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現状を嘆いていても埒があかない。だから、高齢者が自分達でつくってみたセーフティネット「那須まちづくり広場」

「那須まちづくり広場」の実践を少し具体的にお話ししましょう。

前回、高齢者施設にこそ、セーフティネットの可能性があることを言いかけて、終わりました。

高齢期の当事者になると、自分はもちろんどんなに信頼を置いている家族でも、一人の尊厳ある日常を維持することは困難。というのが、私の経験上言えることです。

そこで、考えた事が「那須まちづくり広場」に結実しているといえるのです……でも、これ、疑問に思われませんか? 高齢者の住まいをプランニングをしていた人間が「まちづくり」とは? この点についてもおいおいお話しさせていただきたいですが、今回は「セーフティネットの可能性がある高齢者住宅」について話を進めます。

しぶとく生きてやろう。老いも若きも。

「高齢者施設」のイメージをどう持たれているでしょうか。年寄り・孤立・集団管理……と、マイナスのイメージを持つ方がほとんどではないかなと思います。そんな施設に入ったら、不自由な生活が待ち受けている? 呆けてしまわない? とかとか。

たしかに、いまの日本の高齢者施設や、住まい、医療介護など社会保障制度などには問題が山積していて、悪いニュースに事欠きません。私も嫌というほどそうした事例や話を聞いて、実感もしています。

しかし、よく日本の高齢者の介護施策を見ていくと、その仕組みは世界に誇れるものです。ですが、利用できる施策、システムはあるのに、それを適切に運用できておらず、また国民もそれを知らない、知らされていない。結果、上手く利用できないようになっています。

この点もおいおいお話ししていきますね。で、そんな現状を嘆いていても埒があきません。なぜって、だから個人、家族の力でなんとかできるものでもないからです。そこで、このマイナスと思われる「高齢・集団」を活かした暮らし作りを考えたわけです。

ピンチがチャンス。高齢期なんてピンチの連続です。そして、崖っぷちです。もうなんでもやってみましょう。意外となんでもできます。とくに高齢者には経験や知恵があります。弱者とも言われて、幼子扱いをされることがありますが、とんでもありません。
それから、若くても、障害があったり、生きにくさを感じている人は、高齢者と同じ「社会的弱者」です。そういう命名を利用してしぶとく生きてやろうと思います。がははは(^_^)

そこでも、やはり、信頼が必須。

さきほど、「信頼を置いている家族」と書きました。この「信頼」という点は大事。家族であろうと友人であろうと、近隣の人であろうと、まずは、基本になるのが、他者との信頼関係です。

なぜなら、これがないと助け合いはできません。そして、人は助け合わないと、障害があろうとなかろうと、豊かに生ききることはできません。
さらっと書きましたが、信頼という言葉にピンと来られたり、どなたかの顔が思い浮かんだ方には通じるでしょうか。

信頼は言葉で知っていても、実感に至るまではそう簡単ではありません。ここでは、「場作り」を通して人と人とが関係を結び、助け合う、すなわち「安心を得られる」「自分らしくあれる」には? という流れにつながる「信頼」の話をしたいと思います。

「場を作るときの信頼」はどのような時に生まれるのでしょう。

私たちが基本に考えたのは作ったのは「管理しない仕組み」でした。

「那須まちづくり広場」は那須町を走る国道4号線から脇道に入った旧小学校の跡地にあります。古い歩道橋が目印です。

福島方面から見た歩道橋。ここを左折します。
那須町の景観を守るルールで、看板は茶色です。

でも、広場はまだそう認知されていませんから、車で通る人は、いったいなにがあるの? 広場ってなに? と 思っておられます。

ふと気になった人がその脇道に入って来られることもあります。「那須まちづくり広場」の出入りは自由です。元校舎一階を中心にしたパブリックゾーンは、時間内であればとくにご予約などもなしでお越しいただけます。

表玄関は、太陽マークが目印。

広場の表玄関はこじんまりとしています。那須町住民の防災拠点でもある体育館の入り口まで行くと、それはあります。いまは針金アートのゴリラさんが出迎えてくれます。

朝9時から夕方5時くらいまで、表玄関は開いています。
ほかマルシェなどの入り口は校庭側や裏庭側にもあります。

この玄関を通り、長い廊下をいくと、元校舎の真ん中にはコミュニティーカフェ「ここ」があるのですが、時々恐る恐るというか遠慮がちに入ってこられる方がおられます。
「入っていいの?」という感じ(笑)
いきなり広々としたカフェに行き当たるので、面くらいますね。

コミュニティーカフェ「ここ」。店内は小さな体育館ほどあり、天井も高く開放的。

……と今回はここまで。文字量を2000字までとしています。

いやん!待てない!という方は、那須まちづくり株式会社のホームページ「施設案内」からご覧くださいね。次回は、「なぜ出入り自由なのか?」についてお伝えしたいと思います。

すごく遠回りになっていますが、その「高齢者の暮らし」のひいてはすべての人たちのセーフティネットにつながるのか? というお話につながります。忍耐強くおつきあいください(笑)。

https://japama.stores.jp/items/62c29af40850a01ca075cd71

(20221120−12)


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