マイルドライナーをノック式に改造してみた
蛍光ペンは教材の情報を視覚的に整理するときの強い味方だ。ただし、これまでの蛍光ペンには難点があった。それは色のどぎつさだ。情報を整理しているはずなのに、学校指定の資料集のような雑多な紙面になってしまったという経験は、もはや中高生の通過儀礼である。そんな悩める者達を救うべく2009年に降臨したメシアが「マイルドライナー」だ。
マイルドライナーは”蛍光感を抑えた蛍光ペン”というパラドキシカルな商品だが、その自家撞着的性格によって上の問題点を見事に解決した。さらに、全25色の圧倒的カラーバリエーションは審美的なノート作りに大きく寄与した。かくしてマイルドライナーは絶大なる支持を集めるに至った。もちろん私も支持者の末席に名を連ねた。
だが、マイルドライナーを使って教材の色塗りに励むうちに、こうも考えるようになった。いちいちキャップ閉めんの面倒臭えな、と。
一色ならまだいいが、複数色のマイルドライナーを同時に使っていると、キャップを閉める作業が思いのほか負担となる。閉め違いにより誤った色を塗ってしまい膝から崩れ落ちることもあった。かといってキャップを開けたままにしておくと、ペン先が乾いてカスカスになってしまう。
そこで、マイルドライナーをノック式に改造することで、キャップを閉める作業を日常生活から排斥してしまおうと考えた。私は己の怠惰と強欲を恥じると同時に、それらを引き受けて前に進むしかないと覚悟した。さあ、作業を始めよう。
用意するもの
・マイルドライナー(マイルドレモンイエロー)
・ハンディラインS(イエロー)
もちろん、他の色でも可能である。ただし、以下の手順にある通り、ハンディラインSのペン先にマイルドライナーのインクを装着することになる。それゆえ、色の不自然な混ざり合いを防ぐためにも、両者は同系色をチョイスした方がよい。
手順
⑴ マイルドライナーを解体する(持ち手部分を外す)
⑵ ハンディラインSを解体する(ノック部分を外す)
⑶ マイルドライナーの芯をハンディラインSに装着して元に戻す
このとき、芯をノック部分に強めに押し込むのがコツだ。
⑷ マイルドライナーのインクが降りてくるまでインクを出し続ける。
⑸ 5~10分くらいすると、線の色がマイルドライナーのものに変わってくる。写真をよく見ると、ペン先も変色していることが分かる。
⑹ 完成!
⑴~⑶は道具を用意するまでもなく全て素手で行えるものだ。⑷以降は墨磨りにも似た虚無作業だが、己の欲深さを見つめる良い機会である。それに、ペン先がマイルドライナーに染まった以上、次回以降のインク交換は⑶までで済む。最初だけ我慢すれば、バラ色の、いやマイルドコーラルピンク色のマイルドライナーライフが待っているのだ。
ぜひお試しあれ。
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