2023年1月の観劇

RRR

日本では「バーフバリ」で有名になったラージャマウリ監督の新作。
公開は昨年だが、ロングランしている映画館があり、その根強い人気で最近上映が復活したところもある。基本的に映画は公開初週の土曜日に観に行く私だが、本作はタイミングを逃していたので、復活上映IMAXで観た。

インド映画は基本的に長めで、本作も3時間ある。

W主人公のラーマとビームは、それぞれラーマーヤナ、マハーバーラタを由来としているらしいけど、別にそんな背景とか知らなくても楽しめる。
しょっぱなから度肝を抜くアクションの連続で「いやいやw そうはならんやろwww」って場面もたくさんあるのだが、だんだん麻痺してきて「カッコよければなんでもOK」になってくる。

とにかく2人のヒーローのアクションがキレッキレ。そこにスローモーションなどの映像的演出が加わってカッコイイ構図が作られる。インド映画なので歌もやるし、ダンスもやる。

「バーフバリ」よりもエンタメに振った印象。インド映画を観たことないならこれをお勧めする。なお、植民地時代が舞台でキツめの差別表現があるのと、けっこう凄惨に血を流すシーンもあるので、そういうのが苦手な人は心構えをしておいてください。

レジェンド&バタフライ

キムタクの織田信長と、綾瀬はるかの濃姫。

幼少のころに「信長の野望」を遊び倒した身からすると信長が題材というだけで加点要素なのだけど、本作は信長と濃姫の関係性にぐっと迫った濃密なラブストーリーだった。

多少ネタバレになってしまうけど、合戦描写などは控えめ。歴史的にもストーリー的にも重要な桶狭間のエピソードも、合戦自体は描かれなかった。この時点で本作は時代劇として描くつもりなさそうだなと感じた。

私は濃姫に関してはあまり知らないので、どこまで史実を重んじているかわからないけれども、政略結婚が当たり前のこの時代。不器用な信長と、強気な濃姫が、徐々に惹かれていく… というか認め合うみたいな印象を私は受けたかな。

もちろん、ご存じのように悲劇的な最期をとげるわけだが、すべての柵を捨てて2人だけの世界、海の向こうで幸せに暮らすことを願わずにはいられなかった。

金の国 水の国

「このマンガがすごい!」を獲ってるらしいのだけどオンナ編だからか、これまで知らなかった作品。マッドハウス制作。

国境を高い壁で隔てて反目しあう2つの国だが、古い盟約でお互いに国一番の花婿・花嫁を相手国に送りあう。A国からは最も美しい娘を。B国からは最も賢い男を。という取り決めだが、両国の王はお互いに偽って猫や犬を送ってしまう。それを送られたB国の男:貧乏な建築士ナランバヤルと、A国の末席の王女サーラが、ひょんなことからそれと知らず出会い…。

敵対しているといっても国民同士はそれほど憎しみあってはいないので、それほど殺伐としていない。というかむしろ全体的にほっこりしている。それはぽっちゃり王女のサーラのおかげかもしれない。

サーラのCVは浜辺美波だが、事前に知っていなければ気づけなかったかも。これまで様々な映画で見てきた彼女の印象とはだいぶ異なる、優しい声色の演技だった。

A国(の王)を戦争に駆り立てようとする右大臣くらいしか悪者といえる悪者がおらず、主人公たちの周囲には国交が回復することを望んでいる人たちがけっこういるので、話がこじれなくて良かった。

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