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「Okada Takuro」の「The Beach EP」について書こうと思ったら夏っぽいレコードをいっぱい持ってる事に気づいた深夜2時のテンション。

僕は夏があまり好きではない。
暑いだけならまだしも蒸し暑いのが嫌い。
蒸し暑くて許されるのはサウナだけである。

このブログで音楽の事を書くようになって自覚したことがある。
僕は夏っぽいレコードを結構持っているということ。
しかもどの作品も結構好きだということ。
そして冬の匂いのするレコードは持っていない。
考えてみたら冬っぽいと音楽で思った事ないかも。
夏っぽい表現はわかるのに冬っぽい表現がわからない。
不思議だ。

こんなことを書いていると1つの意外な事実が頭に浮かんでくる。
僕は夏が嫌いなのではない。
それどころか反対に夏が好きなんじゃないのかと思う。

自分が理想とする夏があり、それと現実の夏が全く重ならない。
だから音楽が表現する理想的な夏に憧れるがあまり、夏っぽいレコードをいっぱい持ってるのではないのかと。
現実の夏から逃避して、触れることができない幻想の理想の夏を追いかけているのではないかと。

何十年も僕は自分の事を夏嫌いと思って過ごしてきました。
実際は夏が好きで好きでたまらないのに、現実の夏はちっとも僕の理想の夏になってくれない。
それどころか、近頃はより態度を硬化させてくる始末。

近頃の夏ときたら、昼間に外を歩かせようという優しさがみじんも感じられなくなったよな。
歩けるもんなら歩いてみな、みたいな態度である。
昔の夏はクーラー無しで過ごすことだって出来てた。
可愛げが全く感じられない。
どうしちゃったんだよ。
いつからそんなツンツンな感じになったんだよ。
そんなふうに思ってたらいきなり雨を降らして泣いてくる始末。
しかもワンワン泣いて、しまいには雷を落としながら逆切れまでしてきて情緒不安定かと思う。
なにがお前をそこまで変えてしまったんだよ。
心配だよ。

昔のお前は今のお前より優しかったよ。
暑くても外で遊べるくらいには過ごしやすかったじゃん。
昔のお前は9月の終わりには涼しくなってたじゃないか。
でも、今のお前はなんだ!
10月終わりくらいでやっと涼しさを感じるぐらいにしつこいじゃないか。
いつからお前はそんなにかまってちゃんになったんだ。
春と秋も怖がって期間がみじかくなっているじゃないか。
あいつらの寂しそうな顔を見てみろよ。
何も感じないのか?

いや、待てよ。
地球がお前にそうさせているのか?
あいつがお前をたぶらかしてそうさせているのか?
どうしたんだよ?
黙ってないで答えてくれよ!
お願いだよ・・・。

ああ、あの頃の夏に戻ってほしい。
水を飲まさないという謎の部活の方針にもギリギリ対応できてたぐらいの優しさを持った夏に・・・。

俺は知ってるよ。
お前が本当は優しいってことをさ。
今ならまだ間に合うよ。
遅すぎるなんてことはない。
あの頃の夏に戻って、そしてもっとみんなに好かれる夏に変われるはずだよ。
俺と一緒に本来の夏の姿を取り戻そうよ。
俺はいつまでも待ってるからさ・・・。

こんな感じでイマジネーションを存分に広げてくれるのがこの作品の凄い所なんですよ。
読んでる人達を置いてけぼりな感じがしますが、この作品は歌が1曲とインスト3曲です。
2曲目の「By The Pool」はスティーブハイエットの唯一のアルバムであり、AOR大名盤である「渚にて」に収録されてる曲のカバーです。
この作品のジャケットの写真もスティーブハイエット撮影の写真です。
スティーブハイエットは60年代からプロのギタリストとして活躍していて、後に写真家に転向。
アートディレクターとしても名を馳せて「VOGUE」とかのガチファッション誌で写真撮ったりしてた才能いくつあんねんな方です。
ジャケットカッコイイですよ。

こんな写真撮れるようになりたい。

この作品はインストも実験的かつ、清涼感があってとても良いのですが、
私的オススメは1曲目の「SHORE」です。
AOR感が強めで上品かつ所々にシティポップ的なフレーバーが散りばめられているトラックに、決して強い声ではないけど、スーッと透き通った声が重なってすごく透明感のある爽やかな楽曲になっております。
この曲と実験的なんだけどするっと聴けるインストの綺麗な関係性がこの作品のキモかなと思います。
トータルでもそんなに長くない作品です。
短編小説みたいなストーリー性みたいなのも感じられます。
良い後味でまた聴こうって思えるちょうどよさが美点です。

岡田拓郎さんの作品はどれも神秘性みたいなのを感じられて大好きです。
決して濃い目の味付けがされた表現ではないと思うのですが、凛とした佇まいというか、透き通っている感じというか、濁りをよせつけない潔癖的な感じというかバリアな感じが、どの曲にも作品にも感じられる所が筋が通っていて好きです。
Roth Bart Baronやプロデュースワークも好きなのですが、やっぱりまとまった作品で音を味わいたいなぁと思います。

もう朝の3時です。
眠くなってきました。
起きぬけに聴いて爽やかな気分になろうかな。

おしまい。

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