税理士試験と共に過ごした日の記録①
記録①として、税理士試験にチャレンジし始めたきっかけを思い出そうと思う。
勉強法等については②以降に記載する。
私は早稲田大学文学部演劇映像コースにて、
学生生活を過ごした。
サークルにとにかく力を入れていたが、
小さなころから興味のある文学や、大学に入ってから好きになった演劇や映画館についての学びができて毎日が楽しかった。
なによりも、北海道から出てきた私にとって、
東京という街も、東京に馴染む人たちもおもしろかった。
両親から離れた生活も楽しかった。
そんな日々を過ごしていたある日
当時お付き合いをしていた人が、2年間の努力の末公認会計士に合格した。
めでたいし、すごすぎる。
彼はとても変わった人で、周囲から好かれていたかというと、私にはわからない。
けれど、遊びたい盛りの大学生活の中で
黙々と資格取得に向けて勉強する姿は素晴らしいし、心から尊敬していた。
そんな彼に
「睦も、何か資格の勉強すれば?簿記とかどう?
何も持っていない文学部卒ってやばいよ」
と言われた。
うるせえよ。
うるせえ、と思ったけれど、正論だなと思った。
周りが就活に向けてインターンに行き始める大学3年の秋。
焦りを感じていたのも確かだった。
小さいころから本が好きだから小説家になりたいと思っていた。
中学の頃小説家で食べてくのは難しいみたいだから、本に関わる仕事がいいかなと思った。
それにはどうやら早稲田文学部卒が多いらしいと、テキトーに調べたネットに載っていたから、そのまま頑張って、早稲田文学部にいるけれど
おそらく本に関わる仕事ができる人は限られているということも気が付いていた。
文学部に進んだことで、就職先を心配した母が
「あなたは女の子なんだから手に職をつけなさい」と教職を取るように言ってくれていたのに、
始めてから1週間で面倒くさくてやめてしまっていた。
うーん。確かに。
何か資格勉強やってみようかな。
彼は「簿記でもやってみれば?」と言う。
そういえば高校生の時に父が
「高校在学中に簿記2級に受かったらパソコンを買ってやる」と言っていたことを思い出した。
そこまでパソコンを欲しいと思わなかったから、忘れていた。
というわけで、会計のかの字も知らない文学部生がなんとなく漠然とした将来の不安から簿記を勉強してみることにした。
簿記は3級、2級共に1発で合格した。
ここでは、簿記についての細かい勉強法について割愛するが(というかもう忘れてしまったが)
とにかく買った1冊の問題集を繰り返して解いた。
おそらく3回はやった。
これは私の中学時代からの勉強法である。
私はあまり要領がよくないから
同じことを最低でも3回やって、やっと習得できる。
そしてそれだけやればあまり忘れもせず、
どんな試験も突破することができた。
2級を受けたとき直前でTAC出版の予想問題集を買って解いたけれど
間違いが多くて不安ばかり増幅したので直前での方向展開はよろしくない。
今思い出したが2級会場に着いたときに、
受付にて、前の人が
「電卓忘れたんですけど借りられますか?」と聞いていた。
舐めとんのか。と思った。
この後私は本格的に就活に突入することになる。
エンタメ業界(出版社やキャラクター関連企業等)を最初は志望していたが
軒並み「お祈り」だった。
そのストレスをエンタメが救ってくれた。
私はここで、
私はエンタメを享受したいのであって
エンタメを創り出すことを仕事にしたいわけではない(仕事にすることに向いていない)
と気が付く。
これは、正しかったと思うし、だから「お祈り」だったのだと思う。
歴戦の人事部ってすごいな。
好きなエンタメを享受するにはどうすればよいか
エンタメを創り出さないが支えることはできないか、と考え
「生活の安寧」と「金に関わる仕事」に軸を変更し、スムーズに職が決まった。
このときに
「簿記もスムーズに受かったし、金融業の内定もスムーズに出た。
向いているかも」と思ってしまった。
資格試験は、目に見えた近くの目標を設定することができるし
それに向けた努力も実感できる。
日常をだらだら過ごしていた私にとっては
目に見える自分の努力が心地よかった。
だから就活を終えて暇になった私は次の資格取得を求めた。
父から「税理士試験の簿記論か財務諸表論あたりいいんじゃないか?
金融業に進むなら役に立つぞ」とのアドバイスがあり、興味を持った。
興味を持ったところで、その後は卒業まで遊び惚け、
卒論をこなし、新社会人となる。
②へ続く