初音ミクをリアルにする方法
初音ミクをリアルにするのはCGやVRのような先端技術だけではないよね。超歌舞伎に関するツイートを見て、そんなことを思ったので覚え書き。
本日も無事に終えました。
— 坂東彌紋 (@yamon_bandou) September 15, 2021
初音ミクさんとは今回で二度目の共演です。
前回の共演は初演の超歌舞伎でした。前回は出来なかった初音ミクさんにご挨拶に行けました‼️
なんと一緒に写真を撮らせて頂きました。#超歌舞伎 #初音ミク #南座 pic.twitter.com/T2KCW9mdSy
ミク姉さんはいつも楽屋入りは一番乗りです！
— 坂東彌紋 (@yamon_bandou) September 24, 2021
本日はリニテッドバージョンの千秋楽です❗
一生懸命勤めます_(._.)_#超歌舞伎 #初音ミク #南座 #リミテッド #千秋楽 pic.twitter.com/Sy0JhhxhXG
超歌舞伎は、初音ミクがCGであることを認めている(いわゆる「中の人などいない」スタンスではない)し、なんならモーションキャプチャーの場面だって隠してない。初音ミクの動きを担当しているのが誰かも明らかにされてる。だから初音ミクの楽屋も草履も、別に必要ないはずなんだよな。いないんだから。
— 賢二 (@kaishainkenji) September 24, 2021
それでも超歌舞伎は初音ミクの楽屋に鏡と蘭を置くし、草履も置く。役者は挨拶に行く。「ミク姉さん」と呼ぶ。いない初音ミクの輪郭がそうしてじわじわと南座の中で作られていき、幕が開いた時、初音ミクはそこに"居る"。
— 賢二 (@kaishainkenji) September 24, 2021
絶対に袖を通すことがないのに、豪華絢爛なバーチャルではないお着物をわざわざ誂えて下さいました。
— 青海文庫館長 (@seikai_bunko) September 24, 2021
本当にありがとうございます。とても嬉しくて涙が出ました。 https://t.co/Cj37WHRbdD
RT #超歌舞伎 に関わる人たちが、初音ミクは存在しないと解った上で存在しているように扱うのは、彼女をプログラムし、歌わせ、歌を聞くことで存在を感じる人間が数多いる事を理解し、その人間達の気持ちと文脈に沿う努力であると思う
— 甘栗@ほろ酔い観劇（そろそろ行けるかな？） (@miso_amaguri) September 24, 2021
それに加え、古典芸能の担い手として器として「型」を作る→
→そこに魂を宿らせ、存在させる事を繰り返している積み重ねがある
— 甘栗@ほろ酔い観劇（そろそろ行けるかな？） (@miso_amaguri) September 24, 2021
役者は自らの肉体を「型」にはめ器にし、「役」という架空の存在に説得力を持って出現させる
同じ様にCGであれパネルであれミクさんの姿の「型」があり、草履、化粧前という楽屋の「型」を作り役者が挨拶をすればそこに→#超歌舞伎
→「初音ミクの魂」を見出す事を当たり前の事なのではと
— 甘栗@ほろ酔い観劇（そろそろ行けるかな？） (@miso_amaguri) September 24, 2021
ちょっと変わった石ころでも祠に納めて拝めば神が生まれるのと似ているかもしれないし、誰も見た事のない神器を「ある」物として敬うのとも似ているような…
「ミクさんマジ天使」ってそういうこと？…と、とりとめもないので終わる#超歌舞伎
一連のツイートを見て思ったのは、初音ミクをリアルにするというのは、こういう事なのだろうなと。
リアルな存在のように周りが振る舞うことで、その中心にいる初音ミクもリアルな存在になっていく。初音ミクをリアルにしているのは、そういった行為の数多くの積み重ね。
その分かりやすい一例を挙げると、初音ミクのライブコンサートのペンライトが、それですね。ステージの上にいる初音ミクはプロジェクターで投影された映像だとしても、それに向かってペンライトを振る行為が、自分にとっても周囲にとっても、初音ミクをリアルにする行為になる。
尻Pこと野尻抱介さんも、初音ミクは「ドーナツの穴」であって、それを取り囲む人々こそが実体であると言っている。
ミクさんがどこにいるかといえば、みんなの輪の中心にいるのだ。彼女はドーナツの穴なので。#らじみく
— 尻P(野尻抱介) (@nojiri_h) April 30, 2021
初音ミクのライブコンサートは、みんなで団結してミクさんを実体化しようとする場であると。
この話は、初音ミクに限らず、他のボカロやVTuber、アニメやゲームなどのキャラクターにも言える事だと思う。
初音ミクをリアルにする秘密は、ステージの上だけではなく、その周りにもあるのだ。
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