〈那須まちづくり広場〉を担う次世代募集!!こんな人とのご縁がありますように。
キーワードは当事者性
どんな方がいいのかなあと思うのです、お互いにという意味で。
そこで、思うにキーワードは「当事者性」でしょうか。
というのも、私がこの仕事に就いたのは、母親の介護体験が大きかったのです。私はいわゆる母子家庭で育ちました。母親に介護が必要になったとき、思ったことは二つ。
まずは母親に尊厳を持って暮らしてほしかった。そして、母親の介護で私自身の暮らしを変えることはしたくなかった。それが、私の仕事の原点とも言えます。そういう当事者性があったということですね。
二つの思いをかなえるべく、まず母親の暮らす場所を探しました。特別養護老人ホームから高級有料老人ホームまで、いろいろ見学をしたのです。でも、母親が自分らしく暮らす場所としては、とてもどこも相応しいと思えませんでした。
あそこも行けない、ここも難しい。自分らしく、尊厳をもって暮らす場所が、少なくとも介護が必要になった母と私にはなかったのです。
そこで、積極的ではない選択をするしかなかった。自宅で暮らすということ。そうすると、主治医や看護婦長や理学療法士の主任に、「そんな選択はいけない」と言われました。加えて私と母親の間にはなかなかの距離がありました。しかしそれでも、一人の人間として「ここで暮らせ」とは言えないところばかり。家以外の選択はあり得なかったのです。
母は車椅子の暮らしになっていました。もう一度歩いて暮らしたいという希望も持っていました。そこで、家をバリアフリーにする。リハビリのできる病院に通うといった準備を進めました。
さらに、病院が休みのときには、どうしたらよいか、といった困り事もありました。そのため、母のように中途障害を負った方がどのような暮らしをされているのか、集会などに伺ってお話しを聞いてきました。
ところが、家をバリアフリーにしたあと、思えば当たり前のことに気がついたのです。問題は「段差」より「人手」。段差などがあっても、人手があればクリアできるのですね。当事者になれば自ずと見えてくるものがあり、自分の願いを諦めたくないと思えば、様々なハードルを越えていくことになります。そうした当事者性が、私の事業の原点にあります。
母親の介護生活を通して、支援があることによって家族の誰かが重い負担を負わずとも、血縁家族がいなくても、最期まで自立生活ができるのだということもわかりました。
当事者として広場に関わり面白い!と思える人
私自身の当事者性についてお話ししましたが、人はそれぞれになんらか課題があるはずです。困り事があり、こうなったらもっと生きやすい、少し豊かな気持ちで暮らせるのに、といったことがないでしょうか。
私の場合は、私個人の努力や工夫だけではどうにもならないことに困っていました。尊厳というのもポイントだったと思います。それは、自助努力や多数に合わせて自分を収めるといった話とも違います。
〈那須まちづくり広場〉は、私たち70代前後の人間が、自分達の経験から作られた仕組みがあるというお話は前回しました。しかし、高齢期に起こる心身の変化は、世代や経験に関係なく多くが等しく起こることです。
また、人が温かい気持ちになることや、元気が出るとき、力を取り戻すことの本質は、今もこれからも変わらないように思います。
ですから、当事者として〈那須まちづくり広場〉に関われる人がいいですね。自分自身に課題を持っている人。私たち「那須まちづくり株式会社」がやっていることが自分のことになるのだという人がいいのだと思います。
多分、そういうことであれば、自分の困り事を働くことで解決ができるわけですから、とても面白いと思います。実は私は仕事は面白いものだと思っています。もし、面白くないと思う要素があれば、それは取り除いていけばよいのではないかと思っています。
私たちが〈那須まちづくり広場〉という事業を5年間やって来ていて、今の形がありますけれど、「誰もが自分らしく暮らす」ということを目標にしてきました。そういうことが「面白い」と思える人。
そして、〈那須まちづくり広場〉の面白い!を、全国の同じ困り事を持っているところに飛ばしたいと思っていますので、そういうことを厭わない人がいいですね。
前回も書いたように、私は面接をするときに「生活設計」をします。「ヒト・モノ・カネ・情報」が私の組織で、本当に望む姿になれるのかどうかということをお話するのが、私たちの面接です。そこで折りあいがつくのであれば、とても面白い組織だと思います。それを面白いと思う人に、すごく出会いたいなあと思っています。
会社は始まったばかりですから、人件費を沢山使うことはできませんので、場合によっては弟子入りをしていただきたい! というふうに思っております(笑)
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