オンラインサイン会

先日、人生で初めて推しメンのオンラインサイン会に参加した。そのメンバーとは、櫻坂46の田村保乃ちゃん。2021年の1stツアーで保乃ちゃんのパフォーマンスに一目惚れし、2022年4月からミーグリに通い始めた。

そもそも私のオタク人生の始まりは、保乃ちゃんと同じ前田敦子さん。確か保乃ちゃんも、あっちゃんが始まりだったとどこかで言っていたはず。(ソースが曖昧でごめん)
その後はNMB48の渡邊美優紀さん→乃木坂46の西野七瀬さん。そして今は、櫻坂46の田村保乃さんと日向坂46の河田陽菜さんを応援している。
私のオタク遍歴とか誰も興味ないので、あまりスペイベに興味のなかった私が、なぜオンラインサイン会を申し込むことを決めたのか。

まず、私は所謂「スペイベ」というものに参加したことが今まで一度もない。高校生の頃は趣味に使えるお金なんて高が知れていた。大学生の時はバイトをして、自分が自由に使えるお金が少しは増えたが、稼いだお金を全てアイドルに使うことはできない環境だった。そういう環境下で、年数回乃木坂のライブに参戦し、たまに推しメンの握手会に参加する。もちろん認知は貰ったことがない。いわゆる「ライトオタク」の部類だったと思う。スペイベは金持ちのオタクが申し込むもの、そういう偏見があった。
社会人になり、金銭的な余裕と自由な時間が増えたことで、自分の価値観が少し変わった。ライブで保乃ちゃんに一目惚れしてから少し経って、ミーグリに通い始めた。最初は就活の面接並みに緊張したし、今だって全然緊張する。でも保乃ちゃんって凄く優しくて、私の下手な話も真剣に聞いてくれて、優しいレスポンスをくれて、たまに笑ってくれる。それだけで私は幸せだった。有難いことに、何回か通っていたら認知してもらえたし、リアミで「わかるよ」って言われた時は死ぬ程嬉しかった。

保乃ちゃんのミーグリに通い始めて約2年が経った。2年経っても保乃ちゃんとフランクに話せるようになったわけでも、保乃ちゃんのことを沢山笑わせられるようになったわけでもないけど、保乃ちゃんのサイン会はいつか参加してみたいなという想いはここ半年くらいで急激に上昇していた。TLに流れてくる保乃推しが貰ったサイン色紙はどれも素敵なものばかりで、一人一人の関係性が垣間見えた。同じものは存在しない、その人のためだけの特別な色紙。素直に羨ましかった。私も、私のために書いてくれた保乃ちゃんからのサイン色紙が欲しいなという想いが徐々に膨らんでいった。ただ一つ懸念事項ががあるとすれば、そもそも私のために何か書くことがあるのか?私のことを認知はしてくれているけど、保乃ちゃんをたくさん笑わすことも、軽快なトークで楽しませることも、定期的にレターや手紙を送っているわけでもない。そんな中途半端な私にわざわざ書くことってあるの?考えれば考えるほど自己嫌悪に陥って、なかなかサイン会を申し込むまで至らなかった。めんどくさい人間でごめん。今思うとそんなの全く関係ないとは思うけど、やっぱりある程度の関係性を築いてからサイン会は行くものという固定観念があったのかもしれない。本当にそんなの関係ないんだけどね。そういう想いはありつつ、やっぱり推しメンのサイン会に人生で一度は参加してみたい。関係性云々の前に、今自分が保乃ちゃんとどの程度の関係性を築けているのか。それを確かめる方法はサイン会が1番良い方法であることも理解はしていた。アイドルは永遠ではないからこそ、行きたいと思った時に行かなければ後悔する。そういう想いで、人生で初めてスペイベに参加をする決心をした。

決心はついたものの、サイン会に参加したことがない私はボーダーが全くわからない。今作はリアルサイン会×2、オンラインサイン会×1という日程が発表されてから、「分散されれば、ビギナーズラックでワンチャンあるのでは…?」という淡い期待だけで申し込みを決めた今作。(後々、この判断は正解だったことが判明する)ただ、ボーダーを気軽に聞ける人はいない。どれくらい投げたら良いのか....…。これは自力で必死に調べた。正解はない。自分が投げた口数が未来の自分の参考になる。初めてのことだし、当たらなかったらそれまで。仕方のないことだと思って腹を決めた。自分のお財布と相談し、なんとなくのボーダーを自分で設定した。そしてその口数を応募するためにCDを大量に買った。当然だけど、今まで購入したCDの中でも1番多かった。自業自得のCDが大量に家に溢れかえった。幸い、リアミやオンミに比べて申し込み期間が長かったので、余裕を持って申し込むことができた。といっても、これほどの枚数のシリアルを一気に入力したことはなかったので苦戦した。FFさんから、一旦写真に撮った番号を全てメモにコピーして、メモからコピペしてシリアル入力をすれば早いという有益情報を教えて貰ったので、そのやり方でやってみたら本当に早く入力できた。そしてなんとか期限までに申し込みを終えた。

当選発表までの間はひたすら長かった。人生でここまで積んだ経験がなかったので、このお金が全て無駄になってしまったらどうしようって気持ちと、当たったら当たったでそもそも私に対して保乃ちゃんが書くことマジでなくない?って気持ちと、保乃ちゃんと2分間何話せば良いんだろって感情が入り混じってよくわからないことになっていた。いっそのこと早く私を楽にしてくれ…状態(末期)。
そして7月19日。当選発表当日。その時私は駅の改札にいた。発表される時間帯は18時くらい。恐る恐るフォーチュンミュージックの応募画面を開く。

まさかまさかの当選の文字。え、ガチ…?私保乃ちゃんからサイン貰えるの?え?ボーダーも何もわからない状態で投げた枚数はあれで良かったの?ヤバいこと起きてる、いやヤバいヤバいヤバいってほんとに。ニヤケが止まらない。嬉し過ぎる。こんなに嬉しいことある?

オンラインサイン会当日までがこれまた長かった。当選発表が7月19日、オンラインサイン会当日が9月1日。1ヶ月以上もある。毎日サイン会のことを考えてしまうし、考え過ぎてもはや鬱状態。今まで感じたことのない感情が溢れて本当に生きた心地がしなかった。自分自身、推しメンへの感情は重い方ではないと思っていたけど、勘違いだったのかもしれない。重いよ私。当日が刻々と迫る。1週間前になると、普段推しメンの夢なんて見ない癖に、保乃ちゃんの夢を何回か見るようになった。オンラインサイン会なのになぜかリアルサイン会の夢だったり、メンバー達とワチャワチャ楽しくしている夢だったり。明らかに普段とは違う。焦っていた。保乃ちゃんと2分間何を話そうか。考えれば考える程よくわからなくなっていく。何を話すのが正解?色んな人のレポを参考にしようとするが、保乃推しのレポが思ったように見つからない。まあいつものことだけど。←

来たる9月1日。オンラインサイン会当日。この日はオンラインミーグリ4部があったので、その後にオンラインサイン会という流れだった。4部は9枚確保していたので、これまた緊張が止まらない。4部では写真集やドラマ出演のことについて話した。沢山おめでとうを伝える事ができて9枚があっという間だった。

そしてついにサイン会の時間になる。心臓の音が普段より大きい。スロースターターの多い保乃レーンは、やっぱりサイン会でも他のメンバーと比べて待機人数が少ない。私もその内の1人で、緊張し過ぎて全く受付ができない。そもそもサイン会自体初めてなので、どういった仕組みなのかよくわからない。待機人数が少し増えてきたところで、私も受付をする。身分確認はミーグリと変わらないが、名前の欄が「宛名」になっているのが新鮮だった。普段から保乃ちゃんのミーグリは「なつ」で通っているため、何の迷いもなく宛名を「なつ」にした。そのまま待機列に流される。そしていざ本番…!3.2.1のカウントダウンで保乃ちゃんの顔だけが画面に映るが、声が全く聞こえない。私が「聞こえる?」って聞くと、保乃ちゃんは首を傾げていた。そしてそのままフェードアウト。すぐにスタッフと繋がる。「音声問題ありませんので待機列へお戻します。」と言われ待機列へ戻される。その後も待機人数が入れ替わったり、まだ順番じゃないのに急に次の番になったりと、普段のミーグリでは経験しない出来事が次々と起こった。ミーグリは何の問題もなくできたのに、サイン会だけ音声不良になるのはなんでだったんだろう。そんなこんなで2回目、3回目も同じように音声不良で保乃ちゃんと顔だけ合わせる無言ミーグリを経て、ついに本番となる。

🧸「聞こえる〜?」
私「聞こえた、良かった!」
🧸「良かった〜!宛名はなつで良い?」
私「うん大丈夫!!」

(良かった〜から速攻で話変える保乃ちゃんとてもプロで好き保乃ちゃんだった。)

🧸「何か書いて欲しいことある〜?」
私「茶々丸は書いて欲しいな」
🧸「うん描くよ〜!他はなんかある?」
私「いつも保乃ちゃんから元気貰って頑張れてるから、仕事頑張って的なこと書いて欲しいかな。」
🧸「おっけい〜」(色紙に勢いよく書き始める)
←ここで10秒ほど沈黙

サイン会の勝手がわからなすぎて、10秒くらい沈黙になってしまった。さすがにマズイと思い、「これ話して大丈夫?」と保乃ちゃんに聞くと、「話して話して〜!保乃聞いてるから!」と返答が。なんて女神なの。では存分に語らせていただきます。
その後は私が保乃ちゃんを好きになったきっかけ、どんなところが好きなのかを時間の余す限り伝えることができた。始めは色紙に書いてくれていたのに、私が話し始めると、うんうんって相槌を打ってくれて、途中から書くのをやめて顔を上げて話を聞いてくれていた。時には驚き、時には嬉しそうに、そして菩薩みたいな表情で私の下手な話をずっと聞いてくれていた。ずっと女神で、可愛くて、優しかった。途中10秒ほどロスしたせいか、話している途中で「もうすぐお時間です」の表示が。いやいやまだ半分も伝えきれてないって。早くない?非情にも2分間はあっという間に過ぎ去ってしまった。最後に慌てて「これからも保乃ちゃんのことずっと応援してるね!」と伝え、フェードアウトとなった。

あっという間だった。始まる前は、2分間ってめちゃめちゃ長いよなぁ、沈黙になったらどうしようって不安しかなかったのに、終わってみれば全然時間が足りない。沈黙になってしまう時間はあったけど、保乃ちゃんが色紙にサインを書いている姿を眺めている時間さえプライスレスだった。
普段は長く話をする機会が少なくて(保乃ちゃんは常に1次完売)、しっかり伝えたいことはレターで補ったりしていたけど、サイン会って凄い。2分間で伝えたかったことの6割くらいは伝えることができた。(10秒の沈黙ロスタイム)

保乃ちゃんとのサイン会はこの日で終わったが、"オンライン"サイン会であるため、ここで終わりではなかった。その場でサインを貰えるわけではなく、後日郵送で色紙が届くというシステムになっている。調べると、通例だと2日〜1週間で届くとのこと。シングルによってその早さはまちまち。今回はどれくらいで届くんだろうな〜なんて呑気に過ごしていたら、時が来るのは意外と早かった。オンラインサイン会から2日後。仕事から帰宅すると、ポストには非情にも再配達票が入っていた。奇跡的に翌日の仕事が午後からだったので、再配達を次の日の午前中にした。そして翌日。そろそろ家を出なければいけないなぁなんて考えていたら、インターホンが鳴った。ついにその時が来た。

これよくTLで見るやつ…!ってテンションが上がった。そして暫く封を開けることが出来ずにいたが、意を決していざ開封!!

ついに、ついに保乃ちゃんが書いてくれた色紙が私の手元に届いた。好きな人が私のためだけに書いてくれたサインと言葉。嬉しくないはずがない。驚いたのが、サイン会の時は途中から私の話を手を止めて聞いてくれていたからそんなに書けなかったはずなのに、予想以上に色々書いてくれていたこと。サイン会が終わった後も、一人一人の色紙を時間をかけて完成させてくれたのだと思う。保乃ちゃんって本当に優しい人。そして一才手を抜かないところがプロ。

私に書いてくれた言葉。一文一文が嬉しい言葉で溢れていて、読めば読むほどニヤニヤが止まらなくなる。私がリクエストした言葉もしっかり入っている。それも保乃ちゃんらしい言葉で。何気ない一言が私にとっては宝物みたいな言葉だった。そして「これからもずーっと よろしくね」って言葉。こちらこそだよ。保乃ちゃんがその時を迎えるまで、そしてその先の未来も、私はずーっと保乃ちゃんのことを好きでいるし、保乃ちゃんの人生をずっと応援します。

サイン会に参加して本当に良かった。サイン会に応募すると決めてから、色紙が届くまでの約4ヶ月間、感情のジェットコースターに乗っているような気分だった。自分にはまだこんなに沢山の感情があるんだと感動すらした。サイン会自体はたったの2分間だったけど、サイン会に応募するまで、サイン会当日までの長さ、そしてサイン会当日、色紙が届くまで。ずっと保乃ちゃんのことを考えていた。サイン会自体はたったの2分間だったけど、私にとっては約4ヶ月間に渡る大イベントで、今はそれを終えた達成感を感じている。

このnoteは、サイン会は良いぞ!サイン会に行こう!とかそういう話をしたい訳ではない。
このnoteは、初めて推しメンのサイン会に参加したごく一般的なオタクが、思っていた以上に色んな感情になり、自分ってこんな感情があったんだと感動したり、保乃ちゃんのことをもっと好きになった。この感情を忘れたくない、そういう想いでつらつらと書いていたら、気づいたら6000字近い文量になっている。ただそれだけの話。怖いよね。自分でも怖い。そもそも始めは、保乃ちゃんが私のために書いてくれた色紙が欲しくて応募した訳だけど、全て終えた今考えると、少し考えが変わったと思う。もちろん保乃ちゃんが書いてくれた色紙は宝物だし、一生大切にする。ただそれ以上に、2分間保乃ちゃんと話すことができたという事実が私にとっては凄く大切で、忘れたくない記憶だった。あの2分間は間違いなく人生で1番幸せな時間だったし、レポを読みながら色紙を見る時間は至高。サイン会って凄い。

今までスペイベに一度も参加したことがなかったけれど、たまにはちょっと背伸びして、こういうイベントに参加するのも良いなぁと思った。もちろん、高額なお買い物であることに変わりないので、余裕がある時にまた参加したいと思う。そもそも余裕がある時が暫く来なそうだけど()

ではまた。










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