恋愛ノススメ(2)
“Kissが好きな男”
その彼の名前をAとしよう。
ほんの一瞬、人生の時間でいうと数秒なのかも知れないくらい短い期間のお付き合いだった彼。
(その期間、半年×2)
×2というのは数年越しで復縁したからだ。
彼はKissが好きなオトコだった。
こちらが明らかに拒絶の空気を前面に出して、なんなら威嚇しているにも関わらず
『グイッッッ』
と、肩を掴み半ば無理やりKissをするのがお好みだったようで。
いや、正確にいうと「食べる勢い」
花粉の時期、ほんとに息ができないくらい苦しいのでKissなんてしたくもない。と何度も伝えているのに
『グイッッッ』
俗にいう“ラブラブな期間”だとしても、息が苦しいって言ってる私に正面から迫ってくるのは、マイクロダイエットのビフォー見本。
(私の視界に映るA)
そりゃ、私もKissは大好きだ。
相手に“ギュッ”と抱きついて“んー(はぁと”
ってな具合におねだりすることだってある。
だけど、正面から迫り来る“ベトベトさん”には
思わず後退りしてしまう。
命の危機、貞操の危機。
口の周りをベタベタにされ、目の前でニヤつくベトベトさん。
奴の思考は“Kissのあと”を想像してるに決まってる。
(逃げちゃダメだ…逃げちゃダメだ)
いくらシンジくんが言おうと逃げなきゃ喰われる。
喰種はそんなに甘くない。
色んなコトが錯綜する脳内。
思わず口にした言葉は『気持ち悪い…(本音』
悲しそうなベトベトさん。
悲しそうな顔をして
『グイッッッ』
2ndアタックがあるとか聞いてないよ。
実際は懲りずに5thアタックまであったのだけど。
Kissが好きなオトコ。だから悪いわけでなく
Kissが下手なのがダメだった。
そこそこ現在はオトナな年齢に達したワタクシ。
Kissが上手!と思った人は、たったのひとり。
溶けるくらいの優しいKissをする殿方。
ン十年生きてきてたったのひとり!確率悪すぎやしませんか!?(立腹
世の男性には是非にとも、Kissの重要性を今一度考えて頂きたい。その後の展開を有利にするもしないも、それだけで決まるのだから。
…結局Aと名付けた意味ないけれど、まぁいいか。