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同人誌の感想が欲し〜い!!(感想のもらい方)
同人誌の描き方の記事を何本か書いたんですけど、同人誌、せっかく描いたら読んでくれた人がどう思ったか…知りたくないか…?
有り体に言えば…感想が欲しい…!!!
せっかく描いたらやっぱり感想が欲しい
感想が貰えないって言って好きな作家が筆折っちゃった…って人が定期的にツイッターでバズる。儲けになるわけでもないのに余暇を削って頑張って好きだから描いたのに反応がないのはつらいよな…わかる…。
そしてそのたびに「好きな作家は推せるうちに推せ!!」みたいな「読者側・感想を送る側」への叱咤が飛び交う。
でも、作家のほうが「感想を送りやすい作家になってみる」のもいいんじゃないか…?
自慢に聞こえたらごめんだけど、私は割と感想がもらえる方だ。
めったにどメジャージャンルで描くこともないし、作家人気があってどこのジャンル行っても作家買いされるサークルってわけでもない。稀にイレギュラーが起きるが、概ね売れる部数の平均は二桁中盤といった所だ。
でも大体売れた部数の10〜20%くらい感想貰える。例えば30冊売れた時に6件も感想貰えたらすごくない!? 5人に1人も感想を!!?!?!?
自分で描いたもののこと、めちゃくちゃ好きでおもしろいと思ってる人間だけど、客観的にもそう思われているかはわからない。同人誌のおもしろさってスコア制じゃないから。だから、おもしろいから感想貰えるんだな!ヨシ!みたいなのは自分では判断できない。
ただ感想をもらう工夫は結構していると思う。感想、やっぱもらうとうれしいから…。どのくらい嬉しいかというと、これまでもらった十数年分の感想全部印刷してノートに貼ってつらくなった時に読み返してるくらい嬉しい。どんなエナドリより効くぞ。
そういう人間の感想をもらう工夫みたいなものをここに書いておく。まあでも匿名メッセージフォームのQRコードを奥付に貼るとかはもうみんなやってる気がするので、最後の方にあっさり触れるくらいにします。なんだろうな…大半を戦略とか態度(?)みたいな話します。精神論かよコノヤロー!!ってなったらごめん。
ただ、基本的に受け身でも感想がじゃんじゃん貰える人のことは外れ値だと思って欲しい。元々フォロワーが多くて売れた本の母数が大きいとか、いきなり目を剥くようなクオリティを出してきたとか、そういう超人です。
ここではそういうタイプじゃない、よくいるそのへんの島中の平均的な同人作家の場合の話をするので、感想が欲しい方の参考になれば幸いです。
心に留めておいて欲しいこと
感想が欲しい〜と思った時に大前提として心に留めておいてほしいことが2つある。
「感想はコミュニケーションであること」と、「感想も創作活動であること」だ。
感想はコミュニケーションである
感想が欲しい!!と思ったら、素直に日頃から「感想が欲しい」ってしつこく言おう。おっ…馬鹿みてえなこと言ってんなコイツ…って思ったらごめん。でも大事なんだ。そしてよほど返信不要って書いてる以外は感想をもらったらマメにお返事をしよう。
これ実はめちゃくちゃ大事なんだ、「この人は話しかけていい人なんだ」「話しかけたら喜んでくれる人なんだ」って空気を作ろう。
感想って観点になっちゃうと忘れがちだけど、普通に知らない人に話しかけるのってものスゲーハードル高い。高いよな…?ワイがコミュ障なだけか…?
でも話しかけてもらってそれにお返事を返す形だとずいぶん楽だ。なにもないところに感想を書き始めるより、「おもしろかったですか?」って聞かれて元気よく「ハイ!」って答えるほうがハードル低い。
だから「感想ください!!」は絶対言ったほうがいい。
そしてもっというと具体的に欲しがるといい。
「好きなシーンぜひ教えてください!」とか「このページ頑張ったんですけどどうですか?」とか。
読み専の人にはきっと「感想って言ってもおもしろかったしか浮かばんし…まあもっとちゃんとした感想送ってくれる人がいるだろ…」って腰が引けちゃってる人も多いと思う。でも同じ一言だとしても具体性が出ると「私はこう!!」って言いやすくなる。設問を絞ると個性が出る。
まあ「おもしろかった」のたった一言でも作家は嬉しいんですけどね、喉から手が出るほど欲しい。
そして感想をもらったらマメにお返事をする事についてだが、これ無限ループになっちゃうんだけど、我々作家が感想をもらって嬉しいのと同じで、感想を送ってくれた人も感想の感想(お返事)をもらうと嬉しいのだ。
我々が「めちゃくちゃ嬉しい感想をもらったからまた次も本を出そう」と思うのと同じで、感想を送ってくれる人も「この作家さんはすごく感想を喜んでくれたから次の本にも感想を送ろう」と思ってくれる。無限ループって怖くね???いやこれはいい循環だと思いますね。
結論、「日頃からコミュニケーションをよく取る」って当たり前な人間的社会性のお話になってしまってすまない…。相手に「この人は話しかけても大丈夫だし、気さくに返事もくれる人だ!」ってイメージを持ってもらうのが結構大事だ。なお実生活ではできていません、ワイはコミュ力おしまいだ…。
自分もそうだけど多分うまく会話での言葉にできない事があるから創作活動って方法を取ってるみたいな人も多かろうと思う。この萌えが言葉で言って伝わってたら言葉で言ってる。絶対そのほうが楽。だからおしゃべりあんま得意じゃない…みたいな人も多いと思う。ワイもだよ〜!!!
まあでも「感想ください」は言葉で言って伝わる部類の感情だから、しつこく言ってみよう。たった6文字やし。
そしてこれは少し気持ち的に大変かもだけど、最初の1個目の感想が貰えないよ~って人は勇気出して身近なお友達とかに読んでもらって「どうだった?」って聞いてみよう。そして答えてもらったら、ツイッターとかで「友達にこんな感想もらったよ!」って自慢しよう。この人って感想もらったら喜んでくれるんだ!!を見せよう。感想は感想を呼ぶ。
感想も創作活動である
「感想ほしいってしつこく言え」って言った舌の根も乾かぬうちに言うことじゃないんだけど、感想を述べるのも我々が同人誌作るのと同じで創作活動なんですよ……つまり、けっこう大変!!本をお金を出して買ってくれた人に向かって、さらに大変なことをしてほしいって言ってる!!
商業コンテンツなんて批評家とかレビュアーってそれで飯食ってる人もいるんだから感想も立派な創作活動だと思ってる。漫画とかイラスト、小説も拡大解釈したら現実の事象や既存の作品に対して思ったことを増幅やデフォルメして作ってるんだから感想みたいなもんだと思う。
これ聞くと、気の優しい人は「感想欲しい」って言うのがむしろ申し訳なくなっちゃうかもしれない。でもそうじゃなくて、大変だからこそちょっとでも感想送ってくれる人に楽してもらおう・手助けしてあげようって態度で感想聞いてみるといいと思う。
まず、すぐにできるのは、とにかく感想の送り先への導線をわかりやすくすること。自分は同人誌の「あとがき」「奥付」「感想フォームのQRコード」を最後の1ページに固めています。これだけでもかなりいい。
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二次創作だと場合によっては「いらなくなったら燃やして…」みたいなことも書いてある(物騒)。
本文読み終わったら事務ページそんなに一生懸命何ページも読む人いないから手短にギュッとしてしまおう。
当然、感想ください!って言う時も感想フォームのURLを一緒にツイートしよう。
あと告知をするときなんかにお品書きやサンプル、通販ページのURLと一緒に感想フォームのURLも一緒に貼ってしまおう。買ったのと同じところから感想送れるの、めっちゃわかりやすい!!
委託だと流石にそんなことできないかもだけど、BOOTHとかだったら商品ページに感想フォームのリンク貼ってしまうのもいいと思う。
とにかく感想を言う場所に楽にたどり着けるように誘導してあげるといいと思う。
次に、前項で言ってた「具体的に欲しがる」「設問を絞る」がまさにそうなんだけど、我々がデッサン人形や3Dモデルでアタリを取るとお絵かき楽出来るように、感想にもアタリがあると答えやすい。
絵の感想が欲しい、ここの演出は頑張った、この話はここで盛り上がるように作ったとか、特に感想が欲しい部分を自分で言っちゃうといいと思う。自語りダサいよ〜なんてカッコつけてないでプレゼンしよう。カッコつけてるんじゃなくて恥ずかしかったらごめん…恥ずかしいよな…わかる…。
あとは感想フォームのサービスにあんまこだわりなければGoogleフォーム使ってラジオボックスとかプルダウンでおおまかな単語で回答作っちゃうのもあり。おもしろかった!かわいい!やばい!みたいな。WaveBoxのアイコンポチポチなんかがこれの一番簡単なやつですね。
とにかく「感想っていう大変な創作活動のひとつ」を他人にしてくれ〜ってお願いしているので感想をくれる人には優しくしてあげよう。その優しさは巡り巡って自分に返ってくるので…「情けは人の為ならず」だ。
感想が重たいものになりすぎている
ねえねえねえ、みんな学生の頃さ、読書感想文好きだった…?
あんま好きじゃない人多かったと思うんですけど…あれのせいで感想言うハードル上がってる気がするんだよな。
学校で書かされる読書感想文って「読んだ本をダシにした自己啓発」じゃないですか…「〇〇という人物の□□に心打たれ、僕も△△という気持ちで頑張ろうと思いました」みたいなのが評価されるじゃん…あれを「感想」の基準にしてるから書くのが難しくなってるよな…テーマや教訓を一生覚えてなきゃいけないなんてことないんだし、あらすじピャーっと言ってみたり、画面指差しながらここ好きとかそれだけでもいいじゃんな…。
感想、舞城王太郎先生の「淵の王」って作品の作中人物の会話のここ大好きでよくそうだな〜と思っています。
「どうしたの果歩ちん」
「あ、お姉。や、もったいないことしてるなーって」
「何が?」
「中学生なんかで頑張って難しい本読むべきじゃなかったかも」
「そう?」
「だって内容何にも憶えてない」
〜中略〜
「あはははは!そんなこと気にしなくていいんじゃない?本読んで本当に何にも残んないなんてことないんじゃないかな?あと、お話読むことって、ストーリーを憶えることじゃないから。歴史の教科書じゃないんだし。読んだときにどんなこと感じて考えたかじゃない?大事なの。そのときの気持ちはまた読み直せば復活するかもしんないし、果歩ちん成長してまた違う読み方ができるかもよ?」
そして、感想が貰えなくて筆を折ってしまう人がいる…っていうのもたしかにそうなんだけど、その言説が広まってるのもあって「この感想で…作家さんが作品書き続けられるか決まってしまう…だからちゃんと書かなきゃ…」ってプレッシャーになっている人もきっといると個人的には思う。
立派でかしこまった感想だけが素晴らしいなんてことないんだよな~。
もちろん熱量ある長文感想めちゃくちゃ嬉しいけど、「クッソ萌えましたエーーーン!!!」のたった一言でも作家の寿命なんてグングン伸びますよ、ワイがチョロいだけか…?
だから作家自身が気さくに感想を送ってそれで喜んでくれる人であるって態度を見せておくのは作家自身も感想貰えて嬉しいし、読み手も感想を送るハードル随分下がると思う。作家も読み手も幸せになろう。
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