Returnal ストーリー考察 あの子は誰なのか
このゲーム、とてもストーリーが難解です。
特に論争となるのが子供(Child)が一体誰なのかです。
テイアやセレーネに関しては字幕で名前が表示されますが、この子供だけは何故か「子供」としか表示されません。一体どういうことなのでしょうか。
※本記事には個人の見解が多く含まれます。
登場人物
登場人物から追っていきましょう。
作中で語られていた事を並べてみます。
セレーネ
テイア
子供(Child)
ヘリオス
ヒュペリオン
宇宙飛行士
実際のストーリー
先に自分が思う実際のストーリーを書いておきます。(次の章から内容を解説)
1. セレーネはテイアからネグレクトを受けて育つ
2. テイアは車を運転中にセレーネの発言によって白い影(宇宙飛行士)が見えてしまい事故
3. 事故によりテイアは下半身付随に。セレーネは奇跡的に助かる
4. 時が経ち、セレーネは妊娠するが堕ろす(その子がヘリオス)
5. セレーネは年老いたテイアをまともに介護せず地下に放置して殺してしまう
6. 上記への罪の意識と持病の幻覚が重なり、脳内でReturnalの世界が展開される
上記ストーリーに至った理由
今作を解釈する上で重要なポイントは
セレーネ = テイア = ヘリオス
にあると思います。
というのも月の女神セレーネというのはWikipediaによれば、
つまりセレーネは、少女・成人女性・老女の3つの顔を持つ女神なんです。これを軸に考えると割と都合の良い考察が出来るようになります。
子供
まず子供ですが、これはセレーネの過去をベースとして妄想したヘリオスではないでしょうか。
セレーネはテイアからネグレクトを受けて育ち、それが宇宙飛行士という形としてトラウマになっています。テイアと同じことを子供に繰り返してしまう恐怖を具現化したのが子供のシーンです。
そうしない為にヘリオスを堕ろす選択をしたのかもしれません。
(リターナル中のセレーネは宇宙飛行士になる為に堕したと思い込んでいる可能性も)
子供はセレーネ自身でもあるのでPS5で自分を操作出来るのではないでしょうか。
老女
そして老女ですが、真エンドでは自分自身が宇宙飛行士であることが判明します。つまり今までテイア(老女)だと思っていた存在がセレーネ自身だったということです。
これは「なんであんなに怯えていたんだろう」という台詞からも分かる通り、テイアをそう捉えていた自分に原因があったと受け止められたということだと思います。
そして車の事故の原因もセレーネ自身にあったのだと思い出すことが出来ました。
また、車椅子にセレーネが座るシーンもテイア=セレーネの図に見えます。
最後に出てくるお腹の膨らんだ化け物テイアは、堕ろした自分へのイメージと重なって生まれたのかもしれません。
ボスの名前からも考える
登場人物以外にもギリシャ神話の名称は使われています。特にボスの名前はストーリーを解くのに良いかもしれません。
(以下ウィキペディアより)
フリーキ
「恐怖」の意味
↪︎ テイアに対する恐怖
イクシオン
血縁の人間を殺した最初の者
タルタロスに送られ、火が燃えさかる車に縛り付けられたまま空中を絶え間なく回転している
↪︎ テイアとヘリオスを殺した
↪︎ ループから抜け出せない
ネメシス
「義憤」の意味
神の憤りと罰の擬人化
↪︎ 殺人、中絶に対する罰
ヒュペリオン
女神セレーネの父
「高みを行く者」の意味
↪︎ 宇宙をめざす母
オフィオン
オリュンポスの原初の支配者
牙を抜かれ、地下に追放された
↪︎ テイアを下半身付随にさせ地下に閉じ込めた
という感じで結構当てはまる気がします。
その他の材料
ゼノグリフログを見ると、更に分かります。
壊れた太陽の奥の地下室で生まれた死、というのは放置されて亡くなったテイアでしょう。
(太陽のオーナメントを集めることでテイアに会うことが出来ます)
「あのことは悔やんでる。でもいい気味」というセレーネの台詞はネグレクト返しをしてやったということなのでしょうか。(または白い影と言って下半身付随にさせたことなのか)
ヘリオスは早々に命を落とした、というのは中絶かもしくは子供の時に亡くなったことだと思いますが、
子宮の中の忌むべき存在、という記述から自分は堕した方じゃないかと思っています。
(あとは、堕してないのにわざわざラストにあんな堕す予定のログを残すとは思えないというメタ的な考えも...)
残る謎
セレーネとヘリオスは本当は兄弟なのでは
ギリシャ神話では兄弟。妻がテイアで夫がヒュペリオンにする拘りがあるならヘリオスをセレーネの子供にするとは思えない。子供部屋には枕が二つあるし、基本ソロプレイなのにPS5のコントローラーが2つある!
産まれる前に名前付けるだろうか
産む前に性別分かるからいいのか。
リスポーン地点について
船の中で目覚めるパターンと外のパターンがある。真エンドでは車の外で目覚めて、ノーマルだと車の中。それと関係してる?
真エンドラスト
湖から顔だしてセレーネが「ヘリオス...」と呼ぶシーンがあるけど、セレーネが溺れてる説明がつかない。個人的にはあれは中絶したことの隠喩だと考えてるけど、これも微妙なところ。
実は車の事故とは全く別のシーンで、セレーネが入水自殺しようと湖に飛び込んだ、とかなら分かるけど今のところそういうのは見つからない。
その他
ネグレクトについて
テイアはセレーネを宇宙好きに育てたかったが、海関連が好きになってしまったのでそれが原因なのでしょうか。オクトが毎回隠されているような演出もあります
現実と虚構がリンクしている場面
宇宙船ヘリオス「白い影を追跡中」
=子供「白い影が見える?」
自分が乗る宇宙船を自分が撃ち落とす
=自分が乗る車に自分(宇宙服)がぶつかる
宇宙船が墜落
=子供を堕ろす
「警告:ヘリオスから遠ざかっている」表示
=湖に沈む子供を置いて自分だけ助かる
追記
堕胎したのがテイア説があるらしい。
確かにそれなら神話的にも弟のヘリオスで合点がいくし、ラストにお腹の膨らんだテイアが出てくるのも自然。(まさかテイアが妊娠した状態で地下に放置していた?)
海外なら子供の名前を親族と同じにしたりもあるだろうから、テイアが堕胎したヘリオスを自分の産む子供の名前に付けることも考えられる。
考察内の不幸が渋滞しとる!
追記(2024/10/5)
久しぶりにこの記事を見返しました。
やっぱりラストシーン、海から上がって「ヘリオス」と呼ぶシーンはどう考えても出産の表現ですよね。
母と自分の関係がそのまま自分と娘の関係としてループするのを恐れているわけで。
この悪夢を通して母への気持ちの整理が付き、娘を堕胎せずに産む決心が出来たのがラストの意味なのでは無いでしょうか。
これなら話スッキリです。