俺というおっさんが号泣した話

 先日、バイトの男の子達を誘ってカラオケに行った。こんなくたびれたおっさんと一緒にカラオケしてくれるとか実にありがたい話だ。

友達も誘って良いですかと言われたので、良いですよ、その人が俺を嫌でなければ、と返したら、むしろ来たいとのこと。
結果、4人でカラオケすることになった。

ただ俺としては普通にアニメ縛りのカラオケするのかなと思ってたのだが、4人のうち2人がガチのラブライバーでぬいぐるみやペンライトなどを持ち込んで完璧な振り付けしながら歌っていた為にカルチャーショックを受けてしまった。

そこまでやるのか! という感動である。

俺もラブライブの曲はそこそこ知ってるので、ある程度はついていけてたのだが、歌のレパートリーが尽きて脱落するという、カラオケ人生の中ではじめての体験をしてしまった。

1人はその日、バイトがあるので早めに抜けた為、残った2人を自宅付近まで車で送っていったのだが、車の中で割と楽しくおしゃべりすることが出来て、とても有意義な時間となった。特にその日はじめて知り合った人とは何故か波長があったのだろう、車を止めて小一時間ラブライブ談義に花を咲かせた。LINEも交換出来てよかった。

まだ観てないラブライブ!スーパースター!!の話にもなった。彼が歌っていた曲の中で気になった歌詞の歌があり、その曲名を聞いたら「はじまりは君の空」だという。

翌日、Spotifyでダウンロードして車の中で歌ってみた。俺は近くの創造館か山の上の神社(未だ名前を知らない)の前で出勤前に車を止めて歌っている。

めっちゃ良い歌詞とメロディだなぁ(しみじみ)と改めて思い、早くカラオケで歌いたくて何回も何回も歌っていたら突然、何だか涙が溢れて止まらなくなってしまった。本当に何でだろう、何の涙なんだろう、こんなに自分の為だけに泣いたのは久しぶりだった。この後、仕事なのが勿体無いくらい泣いた。

いつの時代もそうなのだろう、モラルと属人性の混合から来る世間の声があって、それが自分達の行動を縛っている。俺はいわゆる弱者男性だしオジと呼ばれる存在であるし独身で学歴も金も地位もなく底辺すぎる底辺である。社会の片隅でひっそりと生きてる虫みたいな存在だ。

でも、そんな自分の今を吹っ飛ばして、この曲は俺の隠している欲求を全肯定してくれたのかなと分析してみた。ペトロニウスさんやLDさんのように賢くはないから、この分析はあっているのかはわからない、けどわからなくて良いかなとおもう。

今、わかるのはこの曲を完璧に自分のものにしたいなって事だ。この曲をちゃんと歌いたい。

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