名文today_1/『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』
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この本で考えたかったのが、風景から方法を逆算すること。衰退の先に新しい幸せな風景を発見し、その風景が形成されるメカニズムを探すことだった。国は違っても、変化の構造は驚くほどシンクロしていた。所有から共有へ、ヒエラルキーからネットワークへ、組織主導から個人の活動の集積へ、集中から分散へ。あらゆる街で価値観の逆転が起こっていた。
そしてわかったのは、衰退は悲しいことではないということだ。それは、ひとつの現象であり、ポジティブに受け入れ、楽しむべきものなのだ。
人口が減り、既存のシステムに隙ができるからこそ、新しい発想や活動が入り込み、これまでになかった価値を生み出す余地ができる。だから、突き抜けたクリエイティブは、衰退の先にこそ生まれている。
日本の社会は、これから大きな実験の時期を迎えるのではないだろうか。僕らは今からそれを楽しまなければならない。
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『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』/ 馬場正尊ほか / 2017.12 / 学芸出版社