あのとき、一句 (3)
みつまたの蕾ととのふ青邨忌 里美『あかり』
今日、12月15日は俳人、山口青邨の忌日である。
青邨先生には、大学の俳句会で7年ほど、ご指導を賜わった。
齢90代の青邨先生。20代の私は、人間はこれほどまでに崇高な人格になれるのかと、青邨先生のあたたかくも厳格な文人精神に接して、感動していた。
三椏は、ご存知のように、枝が三つに分かれて、黄色の花を鞠のように咲かせる。
あのとき、その三椏の蕾が、明日ひらかんばかりに整列していた。
いま思えば、青邨先生に育てられた俳人たちが、行儀よく並ぶ蕾のようだった。