今後絶対出ないと悟った推し香水(概念)を作った話。
おそらく私がクソガキ中学生の頃から有名であろう香水専門店のFINCAさん(https://kaoribarfinca.jp)で推し香水を作ってきました。
事の発端は数週間前に遡ります。
「え…?香水再販……?推しの香水あるのこのジャンル!?!?ハ?!公式デュエットキャラソンもあるのに!?!!?!?!手厚ッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
いつも通りツイッター君を徘徊していた際にチラ見えした香水再販のトレンド。恥ずかしながら私はド新規の為、垢を作る前の推しのことは何もわかりません。しかし嬉しいものは嬉しい、絶対買お、コンビで買お。
そう言って意気揚々とバーナーをクリック❣️が、興奮はすぐ覚めます。
推し、香水になってない。
ハ??????????
いや、分かる。
クソほど分かる、なんなら若干察してた。利益的なね、そういう目線を見るとね、分かる。人気の有無で言ったらあるとは言えないし華もねぇ、いや推しは世界一カッコイイし可愛いのですが……。
あぁ、彼等が活躍するこのタイミング出ないってことは推し達の公式香水は永遠に出る事は無いンだろうな…。まァこういうのは客商売ですしキャラの偏りはしょうがないんですよね…
でも理性が許そうが本能は許してねぇんだわ。
とりあえず友人にラインです。
話の早いオタク、大好き。
12月って言ってたのにLINEしてから2週間で来てくれました。本当にありがたい、持つべきものは行動力と理解のある友人ですね。
ここまでが経緯です、既に500文字超えてます。バカは要約出来ないから話が長いよ……。
以下が制作レポ(感情書き散らし)(若干香る腐の自我)になります!
日曜日!新宿三丁目!待ちに待ったカオリバー【FINCA】さん!!もう入る前から心拍数が大変なことになっています。気持ちを高める為に移動時間キャラソンを聞いていたのが仇になりましたね、既に死にそう。
なお、待ち時間に「どんな香りにしたいか?推しのイメージを書く」んですが私達は事前にホームページにある紙を見て記入してきたので、この時間はお互いの記入欄を見せ合う時間に。以下私の怪文書になります。
友人「う〜〜〜ん文字数!キメェ!!!!!!」
(※超仲良いです。)
流石に全部を載せると引かれそうなので、要素だけチョイスします。
・現在は不動産勤務
・なりふり構わない・怖いもの知らずな性格
・身長は高めで細身
・唯一無二で親友で幼馴染で兄弟の盃を交わした自身のヒーローだと思い""〇〇はオレの全部なんだよ!?""と公然の場で叫んだ存在がいる
・ついて行くと決めた人間には一途
・実はシンプルに強い
・ガラとセンスがとにかく悪い(短ランドカン柄シャツグラサン赤テープという役満)
・大人ぶりたいけど甘党です♡
・タバコを吸っている
・ドンキにありそうな安っぽいキツめの香水つけてそう
・青春を謳歌してるのでそれも出せたら…
いや〜!!!!!!誕生日新規絵助かる!!解像度上がるなぁ!!!!!!!!!
ここまで情報が「相棒が大好き」に集中しまくってた推し、実は先日お誕生日を迎えておりまして、推しの新規情報がどっちゃりきたワケです。このタイミングでの燃料投下は非常に助かりました。
これはもう公式が作れって言ってんだわ(虚言)
さて、五分もしたら直ぐに私達の番になりました。予約時間ピッタリなところもプロ意識の高さが伺えて既にリスペクトです。
基本的にワンツーマンで推しを探してくれます。
作るでもなく、見つける・探し出すがコンセプトなのめちゃくちゃイイですよね。オタクを分かっていらっしゃる…。
私に付いてくれたのは同世代くらいのミルクティーっぽい髪をした顔面の良いお姉さんでした。大学の友達に似てる。ノリも客側に合わせて下さるのか、テンション高めのJDって感じで助かりました。(同じくらいのテンションの人、落ち着くので)
ここで推しのプレゼンを書いた紙を手渡します。
私「マジでめちゃくちゃ気持ち悪くてすいません…」
「全然ですよ〜!!!私は彼を見ることが出来ないので、お客様の熱意と語彙力でイメージをお伝え下さい!」
ママじゃん……。ふむふむという風に一言一句逃さずに見て下さるお姉さん、妄言ばっかなのでそんな見ないで下さい。(それが仕事なんだよ)
ここからがお姉さんのターンです、怒涛の質問攻めとなります。
「彼は漫画のキャラクターですか?」
「(推しのこと彼って言うのか……滾るな……)そうです!少年漫画!縄張り争いもあるバトル物ですね!」
「超能力とかファンタジー要素は?武器とかは使いますか?」
「ないですね…現実世界の話です!そんで拳一択です」
「なるほど!では彼は「カッコイイ」「可愛い」「綺麗」で選ぶとどうです?」
「…………。(エグいほどの長考)すみませんいやホント私からすればめちゃくちゃカッコイイんですけど、客観的に見てカッコイイのか分からなくって………」
「大丈夫、自信を持ってください!彼は凄く素敵な方ですよ」
え〜〜〜〜ん、ママ…。
推しがイケメンだったら迷わずカッコイイ一択でした、でも残念、推しはイケメンじゃないしガラが悪い。いやそこがめちゃくちゃ好きなんですけど。
そんなこんなで他にも様々な質問をされつつ
まずは三種類、探して頂きました❣️
「一つ目はこちらになります!彼の純粋で向こう見ずな面と年相応の幼さ、相棒を大切にする青春をイメージしました」
「アッ……う〜ん??」
いい匂い。爽やかな風が吹き抜けるようで、なんならめちゃくちゃ好き。けど違う。
例えるなら「部活動で全国目指してるペアが願掛けとしてお互いのシーブリーズのキャップを交換してる青春」
中学の頃の部活に命を捧げていた思い出が蘇るようです。でも違う、ここで私は気づきを得ます。
"私は彼等のことを青春だと思ってるけどやってることの治安はスラムだし、迷惑この上ないので近所に住んでたら絶対嫌なんだよな…"
そう、青春だけど青春じゃないんだ!(最悪)
「ここまで爽やかな学校生活は送ってないですね」
「なるほど!次行きましょう!」
「二つ目はミッドナイトサーカス×カリブです。これは現代の彼のイメージですね。不動産という真面目な職に就き、10年の時を経て落ち着いた彼の男性的な魅力を表現しました。大人の香りですね」
私「(ア!??!!?!反社軸の香り!!!!!!!いきなり寄るな!!!!!!!!!!!)ひぃ……分かる…………………」
こんにちは、選ばれたのは反社の推しです。
幾度と無く修羅場をくぐり抜け、既に酸いも甘いも噛み分けた裏社会の男の香りがする……。キケンなセクシーさがあるというか、甘くてスパイシーな香りの後にクる落ち着いたウッド調の香り……。アイツなんかホストやってたり妙に女慣れしてる面もあるからめちゃくちゃ解釈一致だな…これ付けて六本木の会員制BARとかいたら死ぬよ。
……………はァ🤦♀️
こんなどエッチな香り引っさげて相棒の隣に立ってるんでしょ…ヤバ…絶対彼好きだよこの香り……(いきなり腐女子の自我を見せるな)
「めちゃくちゃイイです…いました……大人の方の推しがいました…この匂いつけて相棒と一緒に死んだところが鮮明に見えました…」
「エ!?死ぬんですか!?!!?!?!」
すみません、言葉足らずで。死ぬのは反社軸の推しです。(世界観説明クソ難しいな)(死ぬ世界線もあるんです)
そりゃ不動産勤務の男が死ぬ言われたらビビるよね、何が原因で死ぬんやて。ところで相棒と命日も一緒って素敵じゃないですか?リアルゆりかごから墓場までだよ。
「いや〜めちゃくちゃビックリしました!いました推し」
「見つけると嬉しいですよね!どんどん深追いしていきましょう!次はこちらをお試し下さい」
「三つ目が風のカタナ×シャイガイです。相棒の為に仲間を裏切ってしまったある意味で日本刀のような忠実さと、タバコを吸ってる彼のちょっとヤンチャなイメージを合わせたパンチのある香りになります」
「………………ウワッ!」
かなり近い
なんというかスッキリとした、しかし強く鋭い香りとハーブ系のタバコを彷彿させる香りがします。全体的に結構前衛的なテイストで背伸びしたい中坊が見せるハリボテの大人っぽさがある。
いや俺さ、モブ部下なんだけど前に最寄りのコンビニでばったり推し君に会った時にこれ香ってきたよ。「アレ??推し君香水変えました?相変わらずパンチ強いッスね〜笑」って言ったら殴られたもんね。存在しない記憶だよ落ち着いてくれ。
鮮明に浮かぶ推しの姿、うわー!!推しだこれ、いるわコレ!!!!おったわもう!!!!
ここで私は意を決して叫びます。
「これに…!手を加えることは可能でしょうかっ…!!!」
満足しないオタクって本当に最悪!𝑪𝑨𝑵𝑴𝑨𝑲𝑬 𝑻𝑶𝑲𝒀𝑶
でもどうしても解像度をもうちょい上げたかったんです……。「大丈夫ですよ〜👌✨」とお姉さんは笑顔で快諾して下さり、この二つ目の香りをベースにお付き合い頂きました。以下はその際に使った会話の抜粋です。
↓↓↓
「個人的には推し本来の香りと推しが付けてそうな香水を合わせたくて」
「彼は甘党でしたよね!香水もちょっとキツイけど甘いの選んでそうなので、二つ目をベースに甘いの合わせていきませんか?」
「(解像度高ぇな4K?)お願いします!」
「ちなみに学校には通われてますか?」
「う〜ん、かなりバカ…いや不真面目なのでマトモには行ってないです!多分ド〇キやカラオケ店の方が足重なく通ってるんじゃないですかね?」
「あ。ほんとに素行が悪い笑
じゃあもうちょっと強めでもいいかなぁ」
「彼って仲間を裏切っちゃうくらい、ピュア・無垢ってレベルで相棒さんが大好きですよね!現在のお仕事も相棒さんと一緒なんですか?」
「(ピュア…分かるなぁ…泣きそう)そうなんです……。かなりツーカーっていうか、タイムカプセルの手紙も自分じゃなくて相棒宛に書いたり、相棒の世界は広いんですけど本当に推しの世界はほぼ相棒のみで形成されてると思います!入る隙無いっていうか笑」
「でもそういう男の子にトキメイちゃうの分かりますよ笑」
「!?へへ………(余りにも""実在する前提""で話が進むので変な笑いが出るオタク)(すっげこの返しプロじゃん)」
そうして出されたのがこちら
「風のカタナ×バニラカフェ」
「シャイガイ×ヴァンサンクムーン」
「バニラカフェがムスキーなトーンとコーヒーチックなトーンの柔らかい甘みのある香り、ヴァンサンクムーンがスモーキーな香りとウッディバニラの深みと甘みのあるテイストになっています」
「ひゅ〜〜〜〜(死)(死)(死)」
近づいたなぁ"""正解"""によォ!!!!!
強めの鋭い香りの後にほんのりとした甘さがスゲ〜〜〜〜イイ。アガる。
「宜しければ少し時間を置いてもう一度嗅いでみて下さい」
「フム……。ア"!?!!?!」
より甘い!!!!!!!!めちゃくちゃ甘ったるいのにクドくない!!!!!!!!!!!
こんなに変化するものなのか、とエグいほど衝撃を受けました。なんというか、初手は煙香る、男性感強めのバチバチした香り。そこからジワジワとバニラのような、線香のような甘さがドンドン現れます。引くほどビビったんだがこんなギャップの魅せ方あるのか??????
「かなり変化しましたね!?」
「これだと彼の纏う香りだけではなく普段の騒がしい様子と、仲間を締める時は締める点、実は強いっていうギャップも表現出来ると思いまして!」
「いたせりつくせり過ぎる…」
はァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、いる。
おる、推し、ここにおる。
またこの甘い香りに変化するのは後々のことなので、これを知ってるのは"推しに近しい人だけ"なんだと思うと無限に興奮出来きます。
勿論モブ生徒クン(俺)も分からない。廊下ですれ違い様にこれを嗅いで「何だこのヤンキーキツい香水付けやがってクソが……」ってことしか分からない。
最高だナ……。
強く残る方が甘いムスクなので彼の部屋は割と甘ったるい香りに包まれてるんだと思うと吐いちゃうナ……。
というか相棒にこの香りが移って「推し君は香水キツめだけど、相棒君の方は甘くていい香りするよな」とかモブ部下に思われてたらどうしよう、本当に本当にどうしよう。(全部幻覚だが????)
どちらも推しの内面を表現した香りであり、"推しが絶対付けてるであろう強めの香水と彼がアホほど吸ってる煙草の香り""のミックスって感じで高笑いが止まりません、何?嗅ぐタイプのクスリ?
しかし、めちゃくちゃに"推し"だからこそ、この二つ死ぬほど悩みます。そんな私にお姉さんが一言。
「外の方が分かりやすいと思います!是非外に出て彼の画像を見ながら、彼を見つけて下さい!」
言い方ぁ………(オタクを分かってる)
そうだよ、見つけに行かねぇとな。廊下ですれ違った時に香るバカヤンキーの香りをよ……
全オーラを鼻に集中させろ
四大行の高等応用技"""凝"""
「こっちにします‼️‼️‼️」
最終的にチョイスしたのは
「シャイガイ×ヴァンサンクムーン」
決め手はラストにほんのりと漂うタバコのような香りでした。線香の煙とバニラの甘さが残る点が良かった。(ちなみにバニラカフェ落選の理由は「推しはブラックコーヒー飲めないからコーヒーチックなトーンはアレかな…😣💦」という私情です。)
最後に写真を撮らせて頂いて、推し概念の香水を吹きかけたカードも選ばせて頂きました!結構なカラー数があったので推しのイメージカラーを発見出来るのも嬉しいですね。
「香水をつけたカードを財布に忍ばせると、後に開いた時に彼の香りが漂うので自分へのサプライズになりますよ!」
笑顔でとんでもねぇこと言う。
この後我々は新大久保でランチしたんですけど会計の際に財布を開けた時"""マジ"""で香ってきてひっくり返りました、フラグ回収ですね。
余談なんですが、友人の推しは薔薇と紅茶のイメージらしくミリしら状態の私でも嗅いだ瞬間パリのテラス席のあるカフェへ飛びましたし、「お前の推しじゃん」になった。凄く上品な香りです。
本当にキャラクターによってこうも変わるのかと驚きの連続、めちゃくちゃ濃い30分間でした。