武田薬品工業 京都薬用植物園の見学に行った話。
京都には「武田薬品工業 京都薬用植物園」という植物園がある。
ここにはその名の通り薬品に使われるような植物があるのだが、絶滅危惧種を含む希少な植物もあるため、一般向けには年4回の特別見学会でしか公開されていない。
ちなみにその見学会も定員があるので、希望者が多ければ抽選に当たる必要がある。
今回、冬の見学会に応募したら当選したため、見学に行ってきた。
今回見学したのは、樹木園、温室、漢方処方園の3箇所だ。
全部は書き切れないが、メモしたり写真を撮ったりしたものを紹介してみる。
漢方処方園
この漢方処方園は、漢方薬の組合せごとに植えられているエリアだった。
まず葛根湯と桂枝湯を解説してもらった。
葛根湯は7種類の生薬を使ったもので、桂枝湯は葛根湯から葛根と麻黄を除いたものだそうだ。
葛根湯の方が強いため、体力がまだある風邪のひき始めなどに使われるんだとか。
他に印象に残ったものとして、芍薬甘草湯がある。
飲んだら数分でこむらがえりが治るらしい。
私もよく足を攣るのでこれ欲しいなって思った。
処方の中に動物の脂が使われている漢方のコーナーでは、その動物の人形が置かれたりしていて可愛らしい。
漢方によく使われる生薬が順番に並んでいるコーナーもあった。
温室
次は温室だ。
眼鏡をかけていたら曇るぐらい湿度が凄い。
入ってすぐに視界に入るのはバニラの壁だ。
ここにあるものが日本最長で、13mである。
マダガスカルでは花粉を媒介する蜂がいるのだが、日本ではいないためスタッフさんが受粉を手作業で行なっているらしい。
次は香木であるビャクダン、ニュウコウジュだ。
ビャクダンは半寄生性で、他の植物と一緒に植えないと生きていけないらしい。
ニュウコウジュは削ると白い液体が出てくる。
エジプトではミイラ作りの防腐剤として使われてたらしい。
あと写真撮り損ねたけどトウシキミという植物の実から取れる成分でタミフルが作られているそうだ。
今は合成できるが、まだ合成できなかった頃はトウシキミから採取してたらしい。
下の写真はコショウだ。
未熟な実がグリーンペッパー、完熟一歩手前のものがブラックペッパー、完熟してから外皮を取ったものがホワイトペッパーで、同じ木から取れるものである。
ピンクペッパーだけ木も違えば属する科も違うという罠。
樹木園
スタッフさんによる案内はここまでで、樹木園では自由散策ができた。
↓葉がある方がセコイア、葉が落ちてる方がメタセコイア。
↓特に立て札なかったけど生えてたキノコ。
↓モミジバフウ。
クリスマスツリーとかに使われる木らしい。
樹皮から抽出したものが生薬にもなるのは驚いた
↓樹木園で一番笑った木、バクチノキ。
「人が博打に負けて金銭を取られ、身ぐるみをはがされる、樹木が脱落して木肌が露出することに由来する」らしいwwwwww
こうはなりたくないものだ。
↓ヤマモモ。
「殺虫」と「解毒」の作用があるのが不思議な感じがする。
薬毒同源ということか。
冬なので、どうしても葉が落ちていたり枯れてたりするものが多かった。
他の季節にもう一度来てみたいものだ。
余談
ちなみに、この植物園の存在を知ったきっかけは推しがよくロケに行っている「ショクナナ! 植物遊戯7チャンネル」というYoutubeのチャンネルである。(いつものパターン。今年1年の私の世界はほぼ推しで出来てる)
前日には京都薬用植物園の回の動画を全部見直して予習した。
動画で見た植物もいくつかあり、「あ!これショクナナで見たやつだ!」とテンションがブチ上がった。
ちょうどつい最近の動画で、ビャクタンとニュウコウジュを紹介していた。
私は高校時代は物理選択だった人間なのであまり植物について知識がなかったのだが、こうして色々見に行く機会が増えて面白いなぁと思うようになった。
余談2
樹木園で自由散策しているときに、近くにいたスタッフさんが話しかけてくれて、その時私が見ていたモモの木の話をしてくれた。
あと、「学生さんですか?」「大学院生ですー」という会話をしたり、「YouTubeのショクナナチャンネルでここを知ったので来てみました」ということを言ったりした。
また、この植物園には時折京大生が迷い込むらしく、そのスタッフさんは京大生を雰囲気で判別できるようになったと言っていて滅茶苦茶笑った。
確かに遠くはないんだけど、それでも迷い込むような距離と立地か…?
余談3
植物園から最寄りのバス停までの間に、メロンパンみのりというキッチンカーがあった。
北白川を中心に出店しているらしい。
キャラメル味のメロンパンにマシュマロをトッピングして食べた。
焼きたてで温かくて、マシュマロが少し溶けて美味しかった。