テン年代終盤に現れた、国産シューゲイズ最高峰作品。「揺らぎ」の「Still Dreaming, Still Deafening」は御三家作品大好きっ子の僕も太鼓判の傑作。
はじめに
全国1000万人のシューゲイザーファンの皆様お元気ですか？
夏バテしてないですか？
ストレスためてないですか？
そんなにいないって？またまたご冗談を・・・疲れてますねぇ。
僕は心配です。
世界はストレスで作られていると言っても過言ではない現代社会に於いて、ストレスをいかに発散するかという問題は全人類共通の問題だと思います。
ある人はスポーツで汗を流す。
ある人はソロキャンプで自然と一体化する
ある人はサウナで心身を整える。
ある人はネットで悪口書きまくる(やめましょうね)
まぁ色々あります。
そして音楽でストレスを解消するならば、シューゲイザーのノイズと轟音の音の波で意識をトリップさせて心の平静を取り戻すのがオススメです。
ただ、近頃しっくりくるシューゲイザーが無いとお嘆きですよね？
僕も数年前まではそう思ってました。
僕の今の気分はドリームポップじゃないんだ。ニューゲイザーでもないんだ。あの頃のシューゲイザーなんだ。でも、そのまんまは嫌なんだ。
あと、できればマイブラとライドとスロウダイヴを一緒に摂取して、尚且つポップで新しい風を感じたいんだ。
そんな自分勝手で我儘で無いものを探して時間を無駄にしてる癖に時間効率を気にしている僕みたいなあなたにこの作品をオススメします。
聴いてみな、飛ぶぞ。
どんなバンド
メンバーはこの4人です。公式からのコピペです。
Vo/Gt/Piano miraco
Gt/Synth Kntr
Ba/Cho Uji
Dr/Samplar Yusei
王道の4人編成です。これでイイし、これがイイ。
2015年に結成して2016年にEPを2枚リリース。
2018年にこのEPをリリースして全国デビュー。
2019年にはフジロックに出演。
2021年に1stアルバム、2023年には2ndアルバムを出してます。
とても堅実なペースでリリースを重ねていて追いかけやすい。ありがたい。
どんな作品
静から動へ、動から静へ
透徹から混沌へ、混沌から透徹へ
理性から野生へ、野生から理性へ
1曲の中で音がこれらを行き来し、切り替わる時のダイナミズムに全てを捧げたような圧倒的な爆発力。
初めて聴いた時は切り替わった瞬間に自然と「へへっ」と笑ってしまい、音に没頭してしまいました。
久しぶりに聴いてみたら、やっぱり「へへっ」と笑ってしまい幸せトリップ状態になりました。
この一気に景色が変わる感じがクセになります。
とりあえず公式の動画載せときます。
この作品の楽曲はシューゲイザーオリジネイターの中でも極めて評価の高い3バンドである、「My Bloody Valentine」「Ride」「Slowdive」のエッセンスをそこはかとなく感じさせながらも、まんまそれな感じでもなく、全部を単純にミックスしたような感じでもない。
なのに「これこれこｋれおｋれおｋ－」みたいな興奮状態になるのすごい。
ちゃんと消化して血肉化して尚且つ他のジャンルも混ぜ合わさっているんだろうなと感じられる本物のデキ。
音に没頭させる曲が中心ながらも、合間にはトーンと世界観をしっかり合わせたポップな曲も忍ばせていて抜け目がない。
作品全体を見てもただの良い曲の詰め合わせではないのが好き。
曲同士が繋がっていたり、楽曲や曲順で起伏をしっかりと考えられて作られているので、一枚を通しでしっかり聴いてしっかり満足できます。
ぜひ1回は通しで聴いてほしいです。
単品でもカッコイイけどEPとしての完成度がとても高いと思います。
そして各楽器の音がとても好み。
音数が少ない時の各楽器の響きがカッコイイ。
消えかかった潰れたギターの音、重心が低くブイーンなロングトーンのベースの音、空間に弾けて炸裂するスネアの音・・・。
レコードで聴いているのでCDの音はわかりませんが、ぜひPlay It Loudでお願いしたいです。
あと、演奏の完成度が高いのはもちろんなのですが特に声がイイ。
声がイイだけでなく本質的に歌が上手い。
ボーカルとしての表現が上手い。
綺麗な声の中にしっかりと情感を感じられてうっとりボイスになってる。
女性Voのシューゲイザーが比較的苦手な僕でも大好きボイスです。すごい。
最後に
これを聴く前の当時の私はシューゲイサーはもういいかな・・・って思ってました。
このジャンルは御三家が強すぎて新しいバンドを聴いていいねーとか思ってても結局は御三家の作品しか聴かない感じになってました。
この作品もなんなら流し聴きみたいな感じでいっかと思ってたのですが、1曲目の時点で自然と動きが止まり、2曲目の「Horizon」のスネアのタタタタタタタタからの爆発でぐにゃぁと景色が歪み虜になりました。
この作品を聴いて
シューをゲイズしてばっかいないで、キマった顔で前を向いてがんばろう。
おしまい。