何も無くさない選択肢
運命の人は ひとりじゃないよ
って、以前、元彼は教えてくれました。
自分の運命を変えてくれた人、みんなが運命の人。
いろんな「運命の人」がいる。
私の一人目の運命の人は、間違いなく元彼さんです。
私を拾って、愛して、温めて、育てて、見守って、時には叱ってくれた人。
本当に感謝しています。
私の上司だった頃から、いつも私のことを第一に考えて、寄り添ってくれました。
たとえ自分が独りになってでも、私の幸せを願ってくれています。そんな事は想定内だと、彼は笑います。
おれは先に死んでしまうから、年の近い素敵な人を見つけなさいと、いつも言っていました。
そんな彼を、見捨てる訳にはいかない。
まだ何も返せてない。
彼は「おれは自分のためにお前を愛していただけだから、おれに返さなくていい」と言います。
受けた愛は彼にあげなさい、それがおれの望み、とも言います。
この人ほど愛に溢れた人を、私は知らない。
しあわせは、見つけるもの、作るもの。
お前の世話をするのはおれの生き甲斐だったけど、それがなくなっても、また次のしあわせを探すから。
どんな時も、決めたことに向かって前を向きなさいと教えられてきました。
だから私は、ずるい私らしく「なにも手放さない」選択をします。
どちらも大切な人だから。失いたくない。
それが世間から頭おかしいと思われることでも、私の生き方。
もしかしたら今の彼との火種になるかもしれない。
でも、やると自分で決めた。
私の、元彼さんへの気持ちを何と呼ぶのか分からない。
依存なのか、同情なのか、家族的愛なのか、はたまた別の感情なのか… でも確実なのは、私の中では、もはや血縁以上に近い存在になっていたのだと思う。
名称なんて何でもいい。見守らせて欲しい。
少し寂しい思いをさせるかも知れないけど、困ったとき私を頼ってほしいから。
私が成長する姿をこれからも近くで見守って欲しい。
強くならなきゃ。
そうとは言え、今までと生活は変わってしまうから、まだまだ涙が欠かせない日々です…寂しい。