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鈴原希実はなぜ大西亜玖璃のババを取ったのか・本編

この記事は同タイトルからの序章から続きます。
また、記事より前に、去る2023年1月3日に公開された、ラブライブ!の歴代4シリーズのキャスト計8名が出演する新年YouTube特番(下記リンク参照、アーカイブ10日まで)において行われた「学校対抗ババ抜き王決定戦」を、観ていただけると幸いです。ババ抜きは特番の後半です。

そして、本編となるこの記事では、まずババ抜き第2戦の流れを、第1戦と同様に以下のチャプターに分け表を中心にまとめます。
その後に本題である「鈴原希実はなぜ大西亜玖璃のババを取ったのか」に迫ります。
(以降、丁寧語や敬称などを略させていただきます)

注意事項

この記事は第2戦を扱い、前の記事から続く本編とする。ただし、第1戦も伏線と考えられる。なお、ババ抜き自体が所謂運ゲーであり、当然ながら取材も行っていないため、この記事でもタイトルの疑問が完全に解き明かされることはない。この点をご了承ください。

第2戦を3つに分け、ゲームの進行を記載した表を貼った上で少し文章を加筆する形式をとる。ゲームの前提となる情報は以下の通りである。

第2戦プレイヤー 新田、小林、大西、鈴原
控室(第1戦プレイヤー) 内田、逢田、久保田、伊達
カードを引く順序 (新田→)1小林→2大西→3鈴原→4新田
※引かれる側は矢印の左側である
表と記事において、1人がカードを引く~次プレイヤーがカードを引く前までを「1ターン」とし、表における枚数はターン終了時のものとする。
表の作成効率の観点から、引いたカード1枚ごとの情報は省略し、揃った時のみ〇を付けている。
なお、表には筆者個人の見解も含まれることをご留意いただきたい。

1.分かってるね?

早くも3ターン目が今回の「その時」である、鈴原が大西の持っていたババを取るシーンである。表の通り、大西は鈴原に向かって「分かってるね?」と数度発し、鈴原は大西がババを持っていると分かっていながら取ることになった。この背景を後段で探っていくこととする。
一方、新田は序盤から“例の顔芸”を見せ、大西と共に場の空気を支配していく。この2人の直接対決で最初からカードをやりとりしていれば、全く違う展開になったと思われる。
ババを持った鈴原はカード数も多く出遅れているが、カードが揃えば笑顔を見せていた。
鈴原の表情を的確に実況する伊達を含め、この後も第1戦メンバーのコメントが、第2戦をより面白くしていく。

2.この世界は厳しい

12ターン目、鈴原は新田に対しスペシャルプレーを仕掛ける。先輩から取ったババを大先輩に取らせる秘策は、大西や第1戦の誰よりも大胆であった。ババを他の持ち札より前に出し、庇護欲をかき立てる瞳で見つめ、「大好きです」の言葉で新田の心を動かそうとしたのだ。
しかし、大先輩にしてラブライブ!の象徴的存在である新田は動じなかった。「この世界は厳しい」「(勝利は)自分で掴みにいかないといけない」
作中でもリアルでも、ラブライブ!を守り輝かせ、現在のシリーズ展開を作り上げた立役者の言葉には説得力があった。
そして大西は、鈴原だけでなく、自身にカードを渡す側の小林に対しても「揃いましたぁ~」「なんでですかぁ~」とオーバーにアクションを起こしていた。昨今よく言われる圧ぽん現象と括っても良いが、それだけババ抜き(という番組の1コーナー)に真剣に向き合っていたのだろう。

3.最後に優しさを見せてくるなんて

前段の文で余り触れなかったが、控室側では鈴原を応援するムードになっていた。逢田の「のんちゃんがかわいそうだから」も正直な言だった。
控室側とプレイヤー側は、多少大きめの声を出すと聞こえる程度の距離(もしくはパーテーション)と推察され、互いの雰囲気は伝わっていた。久保田の「負けないで~って思っちゃう」にも大西はすぐ「みゆたん!?」と反応する。
新田がそのムードを察しつつも、鈴原のスペシャルプレーを含む7ターン全てでババを回避し、鉄壁のディフェンスで1位を決めた。時に探りを入れて確実なカードを選び、鈴原が仕掛けに順応すると運で上回った。
大西は後半やや大人しくしていたが、2位が確定すると喜び、1枚しかないカードを「なんでもいいよ♡♡」と鈴原に渡した。これが部活でも格ゲーでもなくて本当によかったと思う。鈴原の「最後に優しさを見せてくるなんて」もまた素直すぎる言葉だ。(今までは?となるため)
内田の言葉通りようやく平和なババ抜きが訪れ、3位小林-4位鈴原が確定して第2戦が終了した。

鈴原希実はなぜ大西亜玖璃のババを取ったのか

この問いに10文字前後なら「大西に怯んだから」で答えても良いのだが、当記事では背景や伏線等を示して判断したい。

第1戦の逢田の“ババおすす指定”

ババ抜きにおいて手札から特定の1枚を際立たせ、相手に考えさせる心理戦は何もこの特番に限ったことではない。
しかし第1戦の序盤から伊達が「おすすめありますか?」と仕掛け、内田もこれに乗じた。
逢田は伊達や内田のプレーをヒントに、自身の持っていたババを渡すために、久保田に「おすす訊かなくていい?」と仕掛け、ババおすす指定からのパスを決めていた。
このことを大西が覚えていたのが、第2戦3ターン目の「分かってるね?」につながったのではないか。最初にババを渡すプレーをすると相手が取ってくれる確率が高いが、ゲーム内の駆け引きが苦手(ニジガク内での人狼やNGワードを言わせるゲーム等に表れている)な自身が、第1戦の逢田と同じ方法よりも確実にババを渡すには・・・とまで明確でなくとも、そういったことを考えたか執念かで生まれたプレーと思われる。

鈴原は真っすぐで真面目なだけではない

鈴原がもし、ごく一般的な「真っすぐで真面目」なだけであれば、ババを持って以降に新田にも仕掛けたり、カードを机より下で混ぜたり、小林に視線を悟らせないために目を閉じたり反らしたりするなど、多彩な技は見せられないのではないだろうか。
そして、真面目だからこそ番組としての撮れ高を考え、大先輩に仕掛けられるメンタルがあるからこそ大西の技を受けて、敢えてババを「取った」。この記事のタイトルが「引かされたのか」ではなく「取ったのか」なのは、この考えに基づいている。

まごころ系スクールアイドル

大西もまた、番組に対して真面目だからこそ、勝つために自分の最初のターンでババを渡すプレーをしたのではないか。
そして自分の印象が悪くなるかどうかは横に置き、後輩にも先輩にも同じプレースタイル、全力で勝ちに行く姿勢を見せた。度々謝る場面もあったが。
鈴原に対する「分かってるね?」は、大西自身が番組やコーナーに向き合う真心ゆえに生まれたものであり、少なくともラブライブ!に縦社会を持ち込もうとした訳ではないことは、視聴者に伝わったのではないだろうか。

小まとめ

小さくまとめると、次の要素が重なって生まれたものと考える。
①大西はゲームに臨む以上は勝ちたいが、最初にババを持ってしまった
②大西はババを相手に渡す方法として第1戦の逢田→久保田へのプレーが記憶にあり、更に確率を高めるために「分かってるね?」のアレンジをした
③鈴原はこの手に乗るとババを持つと分かっていたが、あえて受けて見せ場を作るプレーを考え後で実行した(するだけの度胸がある)
④大西も鈴原も番組やゲームに対して真面目だからこそ起こったことであり、ババ抜きが面白くなった

おわりに

声優特番の1コーナー、しかも単なるババ抜きに対して、ここまで文章を連ねてしまい、長文失礼しました。
ババ抜き自体のゲーム性、番組の撮れ高、先輩後輩の関係・・・様々な要素が絡み、各キャストの絶妙なプレイングや発言によって、面白さが形作られたことを記し、番組のアーカイブが残らなくとも、ラブライブ!キャスト、そして声優出演の番組には奥深い味わいがあることを伝えたかった次第です。
これからも声豚、声優ファンとして声優出演番組を追い、楽しんでいきたいと思います。お読みいただき、ありがとうございました。

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