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名文today_31/『明石海人歌集』

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加はる笞(しもと)の一つ一つに、嗚咽し慟哭しあるひは呻吟しながら、私は苦患の闇をかき捜つて一縷の光を渇き求めた。--- 深海に生きる魚族のやうに、自らが燃えなければ何処にも光はない --- さう感じ得たのは病がすでに膏盲に入つてからであつた。

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『明石海人歌集』/ 村井紀編 / 岩波文庫 / 2012

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