【#反緊縮コラム その3.信用ビジネスの始まり】
前回が11月ですね。。。💦
ひさびさに記事を書こうと思い立ったので、その気持ちを大切にぼちぼちやっていきたいと思います。
今回は《銀行》にスポットを当てて自分なりにまとめてみたいと思います。
①銀行の始まり
みなさんが当たり前のように利用している銀行はいつから始まったのでしょうか?
世界で最初の銀行は紀元前3000年前のバビロニア王朝にさかのぼるとのことで、当時は神殿で人々の財産や貴重品を保管したり、穀物や貴重品を貸し付けていたそうです。
それから時が経ち近代の金融システムとしての銀行ができたのは17世紀の中世ヨーロッパ。
かつての中世ヨーロッパでは、金銀の輸出入、金貨や銀貨の鋳造を生業としていた金細工職人らの組合(ギルド)が存在していた。商人や資産家は、金貨を預ける保管業務を金細工職人らに委託するようになった。預かった金貨は巨大な金庫へと保管され、金細工職人は預け人に「預かり証」を発行した。まさに「預金」である。
金細工職人はこの金貨を誰かに貸して、利子で儲けようと考え出します。
さらに進んでいくとこの「預かり証」が、お金のように支払い手段として流通しているのを金細工職人は知ることとなる。~(中略)~ そこで金細工職人は金貨自体を貸し出すことをやめてしまうのである。そう、「預かり証」だけを発行して利子で儲けるのだ。
これにより保管している金貨以上に「預かり証」が発行できることになりますが、このシステムには一つ問題があります。
それは悪い噂が立って、預けている金貨が一斉に引き出される時です。
つまりそれは銀行としての「信用」がなくなるときです。
近代的銀行の発祥といわれるのが1694年につくられたイングランド銀行です。
他方で、金細工職人たちの手法を利用し、スケールを拡大させた商人たちが現れた。
商人たちは元手となる出資金を集め、120万ポンド分の「預かり証」をイングランド王・ウィリアム3世に貸し出したのだ。そのすぐ3年後には金細工職人たちの「預かり証」も発行停止となった。そう、これがイングランド銀行とイングランド銀行"券"の歴史の始まりである。
商人たちは王の後ろ盾がつきこれを「納税の券」として指定したことで、イングランド銀行は中身の尽きない金庫となります。
つまりこれが納税手段として《永久的に使用されることを約束する》ことでで、イングランド銀行の「預かり証」の“信用”規模が一気に拡大したことを示しています。
②日本で最初の銀行は日本銀行?
前回の内容とも一部被りますが日本銀行のHPにこのような記述がありました。
明治維新以降、わが国は積極的な殖産興業政策を展開していましたが、財政的基盤のまだ固まっていない政府は、その資金の調達を不換紙幣の発行に依存せざるを得ませんでした。そうした中、明治10年(1877年)2月に西南戦争が勃発し、大量の不換政府紙幣、不換国立銀行紙幣が発行されたことから、激しい”インフレーション″が発生してしまいました。
インフレーションとは紙幣の価値が下がりものの値段が上昇することです。
つまりこれらの不換紙幣には”信用”がなかった(なくなった?)とも言えます。
そこで、明治14年(1881年)大蔵卿(現在の財務大臣)に就任した松方正義は、不換紙幣の整理をはかるため、正貨兌換の銀行券を発行する中央銀行を創立し、通貨価値の安定を図るとともに、中央銀行を中核とした銀行制度を整備し、近代的信用制度を確立することが不可欠であると提議しました。
こうして、明治15年(1882年)6月、日本銀行条例が制定され、同年10月10日、日本銀行が業務を開始するに至りました。
これがはじまりかとも思いますが、調べを進めてみると日本最古の銀行がありました。
その名も《第一銀行》。
(そりゃそうかという感じもしますが、、、)
日本で最初に開業した銀行は、第一国立銀行(注)(旧第一勧業銀行、現みずほ銀行)で、明治 6(1873)年 7月20日 に現在のみずほ銀行兜町支店の位置(現在の中央区日本橋兜町 4-3)に開業しました。
(注)「国立銀行」は国立銀行条例に基づく銀行の意味で、国営銀行ではなく民間銀行でした。もっとも、民間の銀行の中でも、「国立銀行」が銀行券を発行していたのに対し、「私立銀行」は銀行券を発行できないという違いがありました。
それから合併・分離などで名前を変えながら、現在はみずほ銀行に吸収された形となっています。
イングランドと少し違うのは明治以前にも金,銀,銅や貨幣が複雑に絡み合いながら流通していたということがあります。
さらに江戸時代から両替商という銀行のルーツになっている商人の存在がありました。
特に有名な両替商には鴻池(こうのいけ)、三井、住友があります。このうち三井・住友はそれぞれ現在の大手銀行グループへと発展していくことになります。
このあたり時代の経済事情はまた調べてどこかのタイミングでまとめてみたいと思います。
ともかくとしてイングランド銀行の成り立ちとは少し勝手が違うようです。
《本コラムの結論》📝
・近代の銀行の始まりは金細工職人の「預かり証」
・金貨が全部引き出されないという”信用”があれば「預かり証」はいくらか多く発行できる
・日本の銀行の始まりは第一銀行
今回はこのシステムの核心には迫れてないような感じがしますが、長くなってしまったので次回に持ち越すことにします。
ではでは、、、👋
○おすすめの資料(参考文献)
・資本主義から脱却せよ 貨幣を人々びとの手に取り戻す (光文社新書)
・man@bow 世界で最初の銀行とは?(野村ホールディングス・日本経済新聞社)