お婆鮭? 回遊魚? 悪口上等。近山をめぐる「動きが止まると死ぬ」説の真相。
「那須まちづくり広場」のもう一つの基本。
「年をとってもエネルギッシュ」「すごいねえ」と言われるようになった。が〜ん。年を取ったということなんだねえ、とも思う。
ずっと一緒に仕事をしてきたPちゃんこと・佐々木敏子さんも最近いろいろな人からそう言われるらしい。
私たちは20代後半に知り合って、もう50年近くなんじゃかんじゃ一緒に活動をしている。高齢者住宅のプランニングや運営は仕事ではあるけれど、私たちにとっては「活動のひとつ」とも言えます。
73歳の今、お返しをしながら生ききりたい
この道に導いてくれたのは、noteの連載でも何度かご紹介してきた女性労働運動家・小西綾さんや近代文学研究者・駒尺喜美さんの影響なのですが、そのほかにも女性として凛として生きた諸先輩方から学んだことが多いのです。みんな超厳しく、きつかったけれど、心は温かい人たちでした。
女一人よい仲間に恵まれて、生きてくることができたのは本当に有り難いことでした。年齢を重ねるとともに、こうして生きてくることができたことに感謝する気持ちと、恩返しをしたいという気持ちがむくむくと湧いてきてしまった。というのが、鮭のようだといわる今日かもしれません。
先輩達が見せてくれた道でもあります。お返しをしながら生ききりたいと73歳の今思っています。それで、「お婆鮭」とか「肥えた回遊魚」とか言われながら、悪口だって言われながら、日々を生きているわけです。
お婆鮭ってなんだ? と思うでしょ? 鮭は生まれた川から大海へと下るのですが、やがてまたその同じ川へ戻り、産卵をして死ぬという習性があるようです。この川のことを「母川」といって母川回帰とも言われます。
そして、回遊魚とは一般に「泳ぎを止めると死んでしまう」と言われるマグロやカツオのこと。泳いでいないと、酸素を取り込めないらしい。でも、同じ回遊魚でも、マアジや太刀魚はちゃんと泳ぎを止めても、酸素を取り込めるエラを持っているから死なない!
近山、佐々木は高年齢の鮭だ、もしくは回遊魚だという人がいますが、じつはみんなが気がつかないところで、私たちも動きを止めていることもある。過日は行きつけの温泉の水風呂に浮いてジッとしていたら、「死んでいるかと思った!?」と口の悪い同行者に言われた。ははは、死んでないも〜ん!
生まれるのは、「ヒト・モノ・カネ・情報」
たしかに、近山たちの日常は騒々しく、気ぜわしく見えるでしょう。よく笑うし、感じたことを口から出しあうのでうるさい。
こういう生き方は好き好きです。ですから、こんな生き方はまっぴらと思う人がいても不思議ではありません。
そしていろいろな人がいるからこそ、人が動けば、なにかをしようということになると、悪口はつきものです。
褒める人がいれば、かならず陰口もある。
でも、それを恐れません。それは私の問題ではありません。自分の事と思うと、動けなくなってしまいますから。
人より頭ひとつ出ることと、何かを言いい、誰かから叩かれることを、恐れるあまり行動に移れない人が多いです。でも、動いてみるとわかります。動けば縁ができる。「いいね!」と思う誰かときっとつながれる。
そして、そこで生まれるのは、「ヒト・モノ・カネ・情報」です。一人でも動きだせば、それをシェアするきっかけになる。
「那須まちづくり広場」を私は「ガウディ方式」と勝手に呼んでいます。終わりのない運営なのだというお話しをよくします。課題を解決すると次の課題が出てきます。ニーズは成長するのです。広場でみんなが暮らし、働き、活動し、表現するなかで、一歩踏み出して日常を変えようと思う人が出てきたら、そこにまた「ヒト・モノ・カネ・情報」が集まります。
弱い私たちが生きていくためには、それらをシャアし誰もが弱いと思えるゆるやかな場所にしていけばいい。そういう環境と条件があるのが「那須まちづくり広場」です。
次回は、もう少しつっこんで「シェア」について書いてみたいと思います。
私たちのこと、もっとよく知りたいという方向けに↓
https://japama.stores.jp/items/62c29af40850a01ca075cd71
(20221218−16)