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妊娠適齢期について

唐突ですが10代での出産についてTwitter上で妊娠適齢期について絡まれたので調べてみました。

妊娠適齢期1

妊娠適齢期と言われているものが何を指標に考えられているのかというと、「死産率」「周産期死亡率」「染色体異常児出産率」「妊産婦死亡率」などで考えられているようです。

国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター副センター長 齊藤英和氏によると「男性の加齢も染色体異常の発生に影響します。しかし、やはりより大きな影響を持つのは、女性の加齢です。」としています。

で、死産と周産期死亡については低体重児と妊娠期間の因子が大きいということが報告されています。

参考:周産期死亡率の年次推移の観察 牧 野 茂 徳  河 野 泰 三 宮 田 昭 吾

「染色体異常児については生まれてくるから問題ない」と考えた人がツイートしてきたのですが、どうなんでしょうか?

発生確率で見ると、他の要因の場合、15~19歳の自然死産は、最も低い25~29歳との差が1.6倍というのが最大の格差ですが、染色体異常率(ダウン症)だと年齢が増えるたびに頻度が増えていき、たとえば15歳と25歳とでは後者が1.56倍、29歳とでは2.1倍、34歳では4.4倍、39歳とでは13倍もの開きがあります。

妊娠適齢期2

参考:母年齢と染色体異常の頻度

10代での出産においてはマイナスの社会的な環境の要因が指摘されていますが、生理学的な要因からくる懸念としては周産期死亡や低体重児が30代後半と同等もしくはそれ以上という点にあります。また、妊産婦死亡率は10代は20代前半と同程度もしくはそれ以下の水準であり、30代以降と比してその割合は非常に少ないと言えます(前掲国立成育医療研究センターのHP参照)

このように、各要素の観点から見た婚姻適齢期は異なり得るが、おおむね20歳代は安定しているという理解になるでしょう。

その上で、10代後半と30代の出産を比較した場合にどう感じるかはその人次第でしょうが、社会的な環境が整っているのであれば10代後半の方が安全に出産できると言える面もあると思います。

なお、他界している私の祖母は14歳で初出産、10人以上生みました。

100年前としても多産だったと思いますが、4人以上子を産んだ者が67%だったという調査結果がある時代であり、2020年の現代からすると想像できない領域になってしまったなという印象です。

参考:歴史的に見た日本の人口と家族 第三特別調査室 縄田康光

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