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nathalie(ナタリー)ができるまで

初めまして!
ナタリーのオーナーの竹元です。
今日はまず、お店の自己紹介も兼ねて

”ナタリーが始まる前のお話”を書いてみたいと思います。

2017年1月14日に201のお部屋だけで土曜日と日曜日だけオープンするお店としてスタートして、その年の10月には201の向かいのお部屋204も追加オープン。2018年4月16日に古着を加えて”服を売らない服屋”という衝撃的な言葉を看板にリニューアルオープンしたナタリーですが、、、

振り返って思い出してみると、、、
10代の頃からいつか自分のお店をやってみたいなぁ〜とぼーんやり思いながら、だけど、それは本当にできたらいいな〜!くらいで淡ーく思い描いていた現実味のない夢でした。

なんとなく趣味だった物作りが仕事になり、日々自分のブランドnolum(ノルム)のお仕事で手一杯で この”ぼーんやりした夢”はいつか叶うだろう とふわふわしたままでした。。。

そんなぼーんやりした夢が、突然動き出したのは2016年頃

なぜかその日、『2年後(2018年)くらいにお店やろうと思う。』
スタッフと話しているときにぽろっと出たこんな会話からでした。

自分の口から突然出てしまったこの言葉に自分でびっくりしたくらいです。

スタッフや夫に話しながら、ぽろっと出てしまった自分の言葉にどんどんイメージだけ膨らましてしまって、ただただワクワクして、そのまま放置していました。

イメージしているその時間はとても幸せだったなぁと今でも思い出すことがあります。

2016年当時、結婚をした私は夫とともにアトリエと家を一緒にできるお家を探していました。当時アトリエと自宅が車で15分離れた場所にあったのです。

何件も何件も探して、全然いいなーってところが見つからなくて、最後に出会ったのが F GARAGE(現在ナタリーがあるビルの名前)でした。

出逢った時のナタリーの部屋は初めはこんな部屋でした。

嘘みたいですが、
事実、マイホームを探していたら、たまたま今の物件に出逢ってしまった!

すごく古くて、ちょっとわかりにくい場所にあって、、、
改装はお好きなようにどうぞ!とうたっている。

まさに、これ、私のイメージにぴったり!!
このくらいの狭さなら、商品数が少なくてもスタートできそう、、

この時、写真のようななんでもない古くて狭い部屋を見ながら頭の中では自分のお店の空想が広がっていました。

一緒に物件を見た夫も
『出逢っちゃったってことは、今は家の引越しより、お店をオープンしろってことだね。』と言ったくらい、夫婦二人して、ピン!と来たのです。

一旦落ち着こう。持ち帰ってから考えよう。と言って家に帰ってはみたものの、どうしても気になって我慢ができず、その日のうちに契約をしました。

そんな、計画性のない、とんでもない始まりだったのです。

”始める”のは簡単でした。
わからないまま飛び込んで、やってみてから悩みました。


夫は私のことを
”ジャングルに裸でのそのそ飛び込んでいく人” と言います。

今思えば、洋服屋の暗黙のルール、とか、お店を始める取説とか、何にも知らなかった。本も読まなかった。調べても、、、ない!

無知だから何も考えずに飛び込めたのかもしれません。

やるのは簡単。続けるのが難しい。

とよく聞きますが、本当にその通り。始めるのはとても簡単でした。


決めてからはもう、そのことだけで頭も体もいっぱい。
全てがお店のためにあるようにいろんなことが動いていきました。

このお店に出会ったすぐ後くらいの時期に新婚旅行を計画していたので、
新婚旅行でお店の商品を買い付けよう!

契約をした後に、すぐにそう思ったことは、隣にいた夫には口に出さなくても伝わっていたくらいです。笑
新婚旅行はサブタイトルなんじゃないかってくらい、全然ゆっくりできない新婚旅行になったことは言うまでもありません。

内装は全て自分たちでやる!決めたはいいものの。。。

契約が終わって、改めて物件の鍵を頂いたときに、
あれ?この前はあんなに素敵なお店の空想ができたのに、この部屋ほんとに何にもないし、狭いし、ボロボロ。わかりにくい場所にある。
どうやったら素敵になるの????

正直、部屋にポツンと一人になったとき、初めて不安が押し寄せました。
大丈夫かな?、、、と。

そんな不安を抱いていても時間はどんどん経過していきます。
ぼーっとしている時間はもうありませんでした。それが良かったんだと今は思います。

廊下側についていた古いすりガラスを透明のガラスに変えてもらうことだけ、
たまたま隣の202号室を事務所に使っていらっしゃった工務店さんにお願いして、
それ以外は全て自分たちで進めました。

まずは夫が床をはってくれてスタート

壁は私の仕事!と
よくわからない道具を手にして表面のコンクリートをどんどん剥がしていきました。普段は椅子に座ってミシンをかけていた私は、初日は三脚に登るだけで足が重いと感じるほどでしたし、壁剥がしで腕は筋肉痛。

毎日毎日、くたくたになるまでお店に籠って、寝るためだけに家に帰って、起きたらお店に来て作業開始。帰るのもきつくて寝袋で寝る日もありました。

年末年始は ほとんどお店にいました。

今でも当たり前のように『古い家の梁っていいですよね〜』と褒めていただきますが、
ナタリーの梁は、私が懇願して、夫がつけてくれた後付けの梁です!

この梁にはいくつか忘れられないエピソードがありますが、、、
友人のうさぎ農園の二人のご厚意で梁に使えそうな木を譲っていただき、熊本から運んで来たものです。

壁担当の私は、当時参考にしていたお店の壁を目指して、深緑の珪藻土を塗る!と決めましたが、
珪藻土を扱うことも初めてで、乾く前の色と乾いた後の色の変化にぐったりするくらいイメージが違って、よし!と塗り替えたけどやっぱり違う!
散々色々やりましたが、壁には一番悩まされました。

乾くことを計算したらオープンまでギリギリセーフの日

私は何を思ったのかホームセンターで悩むことなく赤と青のペンキを買って
全部混ぜて塗ってみるという、とんでもない冒険をしたのは、本当のはなし。
いつ思い出してもあの日自分のしたことにはびっくりします。

ナタリーの壁の色は初めて来た人にはよく褒めていただけますが、ヤケクソで塗ったらこうなった!のが今の壁の色。
がっかりするエピソードですが、、私もとても気に入っています。笑

本当に、お店をオープンするまで、たくさんの人やお店に助けていただきました。
お店を始めると決めたから出逢えたひともたくさんいます。

偶然が重なり、本当は高いものが半額セールになっていて購入できたり、、、
たくさんのラッキーも背中を押してくれて、

完璧ではないけれどスタートできた!
嬉しい!ありがとう!!なんだろうこの達成感!!!!
それがスタートの日に思った私の正直な気持ちです。

こうやって、近くの工事現場のおじさんや大好きなお友達や、お客様、そしてスタッフ、家族、みんなに見守られてスタートしたナタリーの始まるまでのお話はここまで。


改めて振り返って書いてみるといろんなことがあったなぁと懐かしく思います。
次回は始まってからのお話も書いてみたいと思います。

文:竹元あい(店主)

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