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大阪吉村知事はPCR検査で新型コロナ陰性結果を得る方法のイソジンうがいを紹介しただけ:今日から外国人留学生らが再入国

研究内容はいいと思うんですよ。

でもね、その発信の仕方が酷過ぎないですか?

ポビドンヨード(イソジン)うがいの励行をする大阪府知事

判明したのは、唾液中のコロナウイルスを減少させ、唾液PCRの陰性化を加速させること。

これ見ていろんな人が「唾液PCR前にうがいすれば陰性の結果が得られるね」と考え付いていました。

どうすんですかねこれ?

ちょうど、タイミングのいい「イベント」が発生していますし。

外国人留学生らがPCR検査を条件に再入国可能に

吉村知事によるポビドンヨード液によるうがいの励行が行われた翌日、入国制限となっている国・地域の者であっても、外国人留学生等の一部の者らがPCR検査を条件に再入国可能になりました。

この際のPCR検査ってどうやるんですかね?

従来の綿棒を鼻の奥に入れてグリグリ…なんでしょうか?

唾液PCRなら検査前に小細工できてしまうということが、今回の研究結果から明らかになったわけで、リスクが高いよなと。

既にJapan Timesなど英語メディアでも報道されてますから、外国人に周知されて、「新型コロナの陰性結果取得方法」といったライフハック術が広まる懸念が

イソジンうがいによる健康被害の可能性と水道水の方が効果があるという研究

そのほか、吉村知事が根拠にした研究を実施して、同じ会見場で説明もしていた松山教授も、ポビドンヨード液によるうがいを長期間やってガラガラ声になったとか、のどが痛くなる人が出てくるとか健康被害の可能性に言及してるのにメディアはガン無視してますし。

そもそも水道水によるうがいが風邪予防に効果があり、他方でポビドンヨード液によるうがいでは対照群との違いが現れなかった、という研究結果がありまして。
Prevention of Upper Respiratory Tract Infections by Gargling A Randomized Trial(American Journal of Preventive Medicine, Volume 29, Number 4)

この研究は新型コロナではなく、一般的な感染症について、症状が出なくなったという意味での効果を測定した結果であり、ウイルス量を測定したりはしていないのですが、松山教授がこの研究について触れていないのが気になります。

口腔ケアが大切ですよねという前向きな指摘

医師からも大阪の発信に疑問が呈されています。

ここでは、他にも副鼻腔と口腔に対してポビドンヨード液をつかって洗浄した場合の新型コロナウイルスに対する効果(ウイルス量を減らすことができるか?)を見ている研究や:https://www.clinicaltrialsregister.eu/ctr-search/trial/2020-001721-31/GB
ポビドンヨード点鼻薬によって、新型コロナウイルスの陽性になる確率の測定が行われている研究などがあることが紹介されています:https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04364802

これらの結果を見てからでいいじゃん?と。

この記事が4日の21時台に出されているというのが凄まじいです…危機感を覚えたのだなと推察します。

で、上記記事にもあるように【別にポビドンヨードに限らず、口の中を清潔に保つ、『口腔ケア』によって口腔内のウイルスが減ることでの感染拡大や重症化の抑制が期待される】という指摘が重要だろうと思います。

大阪の吉村知事の発信を前向きにとらえるなら、うがいに限らない口腔ケアをしましょう、という受け止めをするえべきなんだろうと思いますが、ここまで示した考慮要素を吉村知事は全部すっ飛ばしているので、結果的に唾液PCR検査陰性の結果を得る方法の開陳をしただけなんじゃないの?と思うんですよ。

以上

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Nathan(ねーさん)
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