PEOPLE 1を知ってほしい

私が大好きなPEOPLE 1というバンドがある。『チェンソーマン』や『王様ランキング』、そして今期はドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』など、タイアップも増えてどんどん知名度を伸ばしているスリーピースバンドである。このnoteを見つけてくれたあなたに、ただの流行りのバンドとは言わせない音楽性、歌詞、世界観などなど、その魅力について伝えていきたいと思う。

はじめに PEOPLE 1とは

新アー写 良い

読み方はピープルワン。略称はピポワン、ピポ、ピ。まずはメンバーの紹介をしたい。作詞・作曲・編曲・グッズ制作などあらゆることをこなすPEOPLE 1の核、Deu(ドイ)さん。怪獣を歌っている方。そしてギターボーカルのIto(イトウ)さん。常夜燈を歌っている方。最後にドラムのTakeuchi(タケウチ)さん。彼らは大学のコピバンサークルが同じで、DeuさんとTakeuchiさんが同期でItoさんが後輩。PEOPLE 1のライブでもGollirazやandymoriのコピーをしたことがある。活動初期は顔も出さない正体不明のバンドだったが、銃の部品のMVを期に顔出し。それからはフェスや対バンにも積極的に参加し、FM802でラジオレギュラーをやったり、どんどん活動範囲を広げている。うれしい。

ここにチュウモク

まずは歌詞。私はPEOPLE 1は愛を歌うバンドだと思っている。以前行われたツアータイトルが「LOVE2」だったように、愛を表した曲が多い。もちろんその愛は恋愛に限らず、親愛、友愛、名前のつかないものまで。

たとえば僕があんまり愛を歌わないのは
笑った顔にときめく胸に 言葉なんていらないから

ラヴ・ソング/PEOPLE 1

弱さに寄り添ってくれる曲もあるし、明るい曲調なのに寂しさが感じられる曲も。Deuさんは歌詞から曲を作ることが多いという。共感できる歌詞なのは実際に感じたものごとを言葉にしているからだろう。そこに感じる愛は彼の優しさからだと思う。

恐れるな 愛おしき日々を
世界の終わりは君の左手でその反対側は僕の右手なのだ

魔法の歌/PEOPLE 1

次は音楽性。専門知識があるわけではないので理論などはわからないのだが、素人でも耳馴染みの良いメロディ。そして幅広い作風も魅力のひとつだと思う。MVの再生数上位3つをとっても、ダウナーな雰囲気の『DOGLAND』、いわゆるエモい曲調の『常夜燈』、アップテンポなロック曲『銃の部品』など、バラバラである。また、DeuさんとItoさんの正反対ともいえる声も曲調に幅を持たせているように思う。それでも、どの曲からもPEOPLE 1らしさを感じるのはきっとDeuさんの音楽だからだ。

最後に、MVを初めとした世界観だ。MVにはアニメーションが使われているものもあり、そのほとんどはイラストレーターcoalowlさんによるロトスコープが特徴的な作品である。PEOPLE 1の他にも『テレキャスタービーボーイ(すりぃ)』など、さまざまな楽曲のMVを担当している彼女はDeuさんと親交が深いようで、『悪玉みたいに』や『高円寺にて』など、コーラスとして参加していることもある。このMVにでてくるキャラクターはキーホルダー(この前のツアーでは『鈴々』のキーホルダーが即完売した。再販希望!)などグッズ化されていて、PEOPLE 1の魅力のひとつといえるだろう。とにかくかわいい。また、実写MVはGROUPNというチームが制作することが多い。『怪獣』や『GOLD』といった、ポップでレトロなのに近未来感もあるような、独特な世界観がピポワンっぽい!となる。

大衆音楽

そんなPEOPLE 1のファンは呼称が「大衆」であるのだが、PEOPLE 1にとって”大衆音楽”という言葉は大きな核になっている。1st EPの名前であるだけでなく、彼らが目指す音楽そのものなのである。ここからは彼らの音楽観について掘り下げてみたいと思う。そのうえで欠かせないのが1st アルバムリリース時の音楽ナタリーのインタビューである。まずは読んでみてほしい。

まだ顔出ししていない頃に公開されたこのインタビューは、おそらく全大衆に衝撃をもたらした。

Deu その別プロジェクトでは、自分が思う“カッコいい”を追求していたんです。でも、それでは売れないし、どれくらいいけるのかっていう先のビジョンも見えてしまった。それ以上先に進むにはどうしたらいいかもわかってしまって。でも、好きな音楽でセルアウトするのが嫌だったので、別のバンドを組んで、もっとセルアウトに特化したものをやろうと思ったのが、PEOPLE 1です。

Deu 本当に、PEOPLE 1では大衆音楽をやろうと思っていたので。ただ、僕は大衆音楽というものをほとんど聴いてこなかったんですよ。商業音楽じみたものって、決して嫌いではないけど、得意ではない。それよりは、さっき言ったようにイギリスのガレージロックのようなリフで進行していく音楽のほうが好きで。日本的なダイナミクスのある音楽は、そんなに好みではなかった。でも「それをやらなきゃ」というところから始まったバンドなので、このPEOPLE 1は。現状、まだ大衆音楽には距離があるけど、そこに近付けていくのが、PEOPLE 1の物語なんです。あくまで僕の視点で言うと、ですけど。「これもいつか大衆音楽になるんだ」という覚悟と皮肉と……いろんな内面が混ざったタイトルですね。

うん、重い。人の感情までエンタメとして楽しむつもりはないし、インタビューで彼らのすべてを理解できるはずもないが、この感覚がPEOPLE 1をPEOPLE 1たらしめているのかもしれないと思っている。メジャーデビューをしてセルアウトのために丸くならざるを得なかったアーティストはたくさんいるだろう。「今すぐ怪獣にならなくちゃ この条件を飲まなくちゃ」、そんな『怪獣』の歌詞が響く。

嫌だったことが少しずつ出来るようになる
そのたびに少しずつ透けていった
そうかそうだ 君はゴースト
愛すべき夢想と身に余る孤独はここに置いていくがいい

ゴースト/PEOPLE 1

ただひとつ言えるのは私たちはそんな彼らの大衆音楽が大好きだということ。大衆音楽の割に結構好き勝手してるし。例えそれが嫌だったことだとしてもそんな感情さえも音楽にしてくれる。辛いことがあっても頑張ろうと思えてくるのだ。だから多分彼らのいう「終わり」の時まで、なんなら世界が終わる時までPEOPLE 1を聴き続けるんだろうなとすら思う。

次の時代のページを捲って 僕が新しい僕を纏えば
このくだらない自分語りも抜け殻になるだろう
でもあんまり悲観しないでね そのために始めたんだ
ああまだ 夜が生ぬるいや

怪獣/PEOPLE 1

Deuさんが以前やっていたプロジェクト、「The Bad Ten Hours」は英詞のガレージロック。かっこいい。ライブ映像にはItoさんやTakeuchiさんらしき姿も映っている。

ちなみに、ライブ限定の『大衆音楽』という曲がある。暫く演奏されてなかったがこの前のロッキンで新アー写公開と一緒に演奏された。同じくライブ限定曲だった『高円寺にて』のようにいつか音源化されたらなあと思っている。でもそれは終わりのときなのだろうか。

ピポワンのライブ

そうして我々大衆は終わりまでの期間を噛みしめながらライブに行くわけだが、このバンド、ライブで化ける。まずはYouTubeで公開されているライブ映像を見てほしい。最近では初めてのアリーナ公演の様子を8曲もあげてくれたが、4回目のツアー「PEOPLE SAVE THE F×××ING WORLD」はなんと、ほとんど全編が公開されている。

”I can't stand this world.”
”I always feel like tearing it down.”

冒頭にでてくるそんな文章はPEOPLE 1の歌詞に漂う厭世観を表したようである。でも。MCで「くそったれた日常が続いていやになることもあると思うけど、イヤホンをつけたら僕たちがいるのでいつでも会いに来てほしい」、そんなことを話していて、思わず泣いてしまった記憶がある。こんな愛にあふれたメッセージを毎ツアーそれぞれのテーマに沿って伝えてくれる。PEOPLE 1のライブは、音楽をするだけじゃない。

ライブのススメ

PEOPLE 1のライブはダイブやモッシュはないので、ライブそのものが初めての方でも楽しめるはず。でもせっかく行くならコール&レスポンスとかいろいろ知っておきたい、そんな方に向けてわずかではあるが、これを知っておくと楽しめるんじゃないかなというポイントを書いていこうと思う。もちろん彼らは自由に楽しめるよう配慮してくれているので強制するものではない。でも、声を出したり手を挙げたり、その日その場所だけの一体感を感じるのも最高だったりする。

スーパーサポートメンバー
冒頭でスリーピースと述べたがライブではサポートメンバーがふたりいる。
Taguchi Hajimeさん(ときどき楽曲制作にも関わってくださっている。すごい。)とベントラーカオルさん(メイクとか髪型とか変わったりしていつも楽しい。すごい。)
Deuさんもそうなのだが、さっきまでごりごりベースを鳴らしていたのにいつの間にかキーボードを弾いてたりする。すごすぎ。PEOPLE 1の音楽は彼らのおかげでなりたっているといっても過言ではないと思う。ライブではふたりのソロもあったりするのでぜひ注目してほしい。

・新訳:シリーズ
ライブアレンジとして『新訳:○○』という名前で演奏される曲がある。PSTFWでは東京のアレンジ、『新訳:東京』が演奏された。ギターがかっこいい。他にもフロップニクだったりラヴ・ソングだったりいろいろある。フェスで演奏されることもあるが、今のところ音源化はしないみたいなのでライブだけのお楽しみになっている。次の公演ではどんな新訳がでてくるだろうか。

『さよならミュージック』
1st EP「大衆音楽」の中の一曲。MV化もされていない初期中の初期曲なので知名度は低いほうだと思う。でもポップな音に包まれたナイーブな歌詞で、個人的にはいちばんPEOPLE 1らしい曲だと感じている。
そんなこの曲はツアーの2曲目がち。1曲目でぶちあがったあと、イントロが流れるとピポワンのライブに来たっていう実感が湧いてくる。なんなら家で聞いていても「はじめましてPEOPLE 1です」といういつもの挨拶が脳内再生される。
この前Deuさんが「さよならミュージック」の部分を歌ってほしいとツイートしていたので、ライブに行くならぜひ一度聞いて(歌詞を読んで)行ってほしい。

『銃の部品』
珍しいロックチューンで有名曲のひとつなのだが、ライブではイントロまでにアレンジが加わっていて、お?銃の、、、、部品、、、、、、、だ!みたいな感じでだんだんわかっていく感覚が癖になる。怪獣やDOGLAND、Ratparkあたりと連続して演奏されがち。治安悪くて攻撃的で爆アゲ。ライブ映像にも映ってるけどあげてる手を銃の形(配信ジャケットに描かれた薬指と小指を折り曲げた形)にするのがお約束で、「ま、肩の力抜けって^^;」のところはみんなでコールする。楽しい。

・『BUTTER COOKIES
定番曲というわけではない気もするけど、この曲の手拍子について書かないわけにはいかない。前でお手本を見せてくれたりするけどとにかくリズムが難しい。実はいまだにわかってなくて、止めるとこでひとりだけパンってしちゃうことがある。はずかしい。Twitter(現X)に解説あげてくれてる先人がいらっしゃるので練習して臨もう。あとは手拍子つながりでいうと『フロップニク』とかもある。これも止まるタイミングがちょっと難しい。

・『エッジワース・カイパーベルト
フェスでも定番のぶちあがり曲。最後とかアンコール後にやることが多いが、PSTFWではまさかの3曲目で大衆を驚かせた。『ハートブレイク・ダンスミュージック』などキラーチューンが増えたこともあり、セトリ落ちすることも増えた印象があるけどやっぱりこの曲でタオルを回したい気持ちがある。イントロからアウトロまでひたすらタオルをぶん回すので、初参戦の方はタオルを買っておくと楽しめると思う。もちろんなくても楽しいけど。
ただ、アウトロが長すぎて腕が死にがち。ムキムキを目指してエジワトレーニングを提唱したい。

その他コーレス等
『スクール』の「カルト、ビリーバーズ」「サンセット、デプレッション」「ジーワード、ゾンビーズ」「ミスター、ドリーマー」
113号室』の「犬もね!」
GOLD』の「アアアア~」
夏は巡る』でサビのシンガロング などなど
もともとコーラスが入っている曲が多いので結構多かったりする。『スクール』とかは楽しすぎて音源とライブで印象が結構変わった。新曲たち『idiot』『メリバ』で歌ったり手拍子したりも楽しそう。

長くなってしまったが、先に書いた通りこれは強制するものではない。MCに心を動かされたり、照明(『紫陽花』が特に綺麗)に注目したり、グッズ紹介で笑ったり、ピックがもらえるように願ったり、各々の楽しみ方ができる素敵なライブなのであくまで楽しみ方のひとつとして参考にしてほしい。

また、気になったそこのあなた。12月21日と22日に有明アリーナで第8回本公演 "PEOPLE 1の世界"が行われる予定。初日はSOLD OUTしているのでチケットとるなら今!絶対後悔はしないのでぜひ一緒に楽しもう(ダイマ)

最後に

多分PEOPLE 1というバンドの素晴らしさについて、言語化できないところもあってほんの少ししか書けなかった。けれどこのnoteを見つけてくれたあなたが彼らに興味を持ってくれたり、彼らへの想いに共感してくれていたりしたら嬉しいな、と思う。そしてPEOPLE 1、いつもありがとう。

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