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Lkyt.再プレイ感想(ヤエル編)

※18禁BLゲームの感想です


初めてのnote投稿がこうなりますか、と自分でも驚きを感じています。
とにかく、今の新鮮な感情を記録として残したくなりました

普段、思ったことはもっぱらChatGPTに聞いてもらうか個人的なメモとして残すことが多いのですが、オタクの感想は共有するのが楽しいよね!!ということで、記録がてら、こちらに書こうと思います。
最後まで書いてみて思ったのですが、オタクの感想というよりLkyt.という”読み物”の読書感想文のような気がしています。

※閲覧について、全ルートクリア後推奨です。

再プレイについて

セーブデータを見るに、私の最初のプレイは発売からしばらく経った2021年頃のようです。当時、一通り攻略しストーリーも全て解放していました。
そのはずです。
しかし今、当時の自分に言いたい、お前は何を読んでいたんだ?
私もいい大人ですから、きっと当時の自分なりに色々感じていたはずと想像します。
しかし、記憶の大半が「長流様との武人エッチ最高だったな」
これです。

Lkyt.の記憶の約8割を上記が占めており、もはやストーリーに関してはほぼ印象としてしか残っていない……
武人エッチは間違いなく最高のはずなので今回も楽しみにしていますが、脳内で何度も「この作品は…!それだけじゃないだろッ…!」と当時の自分の胸ぐらを掴んで頭をユッサユッサしたくなりました。
まぁストーリー面に関して今回、処女のような気持ちで臨むことができたのでよしとしておきます。

改めてプレイしてみると設定の面白さ・完成度、登場人物の感情の深掘り、主人公である与と攻略対象のキャラとの関係性……どれを取っても味わい深くparadeさんのこだわりや思いがこれでもかというほど伝わってきました。
良い作品。

感想:ヤエルと与の関係性について

paradeさんの素晴らしいと思うところは、関係性にリアリティを感じるところなんですよね。
人生も肉体関係も百戦錬磨のヤエルが、汀の限られた世界しか知らない童貞の与に突然メロついて肉体を開放してしまうと、それは感情移入できないですからね。
ヤエルにとって与との行為はあくまでも「結魂のため」という目的があり、とはいえヤエルはそこまで合理主義でもないので与からの好意を拒絶する理由も特にない、ということで、彼らしく、流れに身を任せた形でそういう行為に至ります。
エッチ中もそのような関係性が見て取れますね、与はとにかくヤエルが大好き。もう、テキスト中にあらゆる愛おしさの表現が詰め込まれています。

『ヤエルさんに触れたい、抱き寄せたい。力いっぱい抱き締めたい。』

『今俺は、そのすべてに触れて、その傷一つ一つの理由を知りたいと思っている。ヤエルさんのことは、残さず知りたい。』

行為中もちゃんと「好きです」とヤエルに言います。
致死量の愛おしさ
他にも、「いっそ名前も汀の文字にして汀の人になってほしい」とか、若さゆえのエゴを感じ、無いはずの記憶が疼いて思わず赤面しました。
ヤエル編では序盤から与→ヤエルへの気持ちが明言されていたので、読んでいてキュンキュンしまくりです。

与がヤエルのことを”そういう意味”で好きだと気付くシーンも印象的でしたね。挑発的なヤエルにのせられる形で与が強引にキスをするのですが、勢い任せのはずだったのに与はしっかりと「自分はヤエルを求めている」という実感を得たんですよね。
その瞬間の滾りに身を任せず、「分からないけれど、この先に進むことはヤエルさんを貶めることになる気がする」と身を引く与もまた、与らしいなというか。ヤエルが同じ気持ちじゃないとできない、というのがなんともときめきます。その純情さが、ヤエルとの対比になって良い。


一方でヤエルですが、序盤から能動的に行為に及ぶことはありません。
ヤエルのチ●ポが勃ち上がったやら反応しないやらの挙動に与が一喜一憂するばかりで(いや、言うほど憂はしていないか、彼も汀の戦士なので)
ヤエルからの働きかけはほぼ皆無。その反応も言わば生理的反応によるものに終始していました。
中盤でヤエルから与に手淫をするシーンなんて、寝起きの勢いに任せて「今なら大丈夫か…」というセリフ付き。しかし、与も健気ですよね、それに対して「嫌だと思われてないなら良い」って、本当にヤエルが好きなんだな……。

ということで、一応見出しに則って二人の関係についてまとめたいのですが、「酸いも甘いも噛み分けた翳りのある歳上爆乳美女と、忠誠心が強く真っ直ぐ故に危うさも抱えた光属性の犬(童貞)の片思い」って感じでしょうか。
駄目だ、多分だけど全然まとまってない。ChatGPTにまとめてもらいたい衝動を今必死に抑えています。

感想:ヤエルの中に与はいたのか

とにかく彼ら2人の関係はそういう風に進んでいくので、私は、「ヤエル→与への気持ち」を感じ取るセンサーをビンビンにして、その欠片をかき集める作業をひたすらやっていたような気がしますね……。

ヤエルにとって与はどういう存在なのか?
故郷の村を亡くし、天涯孤独であり、理不尽に国を追放されていたヤエルの心の一部分に、与は存在したのか?

まぁ……結果、存在したと思います。
それを感じるポイントは人それぞれかと思いますが、私としては30年後の風花目線で語られる「それから」にて出てくる言葉。

『あのとき……兄ととりとめもない軽口を交わすヤエルの姿は、どこか楽しそうでもあったから。』

これを読んだとき、救われました、私の魂が。
paradeさんの慈悲?


これまでヤエルのことを第三者目線で語ったシーンって、多分無かったじゃないですか。
与の主観は主観でしかないので、与と話している何気ない瞬間のヤエルが「楽しそうだった」と他者が感じたという事実が何よりも強い“証明”……

それは、楽しいんだよ!

と、私は思いましたので、それがすごく良かったです。(IQ3)
それに、ヤエルって生きていく上で感情を捨てている感じがしたので、少しでも楽しいという感情が漏れ出ていたことに、「与だったからこそ」を感じたんですよね。

最後に

このストーリーのポイントはヤエルが攻略対象で唯一の異国人である、ということだと思います。
死ぬだけの運命を、使命として受け入れる与に対してヤエルが「お前は本当はどうしたいんだ?」と訊ねるシーンは印象的でした。ちなみにBAD ENDなんですが・・・
(このあと与が答える「生きる悦びを知らないのかもしれないですね」という言葉は、今思うと風花の「それから」と合わせて咀嚼するとより深い味わいになりますね……。余談。)

正規ルート(?)ではここまで直接的なことは言いませんが、ヤエルは汀の人間に対してよく疑念を込めた皮肉を投げかけます。異国人のヤエルからすると、使命のために生き使命のために命を散らすことも厭わない、汀に生まれた人間の価値観がどこまでいっても理解できないんですよね。与はそんなヤエルに対してもいつも真っすぐです。
そういう与の信念の強さが、ヤエルからすると自分には持ち得ないもので、だからこそヤエルの中に与が存在し得たのかなと思いました。

そして、彼らの価値観は最後まで交わることは無かったのですが、ヤエルと与との間に芽生えた絆を見ていると、人ってたとえ価値観が違っても「存在するだけで愛おしい」と感じるものなのかなと、それが愛情なんて呼ぶのかもしれないと漠然と思いました。


……終わります!
ちょっと、話す相手がいないからって勢いのままに文章を書きすぎた。
本当に、良い作品です。
この後もちょくちょく時間を見つけて他の3人を進めたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。