見出し画像

ビジネス・プロデユーサーになるための学習

グローバル人材になるには、グローバル・コミュニケーション能力という基礎力に、論理的思考(ロジカル・シンキング)とマネジメント力、リーダーシップ力が必要です。また、ダイバーシティ・マネジメントも理解しなければなりません。企業は、今、「ビジネス・プロデユーサー」を求めており、MOT学習などを推進していますし、また、視野を広げるための新興国研修などをはじめている企業もあります。

MOT

MOTですが、これは自分で学習する必要があります。MOTもMBAも基礎知識は大体同じようなものです。このシラバス(講義概要)は、我々にも系統だって学習するのに役に立ちます。文部省制定したMOTのシラバスを添付します。MBAの決まったシラバスはないですが、だいたいMOTの基礎科目+3科目という感じです。

プレゼンテーション1


MOTを教えている大学院の方と話す機会があり、基礎科目の習得は、どの程度まで深くやるのか聞いたところ「MOTコア・カルキュラム」というのがあり、そこに「知識の習得の目安」が各項目にあるので、それを参考にしてくださいとのことでした。これは自己学習の時に役立ちますね。ユニバでも全ての項目を教えることはできないので、これを配って自己学習の目安にしてもらっています。


たとえば、「組織・人材、企業倫理」の項目の知識理解の目安は、
(13) 企業倫理:企業や組織の一員として業務を遂行していく上で前提となる倫理観について説明できる。
(14) 組織マネジメント;組織の効率性と創造性を適切にバランスさせるためのマネジメント手法を説明できる。
(15) モチベーション;組織メンバーが組織目標の実現に向け活動するための、人事制度を含むモチベーションのマネジメントの枠組みを説明できる。
(16) リーダーシップ;組織目標を実現するためのリーダーシップの役割とその効果的な実践方法について説明できる。
(17) コンプライアンス;自社の活動に関連する主要法令及び行動規範について意義を説明し、遵守徹底に向けての個人的・組織的な取り組みを提案できる。
(18) 企業の社会的責任;CSRの概念を理解し、事業活動を遂行するに当たっての位置づけと重要性を説明できる。
(19) リスク・マネジメント;自社を取り巻く主要なリスク項目とそのインパクトを列挙し、 それらリスク項目を組織的に管理するプロセスについて説明できる。


シラバスと目安がわかれば、知らない分野だけをピックアップし、それの基礎知識を学習すればいいことになります。その場合の効率的な知識の習得方法に「概論」が役に立ちます。新書版くらいの本で、その項目をざあっと二時間ぐらいで把握してから、その中でよく知らない部分を更に詳しい本で学習するというやり方です。たとえば、モチベーション理論を学習しようとしたら、まず「モチベーション理論概論」を読んでから「モチベーション3.0」を読むという方法です。


これは、あくまで基礎知識ですので、実際の業務で活用しないと身につきません。たとえば、プールの外で泳ぎ方ばかり学習しても泳げません。しかし、泳ぎ方を学ばず、ずっとプールで泳いでもある程度までしか上達しません。要は、両方、やらないといけないということですね。

新興国研修

今、巷では、「新興国研修」なるものを、研修会社などが一般の人や企業にオファーしています。

これは、インドなどの新興国などに二、三週間いき、現地でビジネスのネタを探して、発表するというような研修です。こういう国は、先進国とは、いろんなところで違うので、「なぜ違うのかな」という根本を考えないと理解できないわけです。そういうプロセスを経て、「思考する」訓練をし、また、「視野を広げる」こともします。
さて、この「視野を広げる」という能力開発を、馴染みの少ない「新興国」を材料にして、自己開発するという方法を考えてみましょう。

ます、新興国BOP(Bottom of Pyramid)の考え方です。これは、新興国にCSR(社会貢献)をするときに、寄付などして貢献しようとしますが、それよりもCSV(Creating Shared Value)という、その地域の人の本当に求めている価値を発見し供給するビジネスを開発すれば、BOPとなり企業は巨大なビジネスを構築できるし、CSRよりも大きな貢献ができるという話です。バングラの「グラミン銀行」とかです。
これは、プラハラード著「ネクスト・マーケット (「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略)」が参考になると思います。


さて、次にこの考え方を、もう少し、ビジネス理論に翻訳したのが、ビジャイ・ゴビンダラジャン著の「リバース・イノベーション」です。これは、新興国のビジネスを先進国にも適用できるという話がありますが、「新興国」「先進国」の言葉を省き、あるビジネスを他のビジネスに利用するなどの方法も頭に浮かぶようになります。「バングラデシュの民間療法で塩水に炭水化物と糖を加えると体内への吸収が速くなり、患者は素早く水分を補給することができる。これをフロリダ大学の医師がみつけ、ゲータレードができた。」なんて話は、目から鱗ですよね。


「リバース・インベーション」は、新興国のユーザーが何に価値を置いているかが重要なので、それを発見することが必要であると説きます。その時に、どう発見するかですが、「行動」をどう「観察」するかの能力も必要になりますが、ここらへんは、松波 晴人著の「「行動観察」の基本」に詳しく書かれています。


いろいろな行動観察の方法があると、本は述べていますが、文化人類学にのっとった「エスノグラフィー」も有益な方法だと思います。混沌とした現実の事象をいかに「概念化」するかという方法です。

2,354






いいなと思ったら応援しよう!