EV生産「脱中国」も難題 米供給網、環境・人権指標6割悪化分断・供給網 悩める新秩序(上)(日経新聞8月14日HP)
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表題の引用は次の通りである。
「米中対立の激化を受けて世界のサプライチェーン(供給網)から中国を切り離す動きが進む。日米は友好国だけで原料や部品の調達を完結する新たな供給網の整備を急ぐが、製品のコストだけでなく、限られた資源の囲い込みによって環境や人権のリスクも高まることがわかった。脱中国が生む新秩序のひずみに備えはあるか。」(電気自動車の生産、脱中国も難題 米供給網は環境・人権指標6割悪化 - 日本経済新聞 (nikkei.com))
中国とアメリカのサプライチェーンが、政治的状況により「分断される」見込みであると述べている。
そして、日本とアメリカは友好国だけでサプライチェーンの整備を進めるとの目測の記事である。戦前のブロック経済と似ているような気もするが、日米の友好国はフランス、ドイツ、イギリス、といった諸国と、東南アジア周辺国、アフリカ、アラブ首長国連邦などであって、ロシアや中国、北朝鮮は含まれないように思われる。
ただ、日本自体も農産品のみならず工業製品においても中国との依存関係がある。工業製品を見ると「メイドインチャイナ」が多く国内でも見られる(中国の人件費が将来日本と同レベルになったら中国はどのようなストラテ時ー「戦略」を採用するのであろうか)。
日本に多く戻るであろう観光客も、中国からの数が大幅にアップするであろう。
なお、以下のHPによれば、「全世界の電気自動車生産台数1,020万台のうち、450万台以上が中国で生産されている。」
【中国のEV政策】政府の動向や今後の課題を解説 (bizlab.sg)
また、別な時期の以下のHPによれば、中国のEV生産は「536万台」でった。
日本車に“逆風” EVシフト進む中国 トヨタ・日産・ホンダはどうする | NHK | ビジネス特集 | 中国
日本も過去に、アメリカから自動車輸出規制を受けたあとは、アメリカに工場を作り、そこで生産された車を「輸出ではない」体で販売した。
中国がどのようなストラテジーに出るのか、楽しみである。
基本的には、中国もアメリカも、資源のない日本とは異なって、輸出入に頼らなくても自力で一定の期間は生き残ることができる。最悪のケースでも、食料については自国の生産でなんとか対応できる。
自国で生産できて他国の物資に頼らなくてもいいということは、国際社会でも発言力と影響力を持つことができるということである(確か、軍事パワーに対するソフトパワーだったかな)。
日本では中国からの団体観光客が解禁される見込みとなった。国内のインバウンドが期待されるであろう。また、国際社会ではロシアを表立って批判している日本であるが、ロシアの資源を継続して利用できているしロシア側も日本との交易を完全にシャットアウトすることはできない。
政治主導で規制や緩和を政策的に行うとしても、最終的には経済状況や産業の状況により、均衡点へ向かうように思われる。