文章はなんかいい感じに見せられればOK、コツはこれ:書くこと講座(4)執筆編
「これからnoteで書き始めたい人のための書くこと講座」の第4回、執筆編です。目次だけ読めば要点を掴めます。
この講座は、「noteで記事を書きたい」と思いながらなかなか書き始められない、始めたけれど続けられなかった人のために作ったものです。具体的には下記に当てはまるような人に読んでもらえたらと考えています。
●書きたいという気持ちがある
●書きたいことがある程度決まっている
●noteを使ってみたい
●趣味の範囲や生活の一部として書き続けたい
●書いた経験が少なくて不安だらけ
●できれば書く力を伸ばしたい
すでに書き続けられている、商業メディアで書いている、noteでお金や影響力を稼ぎたいといった人には物足りない内容でしょう。それよりももっと初歩の部分、まず書くことの下地や土台となる力をつけたいときにどうぞ。
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さて、第4回は実際に記事を書くときに活かせる文章術について解説します。
文章の巧拙は気にしなくていいというのが大前提ですが、それでも気にしてしまうのが人のサガ。やっぱり次のような不安があるのではないでしょうか。
●書きたいことをうまく表現できない
●文章が下手だと思われたくない
●書き上げたけれど公開するのが怖い
ポイントは、文章はほんの少し工夫したら劇的によく見える、ということです。見方を変えると、なんかいい感じの文章に見せられればOKということですね。今回はそのためのコツを解説します。
もちろん、しっかりした文章力を身につけるにはいっぱい書いていっぱい読むのが正攻法です。その際、どんなことを意識して鍛錬を積めばいいのかを知っておくだけで向上率が増すわけですが、この記事で紹介するコツはまさにその意識すべきポイントとなります。
書きたいことをうまく表現できない→箇条書きでも伝わる
記事を書いているとき、こういうことを伝えたいのにうまく表現できない、という状況によく陥ります。特に、いろんな論点を詰め込みながら理路整然とした文章を書くのは簡単ではありません。
しかし、それを端的に解決する方法があります。箇条書きを使うことです。
●箇条書きを使うと論点を1つずつ書き出せる。
●論点の転換や段落の接続など、一番難しい部分を考えなくていい。
●文章が短めになるので書きやすいし読みやすい。
●各項目は読む人が勝手に繋げて読んでくれる。
●メモにしか見えないけれど、メモでも充分伝わる。
箇条書きの威力、充分に伝わったかと思います。もし余力があれば箇条書きにした各項目を膨らます形で通常の文章にしてみてもいいかもしれませんが、読む人は文章力や表現力に期待しているのではなく、あくまで内容を知りたがっていることを忘れないようにしましょう。
記事の全文を箇条書きにしてしまうのも、僕はいいと思っています。手元のアイデアメモをそのまま書き起こす(コピペする)だけで、おそらく伝えたいことは伝わるはずです。
ただ、箇条書きだけだと読む気が削がれてしまう人もいますし、しっかり論理の階段を踏んで説明するには不向きです。箇条書きに頼りすぎるのではなく、できれば論点がごちゃごちゃしているなど表現が難しい部分に限定し、地の文と合わせて緩急をつけるといいですね。
文章が下手だと思われたくない→読点&同じ表現に気をつける
文章が下手だという自覚があって悩んでいる人は多いかもしれません。繰り返しますが、前提として文章の巧拙は記事の面白さに1%の影響しか与えません。面白さの99%はテーマと内容によって決まります。
そもそも、noteで記事を書くときは作家のような表現を使う必要はありません(小説は別として)。作家が秀麗な(時にくどい)表現をするのは読む人に情景や心情をイメージしてもらいたいからですが、記事の場合は素朴な表現でも伝えたいことを書くのが大事です。
しかし、それでも文章はうまいほうが望ましいと考えるのは当然です。文章力は一朝一夕で向上しませんが、とすれば、文章がうまく見えるようなポイントを押さえればいいのです。文章はなんかいい感じに見えれば勝ちです。
そのためのコツは2つ。読点の位置に気をつけることと、同じ言葉や表現をなるべく使わないようにすることです。
読点とは「、」のことです(「。」は句点)。文章を書き慣れていないと、読点をどこに打てばいいのかは意外と迷ってしまうところではないでしょうか。基本的には、読点は文章の中で意味のまとまりを示すときと、文法的に分かりやすくするときに使います。また、文章を読むときのリズムを作るうえでも大切です。
読点のない例文を書いてみますので、どこに読点を入れたらいいか、考えながら読んでください。
文章をいい感じに見せるコツはほかにもあって余分な改行(改段落)をしない1つの段落はTwitterと同じ140字に収める英数字は半角にする接続詞や副詞などはひらがなにするなどがあります。
読点はよほど特殊な使い方をしない限りは最適解があり書き慣れている人なら誰でもたいてい同じ位置に打ちますし適当に打つ読点は存在しません。変な位置に打ってあると読んでいるときに違和感があるはずです。
おそらく黙読するときに頭の中で息が切れるポイントがあると思います。そこが読点の位置です。回答は下記のとおり。
文章をいい感じに見せるコツはほかにもあって、余分な改行(改段落)をしない、1つの段落はTwitterと同じ140字に収める、英数字は半角にする、接続詞や副詞などはひらがなにするなどがあります。
読点の打ち方はよほど特殊な使い方をしない限りは最適解があり、書き慣れている人なら誰でもたいてい同じ位置に打ちますし、適当に打つ読点は存在しません。変な位置に打ってあると、読んでいるときに違和感があるはずです。
主語のまとまり、要素のまとまり、述語のまとまり(要するに意味のまとまり)を分かりやすくするために読点を打ちました。読点は少なめのほうが文章を読みやすいので、多用は厳禁。記事を読むことで感覚を養いましょう。
読点と並ぶもう1つのコツは、同じ言葉や表現をなるべく使わないようにすることです。特に文尾や接続詞、慣用句や比喩には注意したいところ。別の表現や類義語を使うなど、ちょっと手間をかけると劇的にうまい文章に見えてきます。
「する」「思う」「です」「しかし」「だろう」「とても」「~だが、」など挙げればきりがありませんが、とにかくその表現の近くで同じ表現を使っていないかをチェックし、別の表現にすることが重要です。
ある接続詞や形容詞、副詞を記事の中で1回しか使わないような縛りを設定して書くと、どんな表現があるかを調べたり考えたりするので語彙がどんどん増えていきます。
書き上げたけれど公開するのが怖い→推敲してとにかく公開する
さあ、いよいよ記事が書き上がりました。さっそく公開したいところですが、どこか至らない点がないかと突如不安に襲われます。公開しても大丈夫だろうか……と悩んでいるうちに公開するタイミングを失ってお蔵入りすることも少なくありません。
ですので、書き上がったら読み直して読点の位置を確かめ、同じ言葉や表現を多用していないかをチェックします。これを推敲と呼びます。最低1回は推敲をしましょう。書いてから1日くらい置いて読むといいかもしれません。
紙に印刷して読んだり、声に出して読んだりするほうがいいと主張する人もいます。印刷や音読はディスプレイを眺める以外の読み方になるので、書いているときとは違う感覚で読みやすく、いわば他人になった感覚で読めるから推奨されているのでしょう。僕は方法は何でもいいと思います。
推敲が終わったらとにかく公開します。あらゆる気持ちを押さえつけて公開ボタンを押すのです。これはもう勢いとしか言いようがありません。えいや!
そして不思議なことに、公開した途端に修正や追記をしたい部分に気がつきます。公開は実は、推敲において印刷や音読よりも効果があります。商業メディアならやってはいけませんし、黙って修正したら信用を失うこともあるとはいえ、公開直後ならささっと手を入れてしまいましょう(慣れてきたらやらないほうが無難です)。
勢いで公開さえしてしまえばあとはどうにでもなります。
文章力がなくても文章をいい感じに見せられる
以上、文章をいい感じに見せるための文章術を紹介してきました。その場凌ぎの方法に感じたかもしれませんが、実はこれらの先に文章力の向上があるので、書き始めたばかりの人は積極的に利用してみてもらえればと思います。
いい文章、うまい文章はたしかに存在します。それは誰もが憧れる、感情を激動させてくれるような文章です。ですが、僕たちがまずやりたいのは書きたいことや伝えたいことを記事にすることであって、うまい文章はそれを助けてくれる手段の1つでしかありません。
そのことを忘れず、いい記事を書くために邁進していきましょう。
【これからnoteで書き始めたい人のための書くこと講座】
(0)宣言編 ←講座の狙い、何が学べるかについて
(1)マインドセット編 ←書き始める前に身につけたい心構えについて
(2)目的編 ←書き続けるために必要な戦略について
(3)準備編 ←決めておくとすらすら書ける手法について
(4)執筆編 ←イマコレ!
(5)継続編 ←ネタ、時間、モチベーションについて
(6)承認編 ←多くの人に読まれるための工夫について
(7)実例編 ←実際にどうやって記事を書いているかについて
ここまで読んでいただき、ありがとうございます! もしよかったらスキやフォローをよろしくお願いします。