしょうね。でも私にとってこの世界は平等じゃないから、虚しくないんです。」

「新宿野戦病院」第1話 - 南舞

舞が働く「NOT ALONE」というNPO法人を訪ねた高峰と舞の会話です。
この社会は平等か。
第1話では「平等」がひとつのキーワードになっていました。
今後のストーリーにも効いてきそうな会話です。


みんなちょっとずつ嫌な気持ちになったでしょ

「ね。みんなちょっとずつ嫌な気持ちになったでしょ。それがアメリカ。それが資本主義。ああやだやだ。」

「新宿野戦病院」第1話 - 堀井しのぶ

アメリカの医療制度について話していた時の、堀井の言葉です。
キーワードと思われる「平等」にも関わる台詞です。


俺たちが決めるなんて傲慢なんじゃないかな

「堀井さんの気持ち次第だと思う。男か女か。そりゃ堀井さんが決めることで俺たちが決めるなんて傲慢なんじゃないかな。」

「新宿野戦病院」第1話 - 横山勝幸

堀井さんが男性なのか女性なのか、性別や口調で判断出来ず推測し合う中で、横山が言った言葉です。

その人がどういう人か、他の人にはわからない。
わかったふりをしても意味がない。

性別不明な堀井、実は反社だったカジ、犯罪者かと誤解された外国人、守るべきとされる人々。
わかったふりや決めつけというのも、物語のテーマかもしれません。


やるかやらないかは患者の状態が決めること

「患者次第ですよ。こんなに苦しんでる人を前にして、外科とか内科とか言ってらんないよ。やるかやらないかは患者の状態が決めることで、医者が決めるなんて傲慢でしょ。」

「新宿野戦病院」第1話 - 横山勝幸

運び込まれた急患の前で慌てふためく聖まごころ病院、その中で横山が腹を括り叫んだ言葉です。
ひとつ前の堀井の件にも通じる横山の考え方です。
そして、このドラマ、意外とちゃんと医療ドラマになるかもしれません。

命が平等じゃからじゃ

-ヨウコ「なぜ軍医になったかって?命が平等じゃからじゃ。」
-高峰享「アメリカは違うんでしょ?」
-ヨウコ「だけど戦地では平等。金持ちじゃからってミサイル避けてくれんなあ。男も女も善人も悪人も、不細工もイケメンもみんな平等に危ねえ。」

「新宿野戦病院」第1話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

軍医になった理由を高峰に聞かれたヨウコの言葉です。
ヨウコのこの考えが、今後もこの物語を動かしていきそうですね。

平等に雑に助ける。それが医者。

-高峰享「虚しくないっすか?」
-ヨウコ「虚しい?」
-高峰享「せっかく助けたのに国に送り還されるんすよね。不謹慎だけど、うちらが助けても助けなくても、三次救急にまわして治療を受けても、どっちみち死ぬ運命だったら…。」
-ヨウコ「それ、医者が考えることじゃねえ。遅かれ早かれ死ぬのが人間。だからこそ、目の前にある命は平等に助ける。うちの命、お前の命、貧乏の命、金持ちの命、平等に助ける。」
-高峰享「雑にね。」
-ヨウコ「平等に雑に助ける。それが医者。」

「新宿野戦病院」第1話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

治療により一命を取り留めた不法滞在者が、結局国に送還されることになった。
高峰が虚しくないかと聞いた時の、ヨウコの言葉です。
ヨウコのこの言葉や、舞の平等についての言葉を受け、高峰はどこかひっかるところがありそうな表情。
医者でありながら自分の専門外の命というものと向き合う経験に乏しく、人の命を救いたいというような使命感も、救える術も持たない高峰。
目の前の命にまっすぐで、雑でも持った術で命を救うことが出来るヨウコ。
平等と雑。雑と不平等。
今後この二人がどのように影響し合うのか、楽しみです。


第2話

俺らの問題90%は金で解決しない?

「俺なら舞を幸せに出来ると思うんだよ。金で。金でしょ結局。金じゃ幸せは買えないって言うけど、俺らの問題90%は金で解決しない?90%幸せなら、それはもう幸せじゃない?」

「新宿野戦病院」第2話 - 高峰享

高峰が岡本との会話の中で言った言葉です。
確かにこの現実世界での幸せの90%は金で解決できるかもしれません。
幸せとはなんなのか。満たされるために必要なものとは。
考えさせられる台詞でした。

わしが悲しい

-ヨウコ「わしが悲しい。私は見た。負傷した兵士、病気の子供、自殺、事故。運ばれて来る時はみんな違う人間、違う命。なのに死ぬとき、命が消えるとき、みんな一緒じゃ。心臓が止まり、息が止まり、冷たくなる。死ぬときは一緒。それが辛え。もんげえ辛え。」
-マユ「わかった、わかんないけど、わかったから…」
-ヨウコ「いいやわからん、私の悲しみ。おめえ死んどるけんわからん。だから生きてるうちに言う。おめえ死んだらもっげえ悲しい。」

「新宿野戦病院」第2話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

オーバードーズで運ばれてきた少女・マユに洋子が言った言葉です。
追い詰められた時、死んではいけないとか、生きなければならないとか、そういった言葉よりも、あなたがいなくなることが悲しい、そう言われることほど、届く言葉はないかもしれません。

性別なんて気にしたことない

「考えたことない。堀井さんの性別なんて気にしたことない。」

「新宿野戦病院」第2話 - 白木愛

堀井について白木が言った言葉です。
社会的な場面において性別で区別されることはあっても、単純な人間関係の中では、相手が男だから女だからそうじゃないからということは、意識しない場面も結構あって。
その人自身を見る。そういう自分でありたいものです。

全然馬鹿じゃないし筋通ってる

「思ってません。達成したい目標が明確にあって、それにはお金が必要で、そのために自分のスペックを最大限活用して。全然馬鹿じゃないし、筋通ってるし、感情剥き出しでいいと思う。」

「新宿野戦病院」第2話 - 南舞

ホストに貢ぐために身体を売る少女に「馬鹿にしているのか」と言われた時に、舞が言った言葉です。
舞自身のバックグラウンドにも通じる言葉に思われます。
目標のために、術を講じる。使えるもの全てで、叶えるために動く。
多くの手段を持てない少女が、そうせざるを得なかった環境は考えられるべきですが、その行動原理自体は確かに、人間らしいものなのかもしれません。

絶対助ける。わしの勝手じゃ。

-ヨウコ「心が弱くても身体は強い。人間の生きようとする力なめんな。」
-マユ「ごめんなさい。」
-ヨウコ「おめえの勝手じゃ。好きにしたらいい。じゃが、わしがおる限り命は助ける。何べん死のうとしても絶対助ける。わしの勝手じゃ。」

「新宿野戦病院」第2話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

何度もオーバードーズを繰り返すマユに、ヨウコがかけた言葉です。


第3話

やりたくてやってる奴など一人もいない

「戦争なんかやりたくてやってる奴など一人もいない。」

「新宿野戦病院」第3話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

戦地にいたことをすごいと言ったマユに対して、「すごくない」と言ったヨウコの続きの台詞です。

大人が憎まれ役になって叱ってやんねえと

「叱んねえだ。叱んねえとやるよまた。ゴミ拾いもいいけど炊き出しもいいけどさ、大人が憎まれ役になって叱ってやんねえと。」

「新宿野戦病院」第3話 - 岡本勇太

薬を万引きしたマユに対して叱ることもしない舞に対して、岡本が言った言葉です。

いいです、そういうドラマが好きならうち"そういう子"の役で

「"そういう子たち"って2回も言った。もういいです。どこも一緒。家も、学校も、施設も。歌舞伎町ちょっとマシかと思ったけど変わんない。居場所とか社会とか知らないし。虐待されてるからなんですか?母親の恋人と寝たから家出してオーバードーズして万引きしちゃう、そういう子たちは何?かわいそう?は?みたいな。いいです。そういうドラマが好きなら、うち"そういう子"の役で。」

「新宿野戦病院」第3話 - マユ

親に虐待を受けた子、施設に馴染めない子、さまざまな事情で歌舞伎町にやってくる居場所のない”そういう子たち"に対する支援が必要だと言う舞の言葉を聞いていたマユが、冷めたように諦めたように言った言葉です。

第4話

”私みたいな女”ってのやめない?

「なあその”私みたいな女”ってのやめない?謙遜?自虐?どっちにしろめんどくせえよ。」

「新宿野戦病院」第4話 - 岡本勇太

マユの母親が、私みたいな女は…と卑屈な発言を繰り返すのに対して、岡本が言った言葉です。


想像力が足りない

「何考えてんの?馬鹿じゃないの?勝手に子どもつくって勝手に産んで、捨てようと思ったけどやっぱりかわいい?馬鹿か。想像力が足りない。望まれずにこの世に生まれた子は、ずっと辛い。ずっと苦しい。忘れないで。」

「新宿野戦病院」第4話 - 高峰はずき

若くして年齢し出産した母親。
トイレで産み落とし赤ちゃんポストに入れようとしていたが、産んで顔を見たら育てたくなった、という彼女に対して、はずきが怒って言った言葉です。
自身を望まれずに生まれた子だと思うはずきが自分を重ねた台詞ではありましたが、身勝手な考えで命を扱う彼女に対して、必要な言葉でした。


第5話

ぶっ壊れてんのとっくに

「終わってるよ?母親でいられる時間?とっくに終わってるって、遅いって。つーか娘だと思うのやめたよね?だからこっちもやめた。勘弁してよあんたが母親なんて。ごめん無理、記憶喪失にでもならない限り。家族?は?誰と誰が?ぶっ壊れてんのとっくに。あんたもうちもあの男も、3人とも病気なの。わかんない?一緒にいたらもらっちゃうの、病気。だから一人で生きてくしかないの。」

「新宿野戦病院」第5話 - マユ

親子関係をやり直したいというものの、恋人の連絡先は消さず、変わるそぶりのない母親に対して、マユが叫ぶようにぶつけた言葉です。
とっくに終わってる。
とっくに壊れてる。
こんな叫びを受けても、母親は、「情けない。腹も立たない。情けない。」と言いました。

なんでもかんでもアメリカの真似せんでいいんじゃ

「日本の医療制度は素晴らしい。貧しい者も富める者も、平等に同等の医療サービスを受けられる。アメリカのように上級国民が優遇されるようなことは、ない。基本的に。マイナ保険証も結構だが、対応できない者もでれえおる。年寄り、貧乏人、外国人、家出人、路上生活者、そういった連中をどうか排除せんでくれ。なんでもかんでもアメリカの真似せんでいいんじゃ。日本人は日本人のやり方で命を大事にしてくれ。」

「新宿野戦病院」第5話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

VIP待遇で救急に運ばれ一命を取り留めた防衛副大臣に対して、そのために処置を行えず亡くなった路上生活者の対応をしたヨウコが言った言葉です。
アメリカの軍医であったヨーコが、日本の医療制度の中で救命にあたる。
医療ドラマとしてのこの作品のメッセージが、くっきりとしてきた回でした。

第6話

死んだら元も子もねえから

「唇ぷるぷるでも、お肌つるつるでも、死んだら元も子もねえから。」

「新宿野戦病院」第6話 - 高峰亨

啓三と言い合いになった際の亨の言葉です。
自分は命を救えない美容外科医であることにどこかコンプレックスを抱えていた亨ですが、それも立派な医者だとヨウコに言われた時から、医者としての自覚が芽生えました。

命に優劣はない

-高峰啓三「助ける価値もねえやつしか運ばれて来ねえんだよ、こんな場末のボロ病院には。」
-高峰啓介「それでも助けるんだよ。命に優劣はない。」

「新宿野戦病院」第6話 - 高峰啓介

院長・啓介の言葉です。
命に優劣はない。
この作品で度々繰り返し登場する台詞です。

好きな人を大切にするために

「お嬢さんわしのこと嫌いか?構わんでええ。ここはあんたの場所じゃ。無理にええ顔せんでええ。好きな人を大切にするために、嫌いなやつは思いくそ嫌え。」

「新宿野戦病院」第6話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

ヨウコがはずきに言った言葉です。
嫌いなやつを無理に好きになる必要はない。
自分の場所で、自分にとっての好きな人を大切にするために、その好きな人のことだけを全力で好きでいればいい。
さらっと言われたけれど、とても大切な言葉です。

お前の命、運べるのはお前しかおらんのんじゃ

「カッコつけんな!なにが運命だ!お前の命、運べるのはお前しかおらんのんじゃ。」

「新宿野戦病院」第6話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

「運命」とは、「運ぶ命」と書く。
妻を癌で亡くした経験から、自分がどうなろうとそれは運命だとやけくそになる啓三に対して、ヨウコが言った言葉です。
命は、委ねるものではなく、自分で運ぶもの。
だから、受けられる検査は、早めに受けるに越したことはない。
今回のテーマは、健診でした。


第7話

孤独じゃのうて

「よかったなあ、孤独じゃのうて。」

「新宿野戦病院」第7話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

一人自宅で亡くなった独居老人。
家族は「孤独死なんて情けない」と言いましたが、その人にはたくさんの仲間がいて、亡くなる数日前までスナックでカラオケや山登りなどをアクティブに楽しんでいました。
結果的に亡くなる瞬間は一人だったとしても、その人の人生が孤独だったかどうかなんて、その結果だけは語らない。
いわゆる孤独死とされる亡くなり方をした老人が、まったく孤独ではなかった、というシーンです。


我々が決めつけるなんて傲慢か

-横山勝幸「なんか泣けてくるね。」
-ヨーコ「何が?」
-横山勝幸「だってお母さんが生きてる限り、堀井さん、完全に女性としては生きられないわけでしょ?」
-ヨーコ「それが辛えかどうか、うちらには知る由もねえ。」
-田島琢己「まあ堀井さんの人生ですもんねえ。」
-横山勝幸「悲劇か喜劇かは堀井さんが決めることで、我々が決めつけるなんて傲慢か。」

「新宿野戦病院」第7話 - 横山勝幸

堀井のジェンダーについて背景が明かされた第7話。
同僚たちが堀井について語る中での会話です。


女性とか男性とかどっちでもいい

「女性とか男性とか、どっちでもいい。うちが欲しいのは、優秀な看護師だから。まあひとつ、よろしくね。(ネームプレートを見て) ああ、"婦長"はだめだね。看護師長だ。ごめんごめん。」

「新宿野戦病院」第7話 - 高峰啓介

ジェンダーの件で就職先が決まらなかった堀井を受け入れたまごころの院長・高峰が、堀井の採用面談の時に言った言葉です。
堀井のジェンダーを肯定し、能力を評価した採用でした。
堀井のジェンダーについて、第7話では非常にフラットな受け止め方、描き方がされています。


第8話

死なん心配せえ

「死んだら心配出来んのんじゃけん。死なん心配せえ。男だろうが女だろうが、娘さんが超一流の看護師だってことに変わりはない。」

「新宿野戦病院」第8話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

自分が死んだら子どもが一人になってしまうと心配している堀井の母に、ヨーコが言った言葉です。
後のことをあれこれと思いを馳せて悩むより、今を生きること、長く生きることと向き合う。
サラっと言われた台詞でしたが、印象に残りました。


関わんないのが究極のボランティア

「中途半端に手差し伸べるより、最初から関わらない方がよくないですか?ごめんごめん、警察はそうはいかないか。けど、ボランティアって善意でしょ?善意ってのは裏目に出るもんだし、その責任を背負えないなら、最初から何もしないのが一番の善意っていうか。関わんないのが究極のボランティアなんじゃねえのって思っちゃうんだけど。」

「新宿野戦病院」第8話 - 高峰亨

NPO法人で働き、なんとか若者を助けたいと奔走するマイに対して、亨が言った言葉です。
この言葉にマイは「何もわかってない」と反発しましたが、では何が出来るのか。
本当の意味での救いとはなんなのか。
考えさせられる台詞でした。

被害者じゃろうが加害者じゃろうが人殺しだろうが

「I'm a doctor. 被害者じゃろうが加害者じゃろうが人殺しだろうが、ぜってえ殺さん。」

「新宿野戦病院」第8話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

爆破テロを起こしたとみられる犯人が一刻を争う重傷で運ばれてきた際、「こんなやつは自業自得だ」「被害者の処置を優先しろ」とほかの患者に言われた時に、ヨーコが言った言葉です。


ど素人はすっこんでろ

-ヨーコ「誰が死なす言うたんじゃ!なんだらさっきから。犯人なんか助けるな言うたり犯人じゃから死なすな言うたり、何様じゃ!人の命をなんじゃ思っとんのら!」
-警察官「こっちのほうが重症ですよね?口に管入ってるし。」
-ヨーコ「こっちは全身火傷しとんじゃ!」
-高峰啓介「散々待たされたんだこっちは!その間容態が急変しないようずっと交代で看てたんだ!ど素人はすっこんでろ!」

「新宿野戦病院」第8話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

犯人の処置を優先しろと指示した警察官について、ヨーコと院長の啓介が怒鳴りながら言った言葉です。
素人は引っ込んでろ。
医療現場に限らず、ああだこうだと言う外野の声が大きい世の中。
がつんと響く台詞でした。


社会は平等じゃねえけど命は平等だから虚しくねえ

「マイちゃんに聞かれたんすよ。高峰さんにとってこの社会は平等ですかって。その答えは、社会は平等じゃねえけど命は平等だから虚しくねえ、だな。」

「新宿野戦病院」第8話 - 高峰亨

ヨーコがまごころ病院に来て以来、救命の現場にも携わるようになった亨。
さまざまな現場を経た亨が、以前マイに聞かれた答えを見つけた台詞です。


第9話

心と身体の性が一致してるなんてミラクル

「心と身体の性別が違って生きづらい思いをしている人間がいることは知ってる?そういう人間からしたらね、心と身体の性が一致してるなんてミラクル、奇跡なの。それをこんな馬鹿げた理由で無駄にしないで。」

「新宿野戦病院」第9話 - 堀井しのぶ

患者に対して堀井がかけた言葉です。
多数が普通で少数が異常なんて、そんなことない。
多数派にいる側が当たり前だと思っていることも、本当は当たり前ではない。
そんな視点ですべての奇跡を大切に出来たら。


聞いてるようで聞いてない

「待って待って、聞いてるようで聞いてない。すずかちゃんの不幸を平気で越えようとしてる。しかも嫌な感じで。」

「新宿野戦病院」第9話 - マユ

ODで運び込まれた少女の悩みを聞いてあげようと耳を傾けながらも、ついつい自分の話をしてしまう亨に、マユが言った言葉です。
聞いてるようで聞いてない。
結構こういうこと、あるかもしれません。


間違いは認める、だが正しい時は胸を張って主張する

「間違いは認める。だが、正しい時は胸を張って主張する。すべての患者の命を救うため。それが聖まごころ病院。」

「新宿野戦病院」第9話 - 高峰啓介

医療過誤があったとまごころに対して騒ぎ立てる元看護師で一児の母・星崎に、院長の高峰が言った言葉です。
間違いがあれば素直に認めて詫びる。
それはさまざまな場面で教わって身につけてきたかもしれないけど、正しい時は胸を張って主張するということのほうが、大切な場面もあるかもしれません。
こんな風に言ってくれる上司や仲間がいる場所なら、自分も看護師を辞めずにすんだかもしれない。
星崎はそうぽつりとつぶやきました。


今度は正しく怖がらないと

-高峰啓三「大丈夫だよ。俺たちコロナも克服したんだから。」
-刈谷「マスク買い占めとか、あの時は大人げなかったよね。」
-高峰啓介「そうだね。今度は正しく怖がらないと。」

「新宿野戦病院」第9話 - 高峰啓介

2025年、コロナとは異なる新種ウイルスの感染拡大に伴い世界各国がロックダウンを検討しているというニュース報道を受けた際の会話です。
正しく怖がること。私たちが学び、今後に活かさなければいけないことです。
その後、日本人感染者第1号確認の報道。
新宿・歌舞伎町、日本。どうなってしまうのでしょうか。

第10話

謝るなって!軽々しく!

「謝るなって!軽々しく!すいませんすいませんすいませんってなんなん?謝ったからってウイルス出てってくれるん?NO!お前悪くない!誰も悪くない!OK?人間もウイルスも生きようとしとるんじゃ。生き残るために必死なんじゃ戦争なんじゃ殺し合いなんじゃ。OK?感染したぐれえでいちいち謝るようなやつは、最初から医者になんかなるな。感染対策は重要。患者を守ることはぼっけえ重要。そのためにおめえリスクをおかしたんじゃ。しゃあねえ。」

「新宿野戦病院」第10話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

父親のウイルス感染を自分が媒介してしまったと思い詫びる亨を、屋上に呼び出しビンタをしてヨウコが怒鳴るように叫んだ言葉です。

緊急事態だからって自分の頭で考えることまで放棄するな

「ここは屋外で空気も流れてる。明らかにマスク不要!それぐらい自分で判断せえ。緊急事態だからって自分の頭で考えることまで放棄するな!」

「新宿野戦病院」第10話 - ヨウコ・ニシ・フリーマン

前例のないウイルスが流行し緊急事態となった世の中。
屋上でもマスクをする同僚たちに対して、ヨウコが怒鳴るように叫んだ言葉です。


じゃあどんな時ならいいんだよ

-南舞「自粛警察?脅迫されたり石投げこまれたり、もう若いスタッフ守り切れない。目障りなんだってさ。こんな時に外国人とかホームレスとか助けて気持ち良くなってんじゃねえよって。」
-高峰亨「こんな時って。じゃあどんな時ならいいんだよ。」
-南舞「変な病気が流行ってなくて、戦争とか災害とかもなくて、経済も安定してて、誰かが太ったとか痩せたとかその程度のニュースでコメント欄がわちゃわちゃする、要するに、平和ってこと?」
-高峰亨「平和…。忘れちゃったよそんなの」

「新宿野戦病院」第10話 - 高峰亨

未知のウイルスと医療現場の最先端で闘いながら自身の父親が感染し重傷となった亨。
緊急事態宣言下でNOT ALONEの活動が批判されている舞。
二人が歩きながらした会話です。


人間の言うことは聞かないのにウイルスの言うことは聞くのかよ

「腹立つ。パパ活が一人もいない。ずらっと並んでたよねここ、頭悪そうな女とキモイおっさん。うちらがどんなに声かけしても、警察が取り締まっても居座ってたのに、病気が流行ったらやめんのかよ。ふざけんなよ!人間の言うことは聞かないのにウイルスの言うことは聞くのかよ!ねえ、うちらがやってきたことってなんだったの?しょうもない。ほんと…どいつもこいつもしょうもない。」

「新宿野戦病院」第10話 - 南舞

緊急事態宣言かで誰もいなくなった歌舞伎町。
街を歩きながら、並ぶ自転車を蹴り倒しながら、舞が叫んだ言葉です。


平等だから虚しいんだ

-高峰亨「平等なんだよ!やったわかったよ舞ちゃんの言ってたこと。うちら今、平等に命の危険にさらされてんじゃん。金持ちも貧乏人も。だからなんで俺ばっかり私ばっかりって考えちゃうんだよ。」
-南舞「なるほどね…。平等だから虚しいんだ。」
-高峰亨「…かな。」

「新宿野戦病院」第10話 - 南舞

ひとつ前の言葉を叫ぶ舞を制止した亨。
亨の言葉を聞き、虚しそうにつぶやいた舞です。


第11話(最終話)

不用意な言葉がどれだけ多くのこの街で生活する人々を不当に傷つけ差別や誹謗中傷に晒すことになるか

「まず政府は"歌舞伎町ウイルス"という名称を明確に否定し、今後一切の使用を禁止して下さい。たまたま感染者第1号が歌舞伎町で働くホストだったというだけです。彼は旅行先のLAで感染し、羽田で陽性反応が出てそのまま勝どきの病院に搬送されて亡くなりました。つまり歌舞伎町で感染したわけでも歌舞伎町にウイルスを持ち込んだわけでもない。先ほど副長官は"また歌舞伎町で"と仰いましたが、そういう不用意な言葉がどれだけ多くのこの街で生活する人々を不当に傷つけ、差別や誹謗中傷に晒すことになるか、よく考えて発言して下さい。」

「新宿野戦病院」第11話(最終話) - ヨウコ・ニシ・フリーマン

新型ウイルス感染者の対応にあたる聖まごころ病院が情報番組で特集されることになり、生放送のインタビューに応じたヨウコが言った言葉です。


犯人捜しは意味がない

「これだけは言える。運んだのは人間です。どれだけ危険なウイルスだって、足が生えて歩いて密林から出てくるわけではありません。人間の移動によって世界中に広まる。だから犯人捜しは意味がない。特定の誰かを悪者にするのはやめてください。」

「新宿野戦病院」第11話(最終話) - ヨウコ・ニシ・フリーマン

生放送の情報番組でヨウコが言った言葉です。
ウイルス以外にも今の世の中に通じる言葉です。


冷静に判断して適切に恐れて下さい

「冷静に判断して適切に恐れて下さい。今怖いのは、感染を恐れるあまりそれ以外の病気が放置されたり、治療が先送りになるケースです。」

「新宿野戦病院」第11話(最終話) - ヨウコ・ニシ・フリーマン

生放送の情報番組でヨウコが言った言葉です。
感染の次の波がやってくる。正しく恐れる。とても重要な事です。


これは人間の業だ

「交互に頭を下げる親子の姿を見て思った。これは人間の業だ。歌舞伎町の赤ひげは美談でもなんでもない。この親子はただこういう風にしか生きられないだけ。助けられる命を見殺しにする自分が許せないだけなんだ。」

「新宿野戦病院」第11話(最終話) - 高峰亨

情報番組の出演時に、ウイルスを正しく恐れることや医療従事者の環境向上を訴えた院長の啓介とヨウコの姿を見た、亨のモノローグです。


今怖いのはウイルスよりも人間の心じゃ

-ヨウコ「同調圧力。今怖いのはウイルスよりも人間の心じゃ。」
-高峰亨「そうなんすよ。平等を履き違えてますよね。」
-ヨウコ「疑心暗鬼な。世知辛いな。不謹慎な。」
-高峰亨「ワクチン打ったら多少変わるんすかね。」

「新宿野戦病院」第11話(最終話) - ヨウコ・ニシ・フリーマン

マスクを着用せずに街を歩いていた年上の男性に、若者がマスクをしろと怒鳴りつける現場を目撃した亨と、ヨウコの会話です。


俺ですら俺を疑うくらいの実績が俺にはある

「お前らが俺を疑う気持ちもわかるし、俺ですら俺を疑うくらいの実績が俺にはある。ただ、今回ばかりは俺じゃねえ。」

「新宿野戦病院」第11話(最終話) - 高峰啓三

ヨウコの無免許問題が週刊誌に掲載されることになり、情報漏洩の元凶として疑われた啓三が言った言葉です。


なんでだめなんですか?

「なんで?アメリカの資格じゃだめって、それアメリカ信用してないってことですか?堀井さんだって助産師の資格海外で取ってますもんね。なんでだめなんですか?」

「新宿野戦病院」第11話(最終話) - 高峰亨

ヨウコの無免許問題がリークされた際の会議にて、亨が言った言葉です。

わかってて、目の前にある命を平等に、雑に、助けたかった

-リツコ「わかっとたんと違う?あの子。遅かれ早かれこうなること。」
-高峰亨「わかってて、目の前にある命を平等に、雑に、助けたかった、だけなんじゃないすかね。」
-高峰啓介「そうだね。ヨウコは、まごころのロウソクが消える前の最後の瞬きだったのかもしれないね。」

「新宿野戦病院」第11話(最終話) - 高峰亨

ヨウコについての会話です。
啓介は不法就労助長の容疑で逮捕され、ヨウコは医師法違反の容疑で逮捕されました。

悪いのはイーロン・マスク

「悪いのはイーロン・マスクであって、お前ではない。」

「新宿野戦病院」第11話(最終話) - ヨウコ・ニシ・フリーマン

ヨウコの無免許問題は、舞のSNSでのつぶやきが発端となり拡散される事態に発展してしまった。
そのことについて詫びた舞に、ヨウコが言った言葉です。


心のケアをせんでどうするん

「頭のおかしい患者を頭のおかしい医師が診とる。なのに、心療内科はおろか院内にカウンセラーすらおらん。これ問題じゃ。まごころ言うとるのに心のケアをせんでどうするん。ウイルス感染症が一段落すると心のケアが大事になってくる。後遺症、職場復帰に対する不安。カウンセラーは不可欠じゃ。」

「新宿野戦病院」第11話(最終話) - ヨウコ・ニシ・フリーマン

今後のまごころ病院について、ヨウコが舞に託した言葉です。
この言葉を受け取った舞は、後にカウンセラーとしてまごころで勤務をすることになります。




以上、ドラマ「新宿野戦病院」の名台詞集でした。

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