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「Chapterhouse」の「blood music」というじゃないほうアルバムについて
はじめに
今回はシューゲイザー好きなら誰でも知っている「Chapterhouse」の目立たない名作を紹介したいのです。
たぶん、1stは知っていたり、聴いていたり、持っていたりだと思いますが、2ndの話をしている人を見たことも聞いたこともありません。このバンドの話をする時は1stの話だらけです。1stのジャケットの猫が可愛いとか、1stの疾走感がとか・・・とにかく1stの話だけです。
1stで終わったみたいな扱いを受けているとしか思えません。とてももったいないので2ndもとても良いよと宣言したい。そんなわけです。
どんなバンド
まずどんなバンドかおさらいしておきましょう。ざっくりです。
1987年に結成してライブがんばって、スペースメン3とかのライブもサポートしたりで下積み
1990年にデビューしてシングルを2枚だす。
1991年にもういっちょシングルだして
1stアルバムの「WHIRLPOOL」だして、もいっちょシングルだす。
その後1993年にシングル2枚出して2ndの「blood music」だして
1996年に解散という歴史です。
もう、全力疾走して燃え尽きたみたいな活動史ですね。
1st「WHIRLPOOL」
2ndに言及する前に1stの簡単な紹介をしておいた方がわかりやすそうなのでご紹介させていただきます。
どんな作品かというと
歪んだ爆音ギター(トリプルギター編成!)なのに浮遊感のあるサウンドと聴き取りずらいボーカルというシューゲイザーのお約束はキッチリ押さえておきながら、他のシューゲイザーバンドと異なってるのはサイケっぽい雰囲気を強く纏っているという事。楽曲もカッコいいし一気に持ってかれる曲だらけ。
ぜひラウドな音量で聴いてトリップしてほしい名作です。
2nd「blood music」
1stよりぐっと落ち着きと音楽的な成熟を感じられる内容です。
乱暴に言ってしまえばシューゲイザー+ハウスなサウンドです。
アルバム制作前にドラムが脱退したからか、打ち込みが全面的に導入されてます。このため全体的にリズムがカチっとしてます。
そして、1stではギターを重ねまくっていましたが、シーケンスなどを上手に使って抜き差しの加減も抜群で、カチっと整理された音像でとても聴きやすくなってます。
また、そのシーケンスに綺麗にカッコよくギターが重ねられていてサウンドの奥行もあって聴きごたえあります。
もちろんトリップ感も受け継いでいて、アルバム全体のムードやトーンも統一されているので通しで一気に聴けます。抜群の完成度です。
何で誰も語らないのか
色々と理由が考えられるので以下箇条書き。
即効性がある曲がない。
路線変更が受け入れられなかった
シューゲイザーが終わってた。
1番について。
曲のクオリティ自体は負けていませんが、1stには即効性の塊みたいな曲が何曲も入ってます。グッと首根っこ捕まえて聴かせる性質の曲が2ndには無いのです。簡単に言ってしまうと地味。だから1回聴いて中々いいねぐらいの感想で終わってしまう。連続でリピートしても耐えられる強度があります。
結論としては作品全体の纏まりとのトレードオフな感じになっていると思います。
2番と3番にについて
まず、91年に1stを出しましたが、その年は「My Bloody Valentine」の「Loveless」の発売年でシューゲイザーが終わったとされる年です。次の作品はそれを踏まえた内容でないとダメだと思ったのではないかと推測できます。しかも、2ndは93年です。シューゲイザーはとっくに終わっていてブリットポップの足音が聴こえてきてる頃です。時代が変わってしまっていたというのが大きいと思います。だから、そもそも知らない。知名度がないという事になってしまったのかと思います。
まとめ
「Loveless」の最後の曲である「Soon」で終わったシューゲイザーのその先を「まだだ、まだ終わらんよ!」と確かな完成度で高らかに鳴らした意義深い名盤です。
聴いてみればわかるのですが結構ポップでスッキリしていて聴きやすいです。
ハウスっぽい感じもそこはかとなくあるのでそっち方面の人にもオススメですし、シューゲイザーに興味あるけど、轟音が苦手な人にも聴きやすくおすすめです。90年代のロック色々好きだよっていう人にもオススメ。
ってことは大体の人にオススメできる名盤ってことですね。
いや、ホントおすすめ。