2024年7月期 フジテレビ水曜ドラマ「新宿野戦病院」より、心に残った台詞をまとめました。
*鑑賞時に書き起こした台詞を記録しているため、表記や文言は脚本と異なる場合があります。恐れ入りますがご了承いただけますようお願いいたします。
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第1話
この社会は平等ですか?
舞が働く「NOT ALONE」というNPO法人を訪ねた高峰と舞の会話です。
この社会は平等か。
第1話では「平等」がひとつのキーワードになっていました。
今後のストーリーにも効いてきそうな会話です。
みんなちょっとずつ嫌な気持ちになったでしょ
アメリカの医療制度について話していた時の、堀井の言葉です。
キーワードと思われる「平等」にも関わる台詞です。
俺たちが決めるなんて傲慢なんじゃないかな
堀井さんが男性なのか女性なのか、性別や口調で判断出来ず推測し合う中で、横山が言った言葉です。
その人がどういう人か、他の人にはわからない。
わかったふりをしても意味がない。
性別不明な堀井、実は反社だったカジ、犯罪者かと誤解された外国人、守るべきとされる人々。
わかったふりや決めつけというのも、物語のテーマかもしれません。
やるかやらないかは患者の状態が決めること
運び込まれた急患の前で慌てふためく聖まごころ病院、その中で横山が腹を括り叫んだ言葉です。
ひとつ前の堀井の件にも通じる横山の考え方です。
そして、このドラマ、意外とちゃんと医療ドラマになるかもしれません。
命が平等じゃからじゃ
軍医になった理由を高峰に聞かれたヨウコの言葉です。
ヨウコのこの考えが、今後もこの物語を動かしていきそうですね。
平等に雑に助ける。それが医者。
治療により一命を取り留めた不法滞在者が、結局国に送還されることになった。
高峰が虚しくないかと聞いた時の、ヨウコの言葉です。
ヨウコのこの言葉や、舞の平等についての言葉を受け、高峰はどこかひっかるところがありそうな表情。
医者でありながら自分の専門外の命というものと向き合う経験に乏しく、人の命を救いたいというような使命感も、救える術も持たない高峰。
目の前の命にまっすぐで、雑でも持った術で命を救うことが出来るヨウコ。
平等と雑。雑と不平等。
今後この二人がどのように影響し合うのか、楽しみです。
第2話
俺らの問題90%は金で解決しない?
高峰が岡本との会話の中で言った言葉です。
確かにこの現実世界での幸せの90%は金で解決できるかもしれません。
幸せとはなんなのか。満たされるために必要なものとは。
考えさせられる台詞でした。
わしが悲しい
オーバードーズで運ばれてきた少女・マユに洋子が言った言葉です。
追い詰められた時、死んではいけないとか、生きなければならないとか、そういった言葉よりも、あなたがいなくなることが悲しい、そう言われることほど、届く言葉はないかもしれません。
性別なんて気にしたことない
堀井について白木が言った言葉です。
社会的な場面において性別で区別されることはあっても、単純な人間関係の中では、相手が男だから女だからそうじゃないからということは、意識しない場面も結構あって。
その人自身を見る。そういう自分でありたいものです。
全然馬鹿じゃないし筋通ってる
ホストに貢ぐために身体を売る少女に「馬鹿にしているのか」と言われた時に、舞が言った言葉です。
舞自身のバックグラウンドにも通じる言葉に思われます。
目標のために、術を講じる。使えるもの全てで、叶えるために動く。
多くの手段を持てない少女が、そうせざるを得なかった環境は考えられるべきですが、その行動原理自体は確かに、人間らしいものなのかもしれません。
絶対助ける。わしの勝手じゃ。
何度もオーバードーズを繰り返すマユに、ヨウコがかけた言葉です。
第3話
やりたくてやってる奴など一人もいない
戦地にいたことをすごいと言ったマユに対して、「すごくない」と言ったヨウコの続きの台詞です。
大人が憎まれ役になって叱ってやんねえと
薬を万引きしたマユに対して叱ることもしない舞に対して、岡本が言った言葉です。
いいです、そういうドラマが好きならうち"そういう子"の役で
親に虐待を受けた子、施設に馴染めない子、さまざまな事情で歌舞伎町にやってくる居場所のない”そういう子たち"に対する支援が必要だと言う舞の言葉を聞いていたマユが、冷めたように諦めたように言った言葉です。
第4話
”私みたいな女”ってのやめない?
マユの母親が、私みたいな女は…と卑屈な発言を繰り返すのに対して、岡本が言った言葉です。
想像力が足りない
若くして年齢し出産した母親。
トイレで産み落とし赤ちゃんポストに入れようとしていたが、産んで顔を見たら育てたくなった、という彼女に対して、はずきが怒って言った言葉です。
自身を望まれずに生まれた子だと思うはずきが自分を重ねた台詞ではありましたが、身勝手な考えで命を扱う彼女に対して、必要な言葉でした。
第5話
ぶっ壊れてんのとっくに
親子関係をやり直したいというものの、恋人の連絡先は消さず、変わるそぶりのない母親に対して、マユが叫ぶようにぶつけた言葉です。
とっくに終わってる。
とっくに壊れてる。
こんな叫びを受けても、母親は、「情けない。腹も立たない。情けない。」と言いました。
なんでもかんでもアメリカの真似せんでいいんじゃ
VIP待遇で救急に運ばれ一命を取り留めた防衛副大臣に対して、そのために処置を行えず亡くなった路上生活者の対応をしたヨウコが言った言葉です。
アメリカの軍医であったヨーコが、日本の医療制度の中で救命にあたる。
医療ドラマとしてのこの作品のメッセージが、くっきりとしてきた回でした。
第6話
死んだら元も子もねえから
啓三と言い合いになった際の亨の言葉です。
自分は命を救えない美容外科医であることにどこかコンプレックスを抱えていた亨ですが、それも立派な医者だとヨウコに言われた時から、医者としての自覚が芽生えました。
命に優劣はない
院長・啓介の言葉です。
命に優劣はない。
この作品で度々繰り返し登場する台詞です。
好きな人を大切にするために
ヨウコがはずきに言った言葉です。
嫌いなやつを無理に好きになる必要はない。
自分の場所で、自分にとっての好きな人を大切にするために、その好きな人のことだけを全力で好きでいればいい。
さらっと言われたけれど、とても大切な言葉です。
お前の命、運べるのはお前しかおらんのんじゃ
「運命」とは、「運ぶ命」と書く。
妻を癌で亡くした経験から、自分がどうなろうとそれは運命だとやけくそになる啓三に対して、ヨウコが言った言葉です。
命は、委ねるものではなく、自分で運ぶもの。
だから、受けられる検査は、早めに受けるに越したことはない。
今回のテーマは、健診でした。
第7話
孤独じゃのうて
一人自宅で亡くなった独居老人。
家族は「孤独死なんて情けない」と言いましたが、その人にはたくさんの仲間がいて、亡くなる数日前までスナックでカラオケや山登りなどをアクティブに楽しんでいました。
結果的に亡くなる瞬間は一人だったとしても、その人の人生が孤独だったかどうかなんて、その結果だけは語らない。
いわゆる孤独死とされる亡くなり方をした老人が、まったく孤独ではなかった、というシーンです。
我々が決めつけるなんて傲慢か
堀井のジェンダーについて背景が明かされた第7話。
同僚たちが堀井について語る中での会話です。
女性とか男性とかどっちでもいい
ジェンダーの件で就職先が決まらなかった堀井を受け入れたまごころの院長・高峰が、堀井の採用面談の時に言った言葉です。
堀井のジェンダーを肯定し、能力を評価した採用でした。
堀井のジェンダーについて、第7話では非常にフラットな受け止め方、描き方がされています。
第8話
死なん心配せえ
自分が死んだら子どもが一人になってしまうと心配している堀井の母に、ヨーコが言った言葉です。
後のことをあれこれと思いを馳せて悩むより、今を生きること、長く生きることと向き合う。
サラっと言われた台詞でしたが、印象に残りました。
関わんないのが究極のボランティア
NPO法人で働き、なんとか若者を助けたいと奔走するマイに対して、亨が言った言葉です。
この言葉にマイは「何もわかってない」と反発しましたが、では何が出来るのか。
本当の意味での救いとはなんなのか。
考えさせられる台詞でした。
被害者じゃろうが加害者じゃろうが人殺しだろうが
爆破テロを起こしたとみられる犯人が一刻を争う重傷で運ばれてきた際、「こんなやつは自業自得だ」「被害者の処置を優先しろ」とほかの患者に言われた時に、ヨーコが言った言葉です。
ど素人はすっこんでろ
犯人の処置を優先しろと指示した警察官について、ヨーコと院長の啓介が怒鳴りながら言った言葉です。
素人は引っ込んでろ。
医療現場に限らず、ああだこうだと言う外野の声が大きい世の中。
がつんと響く台詞でした。
社会は平等じゃねえけど命は平等だから虚しくねえ
ヨーコがまごころ病院に来て以来、救命の現場にも携わるようになった亨。
さまざまな現場を経た亨が、以前マイに聞かれた答えを見つけた台詞です。
第9話
心と身体の性が一致してるなんてミラクル
患者に対して堀井がかけた言葉です。
多数が普通で少数が異常なんて、そんなことない。
多数派にいる側が当たり前だと思っていることも、本当は当たり前ではない。
そんな視点ですべての奇跡を大切に出来たら。
聞いてるようで聞いてない
ODで運び込まれた少女の悩みを聞いてあげようと耳を傾けながらも、ついつい自分の話をしてしまう亨に、マユが言った言葉です。
聞いてるようで聞いてない。
結構こういうこと、あるかもしれません。
間違いは認める、だが正しい時は胸を張って主張する
医療過誤があったとまごころに対して騒ぎ立てる元看護師で一児の母・星崎に、院長の高峰が言った言葉です。
間違いがあれば素直に認めて詫びる。
それはさまざまな場面で教わって身につけてきたかもしれないけど、正しい時は胸を張って主張するということのほうが、大切な場面もあるかもしれません。
こんな風に言ってくれる上司や仲間がいる場所なら、自分も看護師を辞めずにすんだかもしれない。
星崎はそうぽつりとつぶやきました。
今度は正しく怖がらないと
2025年、コロナとは異なる新種ウイルスの感染拡大に伴い世界各国がロックダウンを検討しているというニュース報道を受けた際の会話です。
正しく怖がること。私たちが学び、今後に活かさなければいけないことです。
その後、日本人感染者第1号確認の報道。
新宿・歌舞伎町、日本。どうなってしまうのでしょうか。
第10話
謝るなって!軽々しく!
父親のウイルス感染を自分が媒介してしまったと思い詫びる亨を、屋上に呼び出しビンタをしてヨウコが怒鳴るように叫んだ言葉です。
緊急事態だからって自分の頭で考えることまで放棄するな
前例のないウイルスが流行し緊急事態となった世の中。
屋上でもマスクをする同僚たちに対して、ヨウコが怒鳴るように叫んだ言葉です。
じゃあどんな時ならいいんだよ
未知のウイルスと医療現場の最先端で闘いながら自身の父親が感染し重傷となった亨。
緊急事態宣言下でNOT ALONEの活動が批判されている舞。
二人が歩きながらした会話です。
人間の言うことは聞かないのにウイルスの言うことは聞くのかよ
緊急事態宣言かで誰もいなくなった歌舞伎町。
街を歩きながら、並ぶ自転車を蹴り倒しながら、舞が叫んだ言葉です。
平等だから虚しいんだ
ひとつ前の言葉を叫ぶ舞を制止した亨。
亨の言葉を聞き、虚しそうにつぶやいた舞です。
第11話(最終話)
不用意な言葉がどれだけ多くのこの街で生活する人々を不当に傷つけ差別や誹謗中傷に晒すことになるか
新型ウイルス感染者の対応にあたる聖まごころ病院が情報番組で特集されることになり、生放送のインタビューに応じたヨウコが言った言葉です。
犯人捜しは意味がない
生放送の情報番組でヨウコが言った言葉です。
ウイルス以外にも今の世の中に通じる言葉です。
冷静に判断して適切に恐れて下さい
生放送の情報番組でヨウコが言った言葉です。
感染の次の波がやってくる。正しく恐れる。とても重要な事です。
これは人間の業だ
情報番組の出演時に、ウイルスを正しく恐れることや医療従事者の環境向上を訴えた院長の啓介とヨウコの姿を見た、亨のモノローグです。
今怖いのはウイルスよりも人間の心じゃ
マスクを着用せずに街を歩いていた年上の男性に、若者がマスクをしろと怒鳴りつける現場を目撃した亨と、ヨウコの会話です。
俺ですら俺を疑うくらいの実績が俺にはある
ヨウコの無免許問題が週刊誌に掲載されることになり、情報漏洩の元凶として疑われた啓三が言った言葉です。
なんでだめなんですか?
ヨウコの無免許問題がリークされた際の会議にて、亨が言った言葉です。
わかってて、目の前にある命を平等に、雑に、助けたかった
ヨウコについての会話です。
啓介は不法就労助長の容疑で逮捕され、ヨウコは医師法違反の容疑で逮捕されました。
悪いのはイーロン・マスク
ヨウコの無免許問題は、舞のSNSでのつぶやきが発端となり拡散される事態に発展してしまった。
そのことについて詫びた舞に、ヨウコが言った言葉です。
心のケアをせんでどうするん
今後のまごころ病院について、ヨウコが舞に託した言葉です。
この言葉を受け取った舞は、後にカウンセラーとしてまごころで勤務をすることになります。
以上、ドラマ「新宿野戦病院」の名台詞集でした。